植物園が好きな私だが、特に『熱帯植物園』には心躍る。
もし私が大谷翔平くらいの高給取りならば、自宅に熱帯植物で埋め尽くされた庭を作る。色鮮やかな植物やお花、極彩色の魚が泳ぐ池。ゴリラの家族が住んでいたら言うことなしだ。(それもう動物園だね)
私の思い描くパラダイス。
それが熱帯植物園。
というわけで、ちょっと「板橋区立熱帯環境植物館」に行ってきた。
池袋からバスで約30分。
板橋清掃工場の余熱を利用し、東南アジアの熱帯⾬林を再現した板橋区立熱帯環境植物館は知る人ぞ知るローカル施設だが、前から気になっていて一度行ってみたかった。
順路は海に見立てた水族館から始まり、「潮間帯ゾーン」「熱帯低地林ゾーン」「集落景観ゾーン」「雲霧林ゾーン」の4つに分かれていて、高山帯までジャングルを登っていくような気分を味わうことができる。
入館して自販機でチケット購入し、まずは地下のミニ水族館に入る。
【水族館】
地下に降りると、何組かの親子連れがきれいな模様のお魚が泳いでいる水槽を覗いている。
あまり込んでいないので、ゆっくり写真を撮ったりメモできてありがたい。
子供にもわかりやすいよう、振り仮名付きの大きな文字の説明が付いているので、夏休みの自由研究にもおすすめの施設だ。
【潮間帯植生】
マングローブやニッパヤシが茂っている海のそばの潮間帯ゾーン。
【熱帯低地林】
大木が生い茂る植物の宝庫、熱帯低地林ゾーン。
アコウやガジュマルなど、クワ科イチジク属の仲間は「絞め殺し植物」という物騒な呼ばれ方をしている。
鳥やコウモリに食べられた種子が糞として木の上に落されると、木の上で発芽した種子は光を求めて枝葉を上に、地面を求めて気根を下に伸ばしていく。根が地面に達すると地中の水分や養分を吸収して生長が早くなり、親木を覆いつくす。
絞め殺し植物に覆われてしまった親木は光合成を妨げられ、徐々に枯れていってしまう。
熱帯雨林の生存競争は芸能界並みにシビアなのだ。
【集落景観】
熱帯の果物や芋類など世界の有用植物などを展示。
ニッパヤシの葉で屋根を葺いたマレーハウスがある。
【雲霧林】
熱帯の高山植物を展示している雲霧林ゾーン。
湿気は感じるが、ひんやりとした空気だ。
【常設展示コーナー】
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板橋区立熱帯環境植物館、こじんまりとしてはいるが大変見ごたえのある楽しい施設であった。植物だけでなく、ミニ水族館があったり、ポイントポイントにカメやヤモリなどの動物がいるのも、動物好きの私にとっては好印象。
わかりやすい丁寧な説明文があって、小さいお子さんにもおすすめだ。
そんなこんなで、熱帯の動植物を大いに堪能した私、大満足で熱帯環境植物館を後にする。
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熱帯環境植物館を後にして、近くの荒川河川敷まで散歩する。
風が穏やかで温かく、絶好の散歩日和。
グラウンドでは草野球の試合がおこなわれていたり、保育園児が集団でお散歩していたり、この上もなくのんびりとした平和な世界なのだった。
金八先生が歩いて来そうな堤防の上を歩くと、はるか向こうの赤羽あたりまで見渡せて気持ちがよい。自然と『贈る言葉』を口ずさむ私。
春到来。
裸の並木が続くこの殺風景な街にも、間もなく花が咲くことだろう。