「母」から「子」へ引き継がれる家庭の味
思い出の味
突然ですが、皆さんには思い出の味はありますか?
思い出すだけで味が口の中で広がるようなもの。
行きつけのあのお店の料理、海外で食べた本場の料理、おばあちゃんや母が昔作ってくれた料理、友達が作ってくれたお菓子、まだまだ色々ありそうですね。
きっと1つではなく、たくさんあるでしょう。
僕にもたくさんあります!
行きつけの老舗洋食屋のシナモンのクリームコロッケ。
京都にある天ぷら屋さんの天丼。
パリで食べたクロワッサン。
ローマで食べたカルボナーラやピスタチオのジェラート。
そして、母が幼少期に年に2回だけ焼いてくれたマーブルケーキ。
誕生日の楽しみ
母は僕が小さい頃、誕生日にはケーキを焼いてくれました。
僕には兄がいるので、年に2回の楽しみです。
いつ頃まで焼いてくれていたかの記憶は流石にないですねw
僕はとにかくそのケーキが大好きで、いつもお昼前に焼いてからしばらく寝かせておき、夜にみんなで食べていました。
1つはドーナツ型に、もう1つは四角い型に焼き上げられていました。
今思うと、本当に当時の僕はアホだなと思います。
このケーキを待ちきれずにつまみ食いするんですよねwwww
「バレない!バレない!」と謎の自信を持っていた当時の自分がおもしろいですw
夜食卓に並ぶ頃には、
漫画のチーズのような、虫に食われたかのような姿になっています。
僕の記憶の限りだと、焼きあがった綺麗な状態のまま食卓に並んだことはないですねえw
せっかくの誕生日なのに、よく怒られましたねw
それほどに僕の舌を虜にした、大好きな味でした。
高校3年生のクリスマス
料理の専門学校への進学も決まり、実家を旅立つ前の最後のクリスマス。
僕は何か作ろうとずっと考えていて、
「カルボナーラ」とあの思い出の「マーブルケーキ」を作ることにしました。
母に作り方を聞いたら、一冊の本を手渡されました。
懐かしの思い出の味をまさか自分の数年後に作ることになるとは・・・
家族の誰も想像してなかったでしょうね。
お菓子作りはあまりしなかったので不安でしたが、僕はレシピ通りになんとか作り上げました。
数年越しに、やっとつまみ食いされていない綺麗な状態で食べれました。
そりゃそうですよ。犯人は僕ですからw
記憶を呼び覚ます「お袋の味」
久しぶりに食べた時の事は今でも覚えています。母と一緒に食べました。
「あー、これだよこれ。」「懐かしいな〜」
僕はそう口に出しながら食べていましたが、
段々と涙がこぼれそうになりました。
今もこの文章を書きながら、泣きそうになってます・・・
なんて言えばいいんでしょうか
世の中は目まぐるしく変わっても、家庭には変わらない味がある。
これってものすごく素敵なことだなと、ありがたいなと。
「母」から「子」へしっかり引き継がれたなって実感でき、食というものの素晴らしさを改めて痛感しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの思い出の味を、是非コメントでお聞かせください!