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【ザ・会社改造編1:会社改造の勝負に挑む】
今回は、本noteの最初に出てきた健が登場します。元々工場の課長だった健は本社に異動し、新規事業部長となり2年が経ちました。そして今回、既存事業の関連子会社に社長として出向するようになります。内示は本社副社長の哲也からです。そうです。哲也は、健の工場勤務時代の上司でありビジョナリーカンパニーの解説・指導をしていた人物です。
健の出向する子会社は、近年の中国競合企業による市場の価格破壊からシェアの激減・業績不振が続いているようです。健のミッションはその事業の立て直しです。内示の会話の中から哲也の指導が始まっていきます。
今回のマガジンでは、三枝匡氏の「ザ・会社改造~340人からグローバル1万人企業へ~」を対話形式で解説していきます。
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◆関連会社の社長に就任?
🧒:おはようございます。(副社長室へ)失礼します。
👨🦳:おう。入ってくれ。
🧒:月初の今日ここに呼ばれるということは、、、そういうことですかね?新規事業部長という現在の職務についてから2年しかたっていませんが・・。やっと複数の種の目が出てきたところです・・。
👨🦳:ああ、その通りだ。移動の内示だ。確かにまだやりかけのことがあるのは解っている。
🧒:では、なんで?まだやるべきことが残っています。2年で移動だなんて、新しいことを始めるなんてそんな短い期間でできないですよ?
👨🦳:まあ、落ち着いてくれ。この二年よくやってくれていると思っている。もちろん、継続していってほしいと思っている。そうだとしても、それ以上に異動してやってほしいこと、いや、やらなければならないことがあるんだ。それに、優秀な部下たちも徐々に育ってきて、君のマインドは彼らに引き継ぐことはできるだろう。
🧒:もちろん、伝えていますが。。いずれにしろ、決定事項ですもんね。すみません。内示の内容を聞く前に反応してしまって。
👨🦳:ああ、まず聞いてくれ。異動先は関連子会社◆◆◆工業だ。そしてそこで、社長として業績改善を実現してほしい。
🧒:社長ですか!◆◆◆工業って、私が知っている限り、10年前くらいは稼ぎ頭でしたよね。そして売上自体から見てもうちの事業、そして会社から見て重要なのは知っています。
👨🦳:そうなんだ。5年ほど前から中国の競合企業が市場価格を壊し、どんどん市場に入ってきてしまい。シェアが大きく奪われてしまっている。結果、受注量が確保できず赤字続きの状況だ。ここの改善・改革を行い再生してほしいんだ。そして、短期的によくするということではなく、構造として強い会社にしてほしいんだ。この競争の激化は短期的なものではないはずだからね。
🧒:そうなのですか・・。複雑な部分もありますが、従うしかありませんし初めての経営という仕事は挑戦したいと思います。部下にしっかりと説明、引継ぎをします。
◆「ザ・会社改造」
👨🦳;そうか。やってくれるか。工場で同じように内示をしたのが懐かしいな。その後ビジョナリーカンパニーの勉強会もやったな。
🧒:はい。あの勉強会は本当に有意義でした。理論だけでは意味がないですが、実践するきっかけになりましたし自分の中の仮説検証のサイクルを回し始めることができました。
👨🦳;そうか。では、今回もこれからの経営の仮説となる本を紹介しようか?ミスミの三枝さんというプロ経営者て知っているよな?
🧒;はい。もちろんです。ミスミの元社長で、三枝さんの書いたビジネス小説「戦略プロフェッショナル」、「経営パワーの危機」「V字回復の経営」などが有名ですよね。
👨🦳;そうだ。それらの小説のエッセンスを抽出し、さらに三枝さん自らのミスミでの体験・実践理論をまとめた本があるんだ。「ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ」という本だ。
🧒:え、ミスミの名前を出してですか?340人からグルーバル1万企業・・。なにを言っているかわからないレベルですね。
👨🦳:ああ、(笑)。これまでのビジネス小説は、2年‐3年の短期決戦を描いてきていたんだ。それに対して、この本は、長期的に12年かけて実行した会社改造つまり、改革の連鎖を書いている。340人のドメスティックな会社がグルーバル1万人に迫る世界で戦う企業に転換するのに何が必要だったか記載されている。
🧒;なんと、すごい。もしかして、直々にこの本の解説をしてくださると??
👨🦳;いやいや、読んでくれて言おうとしたんだが、
🧒:解説、お願いします!というか、哲也さんも過去子会社の経営をされていましよね。
👨🦳:こう見えても副社長だぞ。すごいな。相変わらず。てか、こうなると思っていたがな。喜んで引き受けよう。そうそう。やはり、若いうちからの経営経験は非常に重要だ。三枝さんも言っている。最近の会社はなかなか若手に任せられない経営層も多いがな。
🧒:ありがとうございます。
👨🦳;たが、ちょっと時間がかかる勉強会になるぞ。それだけ大事だってことだ。心してくれ。
🧒:わかりました。
◆本マガジンの解説内容
👨🦳:早速だが、この本は下記のような目次と解説になっている。(本書から抜粋)
プロローグ:「会社改造」の勝負に挑む
第1章 会社改造1 「謎解き」で会社の強み・弱みを見抜く
創業10年で売上高500億円だった上場会社をわずか4年で1000億円に伸ばし、世界大不況を乗り越えて2000億円超の企業に変身させた経営者は、あらかじめどんな「謎解き」をして会社改造に乗り出したのか。
第2章 会社改造2 事業部組織に「戦略志向」を吹き込む
戦略とは何か。それを知らなかった事業部の社員たちは、のたうち回りながら「戦略シナリオ」を描き、売上高150億円の事業部を1000億円超のグローバル事業に成長させた。
第3章 会社改造3 戦略の誤判断を生む「原価システム」を正す
不正確な原価計算は重大な戦略的誤謬を生みかねない。世界の多くの企業が導入に失敗した「ABC原価計算」を、社員たちは日常的に使う戦略目的のシステムとして確立した。
第4章 会社改造4 成長を求めて「国際戦略」の勝負に出る
「海外に無関心、本社の海外事業組織はゼロ、戦略もなし」の状態から、3年後に海外社員0人、海外売上高比率30%に迫る国際事業へ。「世界戦略」はどのようにして構築され、実行されたのか。
第5章会社改造5 「買収」を仕掛けて「業態革新」を図る
商社専業10年の歴史に別れを告げ、メーカー買収に踏み切ったミスミ。「事業モデルの弱点」を一挙に解き放つ業態変革を敢行した戦略の裏には、どのような「歴史観」が、そして「ねらい」があったのか。
第6章 会社改造6 「生産改革」でブレークスルーを起こす
現場の抵抗によって「死の谷」にまで追い込まれかけた生産改革は、何をきっかけにして蘇ったのか。トップと一体になった知的戦いと汗まみれの現場改善は、ミスミの業態に最も適した「世界水準の生産システム」を生み出す。
第7章 会社改造7 時間と戦う「オペレーション改革」に挑む
以前であれば600人でやっていたはずの仕事を、いまはわずか145人でこなせる体制に。カスタマー・センターで行われた、汗と涙と我慢の「業務改革のステップ」とは何だったのか。時間と戦うオペレーションとは?
第8章 会社改造8 「元気な組織」をどう設計するか
「組織末端やたら元気」と「戦略的束ね」の両立が会社の理想。だが、日本の経営の実験場として試行錯誤を重ね、高い成長率を生み出した「ミスミ組織モデル」にも大企業病の脅威が迫る。
🧒:12年間にわたるものがたりですものね。じっくり学んでいければと思います。非常に内容に興味があります。
👨🦳:よし、次回、プロローグの部分から始めていこう。
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今回は、導入ということで目次の紹介をしました。面白いな思っているのは、三枝さんは小説では短期決戦を描いて、そして最終的にミスミの体験を書いているところです。短期決戦の積み重ねが長期的な構造の構築になっていくのだと思います。一難去って、また一難、その解決を繰り返していくのですよね。現実は短期ですべてがよくなるなんてありえなくて、正しく積み重ねることが重要と考えています。この本を通して、そのことも確認できればと思っています。
今回も、対話形式で解釈をいれながらの投稿していきます。どうぞ、よろしくお願いします。(全部で15日(15回)程度のマガジンになると思いますが、お付き合いいただければ幸いです。)
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なお、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。
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