
コンプレックス産業、ってなんだろう?
こんにちは!
木曜担当ゆうなです。
今回は、最近耳にして気になった
「コンプレックス産業」
というものを深堀りたいと思います!
よろしくお願いします🌱
【定義】 実は和製英語
「コンプレックス」は本来、心理学・精神医学用語で様々な感情の複合体のことを指します。
…と言われても、あんまピンとこないなあ🫠
私達が普段使う時って「劣等感」とか「気にしてる自分のネガティブな要素」て意味が多いですよね。
劣等という意味でコンプレックスという言葉が使われるようになった由来は、英語で「劣等コンプレックス」を意味するinferiority complexが元になっています。これを切り離して、後ろ部分のコンプレックスだけを劣等感の意味で使うようになったため、和製英語とも言えるでしょう。
【本題】コンプレックス産業とは
では一体、コンプレックス「産業」とはなんなのか
コンプレックス産業とは、顧客の「劣等コンプレックス(→劣等感、外見・内面の問題)」を解決し、それに対する対価を得る産業。
人が抱えるコンプレックスに対し解決策を提供する
…うーん、聞こえはよい。
実際にどんなものがあるかというと、
・エステティック、美容外科
・ダイエット、ボディメイク
・脱毛、かつら
・英会話教室
などなど。痩せよう、育毛/脱毛しよう、キレイになろう!そんなメッセージは常々感じますし、やっぱり外見的な事柄はコンプレックスに繋がりやすい気がします。そこらへんの悩みを解決しよう!というビジネスの総称ということなんですね。
【そもそも】貴方のコンプレックスは、どこから?
ちょっとここで、そもそもコンプレックスはどこからくるのか?という点を考えたいと思います。

上の図は主に外観に関するコンプレックスを扱ったものですが、現実の外観に対し理想との乖離(ハンディキャップ)が存在する。それを自覚するとコンプレックスになる…ということらしいです。
確かに劣っていると自覚しないことにはコンプレックスにはならないですよね🤔大体が理想や他者との比較から生まれるものと考えてよさそうです。
【落とし穴】この産業の問題点
コンプレックスを解決する…それだけ聞くと救済のようで聞こえが良いですが、落とし穴も存在します。
本来全く問題が無いような事柄を、さも劣っているように認識ないし誤認させて、これを市場の、ひいては自らの利益を成長・拡大するために用いているケースも見られる。
◯ 標準体型なのに痩せなければ!と思わせる。
◯ 英語を全く使わない環境にいる人でも、語学力が足りない=劣っている、と思わされてしまう。
◯ 別に毛が邪魔とか思ったことないけど、全身脱毛していないと女としてオワッてる気がしてしまう。
…そんな感じに「コンプレックスを生み出す」ことにより成り立っている側面があるのも事実。本来コンプレックスでは無かったのに劣っているような感覚が植え付けられ、金銭的支出のみならずメンタルヘルスにも悪影響を及ぼしかねない。現代病ですね。
【おまけ】アドラーと「劣等」
「嫌われる勇気」で有名なアルフレッド・アドラーですが「劣等」に関してもおもしろい考察をしています。彼は以下の3つに分け明確に区別しました。
①「劣等性」
「器官劣等性」と呼ばれるもので、体の機能や構造に損傷等があるという否定的な認識により、他の人よりも劣っていると感じる劣等。
(例: 視力が悪い、胃腸が弱いなど)
②「劣等感」
自分が他人より劣っていると「主観的に思う」こと。つまり誰が見ても痩せているのに、本人が「自分は太っている」と思えば、それは十分に「劣等感」になる。
③「劣等コンプレックス」
「自分は人よりも劣っているから○○ができない」というふうに、劣っていることを言い訳的に使い、人生の課題から逃げ出すこと。
ここまで踏まえた上で、コンプレックス産業というものは②と③を煽っているのでは。という結論に行きつきました(ここから裏付けのない自論です)
①は人の持つ具体的な劣った性質なので、産業側から数を増やすことはできない。(視力の悪い人、胃腸の弱い人の数は直接的に増やせないですよね)
しかし、②の「劣っていると思わせる」ことはできる。そして、劣っていると思わせるために③は有効である。「あなたがうまく行かないのはこれのせいですよ〜」といった感じに。よく見る「痩せれば、英語が話せれば、人生が好転しますよ〜」という広告は③の裏返しではないでしょうか。
人は誰しもコンプレックスを持っていると思います。コンプレックスがなくなることってないと思うけど、「なぜ」「どういう理由で」ていうことを一度立ち止まって考えるのは大事な気がします。もしかしたら思わさせられてるだけなのかも。自分の悩みを産業にコントロールされてたまるかあ!って反骨精神を忘れずに生きていきたいですね🫡
参考文献
福田吉治, コンプレックス産業と医療https://www.jahbs.info/journal/pdf/vol10/vol10_14.pdf
【今週の一曲🎧】
今回はアルバムまるごと紹介させてください!
『DIVE (deluxe)』 -almost monday-
私は家でゆったーり過ごしたい時に聴きます。特に朝バックグラウンドミュージックとして聞くととても気分がよい!お気に入りは以下2曲です。
ついでに、彼らを知るきっかけの曲も置いとこう。
明日は金曜担当ゆうだいさん、
よろしくお願いします!