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【システム導入編3:業務フロー図のポイント~"As-is"と"To-Be"~】

本マガジンの過去投稿は上記に入れています。

本マガジンは、ものづくりの現場でシステム導入する場合のポイントについて解説するシステム導入編です。工場のIoT推進部に配属された清史朗は、あるプロジェクトの担当になりますがなかなかうまくいっていません。そこに新米課長の紫耀もサポートに入って指導しながら、奮闘していきます。細川義洋氏著「システムを「外注」にするときに読む本」の内容を学びながら自分の立場にでどうすべきかを考えていきます。今回は、業務フロー作成のポイントについて解説していきます。(数回にわかれます。)

・・・・

👶;おはようございます。

🧒:おはよう。今日は業務フロー図の作成のポイントについて、解説していこう。

👶:よろしくお願いします。

◆プロジェクトの目的

🧒;OK。その前の今回参考にさせてもらう本の内容について、簡単に説明しておこう。この本は、君のような突然IT担当になった人物“白瀬さん”がシステム導入についてコンサルに指導していってもらい実践していくという内容になっているんだ。その白瀬さんはアフロデティという化粧品メーカーに勤務していて、その会社は、中高年女性を中心に指示を集め国内NO1のメーカーなんだけども、近年の海外勢の進出にシェアを奪われて業績は上がっていない状況なんだ。

👶;中高年向けの化粧品で支持を集めているのですね。

🧒:そうそう。でもそれが問題で、この会社の商品は高級品でありパッケージもおばさん向けのものになっていたそうだ。それで若年層市場が弱点になっていると。

👶:なるほど。まあ、それでこれまで勝ってきたのですもんね。

🧒:それで、この状況の打開策として社長が原材料のコストカットやパッケージの変更と共に打ち出したのが、Webを使った顧客の囲い込みだったと。本書にはこう書いてあるよ。

10代後半から20第の若年層にアフロディティを身近に感じてもらい、かつ今後の商品企画に活かせる彼女たちの意見や要望を集めることを目的としたサイト「Aphrodite New GEnerations voice Listening Site」略して「エンジェル・サイト」と名付けられた。

とね。

👶:なるほど。ターゲットがはっきりしているのですよね。しかし、システムだけじゃないとは思いますが、この略語ってホントあるあるというか、皆さんよくこういう上手なプロジェクト名を付けますよね。

🧒:そうだね。こういう名前っていうのは必要だよね。当然会話の中で使いやすいってのものあるし、その大きな目的をプロジェクト名に載せておくと共通認識が作りやすいよね。さて時を戻そう。

👶:お、ペコパ。なるほどです。時を戻ましょう。このプロジェクトが始まって、担当になったが、”システムの素人だけどもシステム課の課長になった(させられた?)白瀬さん”だったというわけですね。なるほど。それで、先日の私のように、”要件定義もフロー図なんのことやらという状態で会議で進捗説明して、上の人に突っ込まれてしまった”というところから始まるのですね。マネジメントの問題という気もしますが、まあそこは。

🧒:そうそう。そこで、外部から女性コンサルタント美咲さんがやってくるんだ。そこで、各種学んでいくといったところだ。だいぶ厳しい指導をさせるコンサルさんだ。

👶:なるほど、流れは解りました。私と同じような状況の白瀬さんをモデルに学んでいこうというわけですね。

◆業務フロー図の書き方(As-isとTo-be)

🧒:そうだね。早速コンサルタントの美咲さんがやってきて、彼の要件定義書を確認するんだ。下記だ。

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👶:ぐお、、俺のと似ている。かなり抽象的・・・。

🧒;ははは。コンサルの美咲さんはそりゃすぐに突っ込む。「ちょっとこれだけ?あきれた。あんたこれどっかの要件定義書をパクったでしょ。」ってね。

👶:同じですね・・。

🧒;そう。本の中の白瀬さんもなにから手を付けていいいかわからなかったから、過去の資料を参考にまねて作ったそうだ。そうしたら、「こういう最終的な形になるものもあるが、これでは、システムを導入した会社が何をしたいんだか、何がうれしいだか、まるでわからないじゃない」って言われる。

👶;何がうれしいのか。。うお、まったく同じこと言われている。

🧒:そう。まあ、みんなそんなもんなんだって。それで、まず要件定義、業務フロー図の作成って話になるんだ。

👶:やっと来ました。でも、私も業務フロー図って要件定義書を各上で参考にするものという認識でいました。

🧒:いやいや、それが違うよ。業務フローを書くからこそ、今の業務の問題点が明らかになって内を改善すべきかがわかるんだ。改善すべきところがわからないとシステム化すべき業務かすらわからない。それに、この書く行為そのものが自分が自分たち、そして製造側の業務を理解する勉強する行為そのものなんだ。

👶:まず、どう考えていったらいいのでしょうか?

🧒:まずやらなければいけないことは、今の業務の流れ、つまり、“As-is”の見える化だ。そして、その問題点を明らかにすると。その上で、それを解決して実現する新しい業務の姿、つまり“To-be”を書いていくんだ。

👶:なるほど。二つの業務フロー図を並べてみることで、業務のプロセスや組織をどう変えるのか、そしてどの業務をシステム化すべきなのかをかんがえるということですね。

🧒:いいね。センスいいよ。そう。それでどの業務をシステム化すべきか初めて明らかになるんだ。ただ、本の中の課題はこれまでになかった業務だから、As-isはなくてTo-Beの業務フローから書くようになっている。まあ、本質は変わらないやね。

👶:でも本の中では、その業務フローは誰が書くのですかね?私の場合はベンダーですか?

🧒:清史朗。。まだわかっていないのか?それはもちろん、本の中では白瀬さん、そして私たちの問題では君だよ。

👶:冗談ですよ。でも書くって言ってもどうしていいか・・。

🧒:過去のものを真似して自分で一回書いてみるしかないんだよ。本の中の白瀬さんもそうしているよ。

👶:そうなのですね。

🧒:白瀬さんは、まず一番上に「顧客」というレーンを作り、サイトの女性のメイクなどの悩みをアフロディティのサイトに情報を寄せる様子を書き込んだようだ。そして、書き込まれた情報を集めてデータベースかし、それをマーケティング戦略へ活かす流れを書き込んだんだ。下記のものだ。よく見てくれ。

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👶:なるほど。一見そこまで悪いようには思わないのですが、見てみます。

🧒:今日はここまでにしよう。このフロー図を一度理解するように見てみてもらって、それで何が足りないか自分だったらどうするか考えてみてくれないか?そんなに難しくないとは思う。

👶:わかりました。

・・・・・

投稿時間遅れました。今回は、短いですが業務フロー図作成のポイントとして記載しました。(数回に分かれます)業務フロー図を書く時のAs-isとTo-beというが非常に重要だと思っています。(意外に時間もかかるし、あれ、そもそも何したかったんだっけ?ということも起きると思います。)As-isは、過去誰かが作ったものがあったとしても担当になったら“自分で書く”ということをお勧めします。ほとんどの人が実作業のフローの流れをわかっているようですべては解っていないと思います。自分で書くことによって、わからないところをわかるようにしていくことが一歩だと思っています。(私の過去数回の失敗経験から・・・)ちなみにこれは、現場の主任(もしくは担当)であれば、工程内の作業標準書も同じですね。さて、次回は白瀬さんが書いた業務フロー図をいかにしてコンサルタントがグレードアップしていくかを解説します。ぜひ、スキ・フォローお願いします!!

また、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。

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