[解説と設問を発表]コンサルティング産業と政府・企業の危うい関係性を検証する【英語で学ぶ大人の社会科】第76回 5/19(日)20時@オンライン
「躍進するコンサルティング産業と政府・企業の危うい関係性」について英語で議論。
2024年5月後半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2024年5月19日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、The LSE Impact Blogの記事「 書評-ビッグ・コン:コンサルティング産業はいかにして我々のビジネスを弱体化させ、政府を幼稚化させ、経済を歪めているか」を使い、コンサルティング業界と政府・産業界の関係性の問題点について英語で議論します。このワークショップの解説と設問を発表します。
【ワークショップ】
近年、東大・京大生など、日本のトップ大学の卒業生の就職先として人気を集めているのがコンサルティング産業です。NHKの記事は「日本で唯一の成長産業?」という見出しまでつけています。
日本で唯一の成長産業?知られざる“コンサル業界”に迫った | NHK | WEB特集
日本だけでなく、世界で影響力を拡大してきたコンサルティング産業ですが、近年その役割や機能に疑問符がつけられる事態が各所で発生しています。日本でもメディアで取り上げられた江崎グリコのシステム障害の件では、この業務を請け負ったコンサルティング会社への逆風が吹いています。
グリコ、障害で売上200億円の損失…ベンダのデロイトに損賠賠償請求の可能性
そして、そのコンサルティング産業の実態を分析した学術書が著名エコノミストにより発表され、話題を呼んでいます。
The Big Con
HOW THE CONSULTING INDUSTRY WEAKENS OUR BUSINESSES, INFANTILIZES OUR GOVERNMENTS, AND WARPS OUR ECONOMIES
By Mariana Mazzucato and Rosie Collington
書籍のタイトルに含まれている「Con」は俗語で「騙す」、より具体的には「誰かに嘘の何かを信じさせることで、その人のお金や財産を騙し取る」という意味があり、コンサルティング(Consulting)産業のConと掛け合わせたものになっています。
con
以下はこの書籍のガーディアン紙の書評で、英国におけるコンサル業界の問題点に触れています。
The Big Con by Mariana Mazzucato and Rosie Collington review – how consultancy firms cash in
あなたはこのテーマについて、どう思いますか?ご関心のある皆様の参加をお待ちしています。このワークショップの詳細は以下のとおりです。教材として、下記のLSEの英語記事を利用します。
日時: 2024年5月19日(日)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~
【教材】
The Big Con: How the Consulting Industry Weakens Our Businesses, Infantilizes Our Governments, and Warps Our Economies – review
チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。
【チケット】
コンサルティング産業と政府・企業の危うい関係性を検証する【英語で学ぶ大人の社会科】第76回 5/19(日)20時@オンライン
【銀行振込での申し込み】
振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。
このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
解説
(ビジネス)コンサルタントの誕生は今から`およそ100年前と言われています。資本主義経済が現在の形になる基盤が作られ、株式市場や企業を取り巻く法制度が整備されつつあった時代に、大企業の「相談役」として登場したのがコンサルタントの始まりです。
一方、コンサルタントの役割が拡大したのは英国のサッチャー政権、米国のレーガン大統領の時代です。両国とも第二次世界大戦後の経済成長が頭打ちになり、不況による失業率の増加、税収の減少と足並みを合わせて膨らんだ社会保障費の伸びによる財政の立て直しのために、政府は大手コンサルティング会社と契約を結びました。英国と米国はコンサルタントの導入により、企業の組織経営の在り方になぞらえた歳出削減と組織改革に臨みました。新自由主義の思想を「公共経営」に注入したことが、80年代以降のコンサルタント産業拡大の足掛かりとなりました。
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