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本来心が求めている“ノイズ”があるって知ってる?

みんな最近本、読んでる?
その本、じっくり全部、読んでる?

『余白や遊びやノイズの部分があってこそ、初めてその主たる軸が活きる』

いきなりですが、改めてこの事に気づかせ肯定してくれたのが、最近出会ったこの本。
📕【なぜ働いていると本が読めなくなるのか】

本当は日々ゆっくりといろいろ感じながら生きていきたいのに…
そう感じている人は、きっと気持ちが軽くなるはず。
長くなりますが、雨音のおともにどうぞ。


時代の流れに沿って、コスパ・タイパで情報を摂取し続けることに、ちょっとしたアレルギー反応を起こしていたであろう少し前の私。

本来効率化しなくて良い部分まで効率化してしまうことの弊害を身も持って知れたこと。
それを言語化してくれている本に出会えたこと。
絶妙なタイミングでした。

\考える前にとにかく動け/
\それいけ!最短ルート!!/

私のように、足元のディテールを都度一つ一つ確認しながらでないとすぐ糞詰まりになるタイプが、仮に頑張ってさまざまな物事に対して効率化・最適化することを最優先したとして。
果たしてそれで幸せを感じられるかどうかは、また別の話だったんだなぁと。
すごくホッとしたというか、その言葉に甘えきりたい自分がいたというか…。

-ここで改めておすすめ本に話を戻すと-
効率化と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、さまざまな本をわかりやすくかいつまんで説明してくれる、YouTubeなどのいわゆる本要約系チャンネル。
まさに本界における効率化の権化。

「洗い物したり掃除しながら聞けるって、なんて素晴らしいんだ!」
「しかも必要な部分を抜粋してまとめてくれてるなんて!」

私ももう何年もお世話になってるし、実際ものすごく時短になってるしで、子育て世代としても本当ありがたいことこの上なしで。
もはや時代が求めてるんよね、コレを。
日々いかに限られた時間の中で必要な情報だけを効率よくピックアップできるか戦争なんやもん。

でもここで作者は警鐘を鳴らすんですね。
「本を読むことで得られる本当に大切な部分はそこだけじゃないんだ」と。

主題から逸れて読み飛ばしがちな一見余分に感じる部分にこそ、自分が知らない、豊かな世界が広がっていて。
その人の文化的豊かさは、それをどれだけ自分の中に蓄えられたかなんだ、と。

情報取得の効率化を求め過ぎてしまうと、
「そもそも自分が必要としている(欲しい)情報しか取りに行かなくなる」

「知識は増えてもそれ以上の味わいや良い余白は生まれない」

いやもう…こればっかりはさ…。
ホンマに時間がないんやもん、しゃーないやんかっ!
って泣き叫びたくなる現代人にこそ読んでほしい。

そう、この“しゃーなさ”も含めた問題なんだって。
そうせざるを得ない環境や状況を生んでいる、現代社会の問題でもあるのだよと教えてくれる、一筋の救いの光がある本なのです。
(と同時に、文化的たしなみで豊かさを得るにはお金(=労働)が必要という、問題の無限ループが発生。このことについても本文で触れています)

実は私、本を読むのが絶望的に遅い人で。
主人と娘は活字を追うのがとんでもなく速くて、「それ絶対全部読んでないやん!」と憤る私を横目に、ストレスなくサクサク読み進めるんです。
そしてちゃんと大筋の内容も理解している。
「細かいところは読まなくても大体わかるやん」と。

いやいや…わからんわからん、わからへんて(涙目)
一文の言葉一つ一つの組み合わせでその文章全体を理解する私は、それじゃあ言葉が入ってこんのじゃ…涙。

無駄に行間読みまくり。
しかもそうしようとしてるのではなく、そうしないと頭に内容が入ってこない。
必要な箇所だけ拾い読みしたり、速読したりももちろん努力してみたけど、その作業自体に意識が持っていかれる始末。

もうこれは単純に私の頭が悪いからなんだろうなと。
ずっと本を読むのが遅いことを、短所の一つだと感じていたけど、この本を読んで、その気持ちが少し救われた気がしました。
(決して読むのが遅いことを肯定する本ではない)

古来から続く日本人の働き方から「読書」という媒体を通して、「余白や広がり」の必要性を考えるという、新しい視点が本当にわかりやすくて。
私のようなのんびり感覚人間は『これだー!!』と、膝打ちまくりでした。

ただ、言うても時間は有限。
社会生活においては、コスパやタイパが大切なことも事実。
効率化された現代的な摂取法が肌に合う人は必ずいるし、その方が自己能力が爆上がりする人もいる。
大事なのは自分はどちらのタイプの人間なのか、その見極めなんやな、と感じた次第です。

物事の余白や遊びの部分をしっかりと感じないまま左脳deゴーゴーしちゃうと頭と心が死ぬ私は、時代の大きな波に飲み込まれて意図しない場所へと流れつかないよう、これからも「(教養や知識の外側の)非効率の中にしかない面白みや豊かさ」を積極的に摂取していこうと思います。

また一つ、心にしっくりくる本に出会えた喜びを噛み締めつつ、刺さる人に思い切り刺さるこの本、おすすめします🤲


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