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私たちの生活はなぜ苦しいのか?アベノミクス9年間を徹底検証!

※トップ画やこの記事に掲載するいくつかのグラフは、『われわれは貧困化している!? 労働賃金減少は先進国で日本だけ』(株式会社小川製作所 取締役・小川真由まさよし氏、2021年3月29日付)の記事からの引用です。
トップ画は上のほうが切れてしまっているので記事中で全体をお示しします。

☆立憲民主党が「アベノミクスの検証と評価」を取りまとめ!

江田憲司・立憲民主党代表代行や落合貴之・衆院議員らを中心に立憲民主党の党内に設置された「アベノミクス検証委員会」
その報告書「アベノミクスの検証と評価」が枝野幸男代表に正式に手交されたことを受け、枝野代表らは昨日21日、国会内で記者会見を開きました。
この報告書は、直近の経済データに基づき、約9年に及んだアベノミクスについて検証をしています。

記者会見(約20分)の様子と、この話題を取り上げた立憲民主党の公式ページ、それぞれリンクをお示ししておきます。

この記事では、20分も動画を見ている時間がないという方のために、5分で読めるくらいの長さで要約と私見を述べてみます。内容に関連する別の資料も取り上げています。

本題に入る前に、
✅今ごろになって検証するの?
✅委員会の設置からわずか1週間だけど検証なんかできるの?
✅やっぱり野党は批判だけ
のような相変わらずの野党攻撃に対して簡単に反論しておきます。

委員会を設置して初めて検証を開始したのではなく、これまでの知見の蓄積について専門家による検討も加えながら整理と確認をしたということです。
また、アベノミクスについては本来であれば当事者である自民党や自公政権がきちんと検証してその功罪を示すべきですが、それすらやらずに総裁選で勝手にバラバラなことを各候補者が言っている状況に業を煮やして、仕方がないので立憲民主党が実施しているのです。ネトウヨの皆さんは、文句があるなら自民党に言いましょう。

☆まるで成長していない日本

まず、冒頭でご紹介した小川氏の記事から、トップ画を含めいくつかグラフをお示しします。日本の状況を客観的に見ておきます。

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平均所得(名目値、ドル換算)の推移を国別でグラフ化したものです。
ほぼ横ばい傾向の日本(青)に対して、米国をはじめ他国は、傾向的には右肩上がりのグラフになっています。1990年代に上の方にあった日本の位置は、最近では他の国に抜かれて中位に埋もれています。
2009~2012年、民主党政権下では比較的高くなっていた、という点も指摘しておきたいと思います。

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2019年の数値だけで切り出して、各国を数値の高い順に並べたグラフです。
日本の平均給与は4万384ドルでOECD35カ国中20番めの水準です。
米国の6万5836ドル、ドイツの4万7490ドルなどと比べると大きく差をつけられています。
G7の中では6番め、OECDの平均値である4万1457ドルにも届かないレベルとなっています。
このように、世界で3番めの経済大国であるはずの日本の労働者の所得水準は、実は先進国の中では平均値未満のグループに属しているのです。

既に有名な事実になっているとは思いますが改めてご認識ください。

ちなみに、日本は昔から貧しかったのではありません。
その証拠に、1997年の数値で切り出してみましょう。

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1997年の日本人の平均所得は3万8823ドルと、スイスやルクセンブルクに次いでOECDで3番めの堂々たる高水準でした。OECDの平均値2万2468ドルの1.5倍以上です。

ですから明らかに、日本の労働者の所得は、国際的に見て下がっているのです。しかも、このように明らかに衰退しているのは、主要国では日本くらいです。

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トップ画と同じグラフですがちゃんと全体が見えています。
2000年を基準にした、各国の平均所得の成長率を示したグラフです。
ご覧いただければ一目瞭然ですが、平均所得が減少し、地をはうように推移しているのは日本だけです。他の多くの国は右肩上がりで成長しているのです。
⚠️これは名目値ですが実質値で見ても、傾きは緩くなりますが、傾向は変わりません。

ドイツは年率で約2%成長、米国や英国、カナダは年率約3%の成長、韓国は年率約4%の成長となっています。
日本だけが成長しておらず停滞、いえむしろ退化しているのです。
きっと安西監督が今の日本を見たらこのようにお嘆きになるでしょう。

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※漫画『SLAM DUNK』より引用。©井上雄彦先生、集英社。

☆庶民を苦しめ金持ちをますます金持ちにした自公政権

1997年までは順調だったのに2000年以降に落ちぶれていった。
これが日本の経済状況に対する客観的な事実です。
しかも世界は成長し続けているのに日本だけが落ちぶれたのです。

2000年以降と言えば小泉純一郎や竹中平蔵による、いわゆる「新自由主義」の路線が始まった頃です。
これは偶然の一致ではないと思います。

それではいよいよ、立憲民主党の報告書に引用された各種経済データを見ていきます。

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2012年を100とした実質賃金が下がり続けて、5%近く減っています。それに伴い世帯消費が低下し、10ポイント近く減っていることがわかります。

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年代別の貯蓄ゼロ世帯の割合。特に若い世代、20代・30代は、2012年と比べて1.5倍から2倍近く貯蓄ゼロ世帯が増えています。
アベノミクスにより経済格差が広がったことが象徴されています。

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純金融資産保有額が1億円以上の世帯数と資産額の推移。
2011年からのデータでは、世帯数で1.64倍、資産額で1.77倍まで増えています。
またミリオネア(所得が1億円以上の億万長者)の人数も、 2012年の1万3609人が、2019年にはほぼ1万人増えて、2万3550人となっています。
貯蓄0の若者や世帯が増える一方で、金持ちはますます金持ちになっているということです。

ちなみにこの傾向はCOVID-19禍でもまったく変わりないどころかむしろ顕著になっていることが、例えば今年6/7、小池晃・日本共産党書記局長による国会質疑でも示されています。

※6/7、小池晃書記局長による国会質疑。動画の23分10秒くらいから、富裕層の資産はここ1年で倍増していることがわかりやすいグラフで示されています。

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潜在成長率とは一国がモノやサービスを生産するために必要な各生産要素を、それぞれ過去の平均的な水準で供給した場合に実現できると推計されるGDPの前年比伸び率のことで、中長期的な経済成長の実力を示す指標です。
もうこれがゼロ、成長が見込めないということが、これは日銀の統計ですが証明されている形です。
2019年にはゼロ近くまで落ち込み、ちなみにこのグラフには入っていませんが2020年にはリーマンショック以降10年ぶりにマイナスになりました。

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ジニ係数はイタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標です。0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示します。
このグラフはジニ係数の改善幅、つまりどれだけ0に近づけられたかを示したものです。
欧米と比べ日本は極端に改善率が低く、OECD諸国平均で見ても4分の3から3分の2程度低い水準に留まっています。税など分配による格差是正が機能していないことがわかります。

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最後に2つまとめてお示しします。
これらによれば、特に大企業が従業員の給与をまったく引き上げていない一方で、株主への分配や企業の内部留保だけが高まっていることがよくわかります。労働者には還元されないのに株を保有できるような富裕層には還元されているということです。
ちなみに内部留保は、グラフでは2018年の数字が示されていますが直近の値は475兆円。9年連続で過去最高を更新しかつ戦後最高です。


以上で、もう十分にわかりましたね。
9年間続いたアベノミクスを一言で言えば、
お金持ちをさらに大金持ちにし、強い者をさらに強くしただけの施策

だったのです。
安倍晋三が言っていた「トリクルダウン」などまったくの嘘で、ついでに言えば「消費税の増税分は社会保障にしか遣いません」と自信満々に言い切っていたのも全部嘘でした。さすが国会で、判明した分だけで数百回も平然と虚偽答弁をした男です。

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※COVID-19真っただ中だった2020年度の税収はなぜか過去最高を更新。しかも内訳は累進課税を建前とする法人税や所得税を抜いて逆進性が指摘される消費税が35.0%を占めトップ。おかし過ぎる!
ちなみに政権交代が実現すれば、野党の共通政策にあるように消費税は減税されます!


もう一度いいます。アベノミクスは貧困問題の改善や経済成長にはまったくつながらず、むしろ格差を拡大し大部分の庶民を貧しくしました。
富裕層から見れば大成功だったかもしれませんね。
「自己責任」や「自助」という言葉が大好きな自公政権にふさわしい経済政策だったとも言えると思います。

☆おわりに メディアについても一言

だいぶ長くなってきたので今日はここまでにします。
ネトウヨは「野党は批判ばかり」「対案を出せ」という言葉が大好きみたいですが、立憲民主党はこの検証結果を踏まえた経済政策を近々公表するとのことですので、楽しみに待ちましょう。

…まあ実は、既にかなりの部分が示されています。ぜひ『枝野ビジョン』を読んでみてください。

これを読めば、アベノミクスの失敗が必然だったこと、ではどうやって改善すればいいのか等も含めて具体的に経済政策が書いてあります。
いつか別の記事できちんとお示ししたいとは思っていますが、ぜひ皆さんも本書を読んでください。

最後にこちらをお示ししておきます。同じく昨日21日に行われた福山幹事長による会見です。

福山幹事長はこの日珍しく自民党総裁選に言及したのですが、
「本当ならば枝野代表を『5人目の総理候補』としてあの方たち(総裁選の4候補者)と議論することが、日本の政治には不可欠です。今のバラバラ自民党では日本の将来を任せられない」
の部分だけが切り取られてネット上で揶揄されているようです。
全体を見れば真意がわかるし、めっちゃ良いことを仰っていますのでぜひご覧ください。約24分。

会見の最後、「バラバラと言うが(総裁選は)多様な意見を闘わせて民主的だとは感じないか?」という質問を「感じないですね。」と即答かつ断言しバッサリ切り捨てているのが爽快です。その理由も説得的で必見です。

そういえば17日には枝野代表も、自民党総裁選について「4候補が出馬し多様で幅広い意見が交わされている」と各社が報じていることを巡り、
「自民だと『多様』なのに、なぜか野党だと『バラバラ』と表現される」
と指摘しています。
もはや
常套句になっている「野党は反発」という表現もそうですが、私たちはメディアによる印象操作、自公維上げと野党下げに十分に気をつける必要があります。何度もしつこくて恐縮ですがこれ貼ります。

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「大事な時にゴルフ」という話でも安倍政権と民主党政権で報じ方が真逆です。こういうメディアのダブスタな本質はぜひ知っておいてください。


…「だいぶ長くなってきたので今日はここまでにします。」と宣言してからが更に長くなっているので今度こそここで終わりにします💦
最後までお読みいただき、真にありがとうございました🙇‍♀️今後もがんばりますので励ましのスキ・コメント・フォロー・サポート・おススメ・記事の拡散などしていただけますとめっちゃ嬉しいです。フォローは100%返します。今後とも有益な情報発信に努めますので応援よろしくお願いします🙇‍♀️

総選挙に向けて、これからもますます野党の発信にこそ注目していきましょう。メディアを鵜呑みにせず必ず発言の全体、原典に当たってください。またねー💕


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