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予期せぬトラブルも大幅減。クライアントとのすれ違いを減らす5つのTips

グルコースの宮本です。

普段仕事をするなかで、メンバーから「どうしたらクライアントの温度感を把握できるのか?」と聞かれることがちらほらあります。

大前提として一番重要なのは
・クライアントとの約束を守り、成果を出す
・人と人との信頼関係を構築する
この2点ですが、とはいえ同じ成果でもクライアントの満足度が異なることもままあります。ここが、担当者の腕が問われるところかと思います。

そこで今回は、7年間に渡って100以上のクライアントをセールス・PM・CSとして担当してきたなかで心がけていた自分なりのTipsを書いてみます。


①「クライアントはサービスから何が得たいのか」を把握する

「ドリルが欲しいのではなく穴がほしいのだ」の話は有名ですが、我々の仕事も同じで、クライアントはサービスそのものがほしいのではなくサービスによって得られる何かしらの成果や効用がほしいはずです。

グルコースの場合はソフトウェアの開発をしているので、提供するサービスの多くはソフトウェアです。が、クライアントはそのソフトウェアを通じて「何かを実現したい」と考えている場合がほとんどです。

そしてこのあたりは打ち合わせなんかで聞けば大体の場合は普通に教えてくれます。

普通に聞くだけだと芸がないので、クライアントの周辺事情を調べてから仮説立てて聞くとなお良いですね。

多くのトラブルは、「クライアントが得られると期待している成果」「実際の成果」が食い違うことから起きるケースが多いです。

このあたりは、少し前に流行った本ですが「ジョブ理論」が詳しいです。


②双方の責任を切り分ける

①に近い話ですが、プロジェクトでの双方の責任範囲の切り分けは重要です。

責任範囲が曖昧であることはクライアントの期待値の肥大化につながるケースがままあります。

特にジュニアのメンバーだと、責任範囲以上に多くの仕事を持ってしまったり、本来は不要である仕事を抱えたりすることがありがちです。
こういったケースは社内外のプロジェクトメンバーに迷惑をかけてしまい、ひいてはクライアントへのアウトプットに悪影響が生じることもあるので注意が必要です。

人は往々にして自分に都合よく物事を解釈するものであり、曖昧な責任範囲の切り分けは双方が自身の責任範囲を過小に定義しかねません。前述の期待範囲のズレにつながりやすいです。

責任範囲の切り分けの考え方についてはざっくりと以下2つの考え方があると思っています。

A.契約書に基づいた責任範囲

少々ドライかもしれませんがビジネスにおいては契約内容が最終的な責任の所在になるので、至極当然かとは思います。

契約書で約束したことは必ずやり遂げなければいけないですが、翻ってみると「契約書で約束していないことはやらなくても良い」とも整理できます。とはいえ契約形態にもよりますが、善管注意義務に則りプロフェッショナルとして責任を持って業務を行うのは大前提ですが。

経験が浅いうちは、自身で立ち上げるプロジェクトよりも既存のプロジェクトに途中からアサインされることが多いため、案外自身のプロジェクトに関する契約書を読んでないメンバーが多い印象があります。
途中からアサインされたプロジェクトであっても、契約書関連には一通り目を通しておくのがよいでしょう。

B.成果から逆算して「誰が何をやるべきなのか」を考える

結局のところ、クライアントの求める成果に対して相応の成果を残すことがプロジェクトマネジメントの最終的なゴールとなります。

成果というゴールから逆算したうえで「誰」が何をしないといけないかを整理し、関係各所と合意を作っていきます。

このときに「誰」から抜けがちなのは、クライアント自身や外部のパートナーなどです。

自社内だけで完結してしまい後から重要なステークホルダーをこぼしている、外部のパートナーやクライアントは自分の都合良い想像通りに動いてくれると仮定していてスケジュールが破綻する、などの話はありがちです。

ただ成果から逆算して責任分担する場合は、厳密に当初の契約や取決めの枠内で仕事をこなすだけでは成果が出ないケースも多々あります。

そんなとき各ステークホルダーの利害をどう調整していくかはなかなか痺れるところで、プロジェクト進行の肝となる部分の一つですが、ここではまずは各ステークホルダーと腹を割って状況を話し合うところから始めるしかないとだけ言っておきます。
(本項だけで1記事かける話なので割愛)


③プロジェクト進行におけるアラートを見逃さない

スケジュール遅延などが起きている場合の、わかりやすいアラートがいくつかあります。こういったアラートにすぐ気付けると軌道修正がラクです。

MTGで先方の口数が少ない

クライアントが、プロジェクトや取引先への興味を失っている場合に起こります。突然解約などに至るケースの潜在的兆候である場合も。

ただし先方担当者の性格にもよるので、相対的な変化を見るのがよいです。

細々とした細部の確認連絡や指摘が多数くる

本質から外れた微細な部分への過度な確認や指摘は、信頼関係の悪化からきているケースがあります。

曖昧な理由でアクションが滞る

アクションができないことに対して、クライアントから明確な理由の説明や早めの連絡がある場合は問題ないですが、曖昧な理由でアクションが遅れている場合は危険なシグナルです。

担当者 or プロジェクトレベルでクライアントが何らかの問題を抱えている際に起こるケースが多い印象です。


④バッドシナリオを想像する

すべてのプロジェクトが最高にうまくいく。これがベストですしそのために我々は日々懸命に働くわけですが、物事そう上手くはいきません。

時として訴訟沙汰なんかに発展することもあります。

現在のプロジェクトが悪い方向に進むとどういう展開になるか?は定期的に想像しておきましょう。

・いついつまでに進捗していないと、プロジェクトの見直しが入る可能性がある
・このタイミングまでにここまで完成していないと、先方担当者だけでなく先方社内全体を巻き込んで問題になりそう
・担当変更の時期までに部門内の他のパスを持っておかないと、担当変更に伴って取引に影響が出るかも etc

多くの場合は最悪の展開にたどり着くまでにトリガー(条件)があるはずなので、そのトリガーを引かないように気をつけておくだけで不意のトラブルは大分防ぎやすくなります。


⑤あえて自社が関わらない仕事に興味を持つ

クライアント担当者の社内外の情報を収集するのは当たり前ではありますが、特に注意したほうがいいのは「自身が関わるプロジェクト外での先方担当者の業務状況」です。

多くの場合、クライアントは複数の業務を抱えており、自社と関わっている業務や時間は先方担当者の業務の一部分でしかないことが多いです。

先方担当者が当該プロジェクト以外で抱えている業務やミッションなどを把握しておくと、クライアントのプロジェクトへの優先度が見えてきます。

先方担当者の優先度が高ければ、積極的にコミュニケーションをとりながら推進することが好まれますし、優先度が低ければなるべく先方担当者の手間がかからない進め方を好まれることが多いです。

自社にとっては自身のプロジェクトが最優先ですが、クライアントにとっては必ずしもそうでないことは意外と盲点かなと思います。

また、副産物として、先方と広くお話しすることで自社で役に立てることが他にも見つかり取引規模が拡大する、なんてこともよくあります。


色々と書きましたが本質的には冒頭に書いたとおり「約束した成果を出すこと」と「人としてクライアントとの信頼関係を構築すること」が最も重要な点だと考えています。

そのうえで今回の5つのTipsを意識すると、クライアントとのすれ違いを避け、より満足度の高い成果が出せるのはないかと思います。


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