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【実践編6:ものづくり現場における心理的安全性と成果の関係】

 過去下記のマガジンで心理的安全性に関して、「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」の内容を解説させてもらいました。
 心理的安全性が組織のパフォーマンスに重要と言われ始めてもう大分経ちますが、多様化が加速する現代でその重要性はより増しているように感じます。私自身、関わり大小はありますが日本・アメリカ・フィリピン・タイと工場のマネジメントに携わってきた中で、どの国でも共通するものだと感じています。
 どんな、ところで重要なのかということをフォーカスして自分なりの考えを徒然なるまま書かせていただきます。(どう構築するかは言及していません。下記マガジン読んでいただければ幸いです)

◆本書の中での心理的安全性とその意味合いについて

 グーグルでのプロジェクト・アリストテレスによって、提唱された心理的安全性ですが、この本では、

心理的安全性とは
「メンバー一人ひとりが安心して、自分が自分らしくそのチームで働ける」ということ。自分らしく働くとは、「自己認識・自己開示・自己表現ができる」ということです。要は、「安心してなんでも言い合えるチーム」が心理的安全性の高いチームなのです。

といっています。なぜ、安心してなんでも言い合えるチームが良いかですが、世界的な経営思想家であるゲイリーハメル氏は、能力ピラミッドというフレームワークを提唱しこう言っています。

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「企業が繁栄するかどうかは、あらゆる階層の社員の主体性、想像力、情熱を引き出せるかどうかにかかっている。そして、そのためには全員が自分の仕事、勤務先やその使命と精神面で強くつながっていることが欠かせない」

上に行けば行くほど労働生産性は高く、主体性、創造性、情熱が成果の基本であると。この本の中では、これをどのように構築していくかを1オン1などの具体例を使って解説してくれています。(ぜひ読んでいただければと思います)

◆ものづくり現場で実感する心理的安全性と成果の関係~Bad news first~

 上記で言っていることと本質的には変わらないのですが、心理的安全性と成果の関係性をものづくりの現場でも感じます。その一つのポイントが、Bad news firstです。当然現場でも多くの不具合が起きます。客先からのクレームだったり、設備トラブル、人間関係のトラブル等です。そんなときに、上司や仲間に相談、すぐに報告できる状態かどうかは組織にとって重要です。当然、問題に対しては対策を打たなければならないからです。即座に情報が入ってこなければ、問題がどんどん深刻化していくことがあります。でも、問題が起きるとそれを上に知られたくないというのがメンバーの本音だと思います。なぜならば、評価が下がったり、詰められたり、怒られたりるかもしれないと思うからです。心理的安全性の一つの指標となるのがBad news firstだと思います。心理的安全性が築かれている職場では、問題が起きたら上司や仲間に相談・報告して対策を考えようとなります。心理的安全性が築かれていないと、詰められて仕事が増えるだけだし、とか怒られるしという理由でよっぽどのことでないと報告が来なくなります。なお、グーグルは雑談が需要だと言っています。そんな気がなくても、報告が漏れてしまうことがあります。ただ、雑談の中で、そーいえば、と言って各種問題をシェアすることもあります。雑談ができる関係自体が良好なことを証明していますが、そんな職場はトラブルに対する対応スピードが上がってきますよね。

◆結局アクションが肝。アクションを起こしやすくるのが心理的安全性。

 Bad news firstもそうですが、大事なのはアクションとそれによる問題が解決ですよね。ただ、解決するかは結果論で、コントロールできない変数もでてきます。つまり確率が伴うものです。ただ、アクションをするかしないかはプロセスであり、自分たちでコントロールできるもののはずです。ただ、そうはいかないのが現実なんですよね。改善なんかでよくありますが、これをやってみようとある個人が思っても、「それやってなんになるの?目的は?」「やる意味がないのでは?」はなど周りから言われ、結局知りつぼみになってしまう。特に過去の日本のビジネス文化では、「ロジカルに否定する」「失敗の確率を下げるだけ下げる。」ということが一つの優秀さの指標だったからでしょう。ただ、そんな質問をしているうちに「提案しても否定される。」「いったもん負け」という雰囲気が部下やメンバーから醸成されてしまうことがあります。それこそ心理的安全性が低い状態となります。そして、結局アクションが起こりにくくなり、立派なことを言っていても行動が伴わない組織になっていってしまう事例を複数見てきました。当然全く考えないのはNGですが、リスクや多少の不明点があってもアクションすることで見えてくることが多いですよね。そして、先ほど言った通り、結果は確率。打席数が多くてもよくて数を出していく、つまり実行の数を増やしていったほうが、何もしないより確実に問題解決へ近きます。つまり、心理的安全性を高め、打席数を高めることが問題解決につながる、組織の成果へとつながるというわけです。例えば、仮にやってみて意味がなかったとしても、意味がないということがわかることが大事として各人の行動に価値を見出し、安心を与えることが今は重要なのだと思います。

◆最後に

 取り留めなくないてしまいましたが、心理的安全性について今の自分の考えを書いてみました。もちろん問題の規模や種類に寄りますが、改善など現場で小さなサイクルを回せる課題は、アクションを起こしやすくするべきだと思います。何度もそれを行っていくうちに、失敗から考えるようになり、実行も精度も上がってくるということが重要かと思います。アクションを起こしやすくるという部分に心理的安全性が大きくかかわってくると思っています。モノづくりの現場における、成果と心理的安全性はここに関係していると考えています。

さて、実践編として勝手な考えを数回投稿させていただきましたが、次回からは、対話形式での本の解説に戻っていきたいと思います。(今後は書籍の解説の間に実践編を数回挟んでいきたいと思います。)次回のマガジンとしてエリヤフゴールドラット博士の「ザゴール2」の解説を行っていきたいと思います。

なお、下記noteに、ものづくりに携わる人であれば、必要であろう知識について、対話形式で解説しています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。(長編マガジンもありますが是非)

休憩がてら、番外編マガジンもあります。


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