【社長インタビュー】GMOアドマーケティング設立から現在、未来について
GMOアドマーケティングは 、前身のまぐクリック・GMOアドパートナーズ時代をあわせて1999年の創業以来、一貫して広告商品の開発・販売を通じてメディア、広告主、サービスを利用する生活者を繋いできました。
前回のGMOアドマーケティング設立までの話に続く今回は、GMOアドマーケティング 渡部社長が、日ごろから大切にしている価値観や考え方についてお話を伺いました。
大切にしている考え方
ーGMOアドマーケティング設立から現在まで、社長が大切にしている考え方を教えてください
設立当初から現在まで一貫して大切にしていることは「プロダクトファースト」という考え方です。
日々、営業メンバーが広告主やメディアのお客さまとコミュニケーションをとってくれていますが、プロダクトが不完全なものだと営業するにも限界があります。広告主の効果を高める技術も、メディアの収益を上げるための開発も、営業メンバーの意見をもとに改善を重ねていくことが事業を伸ばす上でとても重要です。
「お客さまが使いやすいプロダクトにする」「アイディアを形にする」この2点はとても重要で、競合他社との差別化ポイントにもなると思っています。
ー元々「社長になりたい」「起業したい」と考えていましたか?
社長になりたいとは考えていなかったですね。
自分のアイデアでサービスを作り、それにより利用者が一気に増えたり、売上に繋がったり、使ってもらう人の笑顔を見ることが昔から好きでした。
インターネット業界を選んだ理由は、インターネットが好きだったという理由と、若い業界なので事業開発していく余地があると考えたからです。学生の時から「会社の慣例や、上の人の意見によってアイディアが通らない環境だったら人生楽しくないかも」と思っていました(笑)。
GMOインターネットグループでは当時最年少(26歳)で取締役になり、その数年後の2013年に社長を任せていただきました。それまでは、自分の上に「社長」という支えてくれる存在がいたので、自分は事業を作ることに集中できていました。会社の長期の方向性や組織を考えたりすることはしなくてよかったので、その方が当時は心地が良いと思っていましたね。
社長に任命されてすぐは戸惑いもありましたが、「任せたい」と期待されたからには「どう楽しむか」という方向に気持ちを切り替えましたね。今思えば、社長になる前は甘えがあったと思います。上の人がいればなんとかしてくれるだろうと思っていましたし(笑)。
責任のある立場になると、もちろん甘えは通用しません。一方で、自分がやりたいと考えたことに対して、頭ごなしに誰かに否定されることもなくなります。
社長になってからは、大変な状況に陥ったとしても「自分の裁量と責任下でできるようになった」と前向きに考えるようになりましたね。
ーGMOアドマーケティング設立時に大変だったエピソードはありますか?
基本的に、何が起きても大変だと思わないようにしています(笑)。
強いて言えば、GMOアドマーケティングが提供するプロダクトが「どの領域でNo.1を目指すのか」、最初の目標を決めるときが大変でしたね。
今、GMOアドマーケティングは「インフィード広告で国内No.1」を目指しています。それより前、別の領域でNo.1になることを目指していました。しかし、当時の事業は外的要因により自分達でコントロールできる範囲が狭く、工夫できる要素が多くありませんでした。
そこで、日本では、まだまだディスプレイ広告が主流だった時代に、アメリカで市場が進んでいたインフィード広告でNo.1を目指す方針に舵を切りました。
ー会社の方針や目標を変えるタイミングが大変だったのですね
そうですね。大半のメンバーが既存の事業に注力している中で、新規事業を並行して進めていく期間は大変です。「いつになったら収益が上がるのか」という目線もありますし、お客さまがゼロの状態から売上を100万円作ることすら大変でしたね(笑)。
ミッション・ビジョンについて
ー現在のミッション、ビジョンを決めた経緯について教えてください
ミッション・ビジョンは活躍しているメンバーやマネージャーたちを集めて、グループワークを経て作成しました。
・ミッション
GMOインターネットグループとして「すべての人にインターネット」というコーポレートステートメントがある中で、GMOアドマーケティングとしては広告主・メディア・生活者の三方よしを実現しようと掲げていました。
私たちが担う広告事業はユーザー様向けに直接サービスを提供しているわけではありませんが、ユーザー様が無料でメディアの記事を読んだりSNSを活用する素晴らしい体験ができるのは広告のおかげです。
GMOインターネットグループが掲げているコーポレートステートメントを私たちなりに言語化して、現在のミッションに繋がっています。
・ビジョン
私達はテクノロジーと同じくらい、どう活かすかのアイディアが大切だと考えています。広告主、メディアの方々が求めてることを叶えるためには技術だけに注力していても叶えることができません。
例えばいま当社ではグループサービスである「タウンWiFi byGMO」を用いたメーカー広告主向けの動画広告の商品開発・販売を行っていますが、「どうやったら動画を見た人が店頭で手にとってくれるのか」「動画による広告効果を可視化するにはどうすればよいか」など日々エンジニアやディレクターが考え、商品を作っています。
「いかに技術に活かすか」「事業を伸ばすために使えるか」のアイディアがとても大切です。GMOアドマーケティングのメンバーたちには、クリエイティブな仕事にどんどん挑戦してほしいと思いますね。
良いサービスを加速させるには、もちろん技術力が大切です。そして、技術を良いものに仕上げるためのアイディアを持っている人も同じくらい大切だと考えています。そこで、GMOアドマーケティングでは、技術だけにフォーカスするのではなく、あえてアイディアとテクノロジーを両方描いたビジョンにしました。
GMOアドマーケティングが目指す未来
ー昨今のCookieが使えなくなる問題など、課題が多いように思えるアドテクノロジー業界ですが、業界全体をどのように見ていますか?
インターネット広告・アドテクノロジー事業を主力としている私たちのような会社は、Cookieを筆頭に、これまで使っていた技術が使えなくなるというのはとても大きな衝撃です。
しかし、同時にGMOアドマーケティングにとっては大きなチャンスでもあります。ルールが変わった中でも「広告主・メディア・生活者のマッチング精度をどこまで高められるか」という追求は変わりません。
生活者が見ているコンテンツから興味関心を類推できるような仕組みを考えたり、新しいデータを活用してみたり、生活者の特異的な行動と広告をマッチングさせる仕組みを考えるのはとても面白いと思います。
また、従来の「どのメディアに広告を出すか」が改めて見直されてきている事も、これから商品開発を行っていく上で理解しておくべき流れです。
人間の行動を推測するには、技術に頼るだけでは不十分で、人間の発想がとても重要だったりするんですよね。アドテクノロジー業界は変化が激しく、新しい技術が次から次に出てくる業界なので、今後も新しいアイディアがさまざまなところから生まれてくると思います。
GMOアドマーケティングとしては、グループ内に幅広く事業を展開している仲間が多いので、連携しながら新しい広告商品を形にしていけたらいいなと考えています。
ー5年後、10年後のGMOアドマーケティングが目指すビジョンについて教えてください
GMOアドマーケティングとしては、新しい広告商品をどんどん世の中に生み出していきたいですね。10年ちょっと前はスマートフォンすら使っていなかったように、人間がインターネットを活用して生活するライフスタイルはものすごい速さで変わっていきます。
インターネット上の広告技術を追求すること以外にも、デジタルサイネージや交通広告などにも注力していけたらと考えています。ディスプレイに投影される広告は、近年の技術で、かなり綺麗に広告を出せるようになりました。もちろん印刷費もかからないですし、朝昼晩と異なる広告を出せるようになりました。朝起きてから寝るまでの間に、「いかに企業が生活者の記憶に残るメッセージを伝えることができるか」がとても重要です。
日本の広告費は約6兆円ですが、ここ10年間の広告費の総額は変わりません。インターネット広告は伸びていますが、新聞や紙媒体への広告費が下がり、企業が広告出稿に使う費用は変わっていないのです。
人間が過ごす時間・接触するメディア変化に対してアイディアを持って、特徴のある広告体験を実現しなければなりません。GMOアドマーケティングとしても、みんなでアイディアを持ち寄り、新しい事業を定期的に生み出していきたいですね。時代の流れに合わせて、流行るものを予測しながらメンバー一丸となって実行できる組織を作っていきたいと考えています。
ー今はエレベーター広告という新しい広告事業に力を入れていますよね
はい。エレベーター広告を扱っている会社とご縁があり、新しい事業としてスタートさせることにしました。最近は、タクシーに乗ると必ずと言っていいほど、タクシー広告を見ますよね。タクシー広告が売れている理由を考えると、エレベーター広告も今後伸びていく可能性が高いと判断しました。
私たちは、全く見たことがない新しいものを作るより、過去に成功しているものから視点を変えて考え、新しい形にしていくことを得意としています。常に新しいサービスや情報にアンテナを張りながら、今後も新しい事業を考えていきたいと思います。
ーともに働くメンバーに求めていることを教えてください
好奇心があって、みんなと仲良くなれる人ですかね。
どのポジション、職種においても、部署は複数に分かれていますし、1人で完結できる仕事はありません。
他のメンバーとも連携しながらいいものを作っていく、という意識がないと事業を伸ばしていくのは難しいと思います。「周りの人の気持ちを考えられる人かどうか」をとても重視しています。しかし、言われたことに従うだけだったり、相手を気遣うあまり摩擦を恐れ、思ったことを言えないと、新しいアイディアは形になりません。「好奇心があって変化を起こせる」「みんなと仲良くなれる」両方をバランスよくできる人でいてほしいと思っています。
例えば当社ではクリエイティブな仕事時間を増やすため、業務をRPA(※)化することを推進してますが、RPA化を依頼するにしても、設計書を作成し、マニュアル作成しなければなりません。新しい技術を使う上で、ある程度は理解していないとメンバーとコミュニケーションを取ることが難しいと思います。誰かがやってくれる、という考え方だけでなく、「未経験の領域も自分の成長のために挑戦してみたい」と前向きに考えられる仲間が増えたら嬉しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回はGMOアドマーケティング 渡部社長に、GMOアドマーケティングが目指す未来に向けたお話を伺いました。
次回もGMOアドマーケティングに関するnoteをお届けしますのでお楽しみに!記事のハートで応援よろしくお願いします。