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リハビリによって私の身体は再生された

今まで運動をしなかった私にとってリハビリは日々を変えてくれた。

2024年7月末、突然、身体の筋力を失って救急車で運ばれ、ギランバレー症候群という10万人の1人の割合で罹る筋力低下の病気になってしまった。

症状が始まった当初は
「私にはもう明日は来るのか、いや、もう考えられない」と頭も疲労し
寝たきりの自分に絶望した。

お薬の治療が終わり、すぐにリハビリの生活になった。そこで思ったのが、
「身体はすごく重くて疲れるけど、動けるってなんて気持ちがいいのだ」
ということ。

家に帰って不自由なく過ごすには3か月のリハビリが必要だと言われた。

重力に勝てず、頭の信号を使っても全く動かない。
夜、眠れないとき、夜中のリハビリを試みた。
それはその日やったリハビリのおさらいみたいなものだ。

指が少しずつ、動かせるようになったころ、布団のなかでふと、
気づいた。右手と左手の指が違う動きをしていることを。

「もしかして、またピアノが弾けるかも!」
身体のそこから嬉しさが込みあげたことを今でもハッキリと
覚えている。それから毎晩、指を動かす練習をした。

初めて車椅子で病院内をドライブしたこと。
慣れない手つきで車輪を動かし、日光にしばらく当たっていなかったので
窓のそばに車椅子を寄せたら、陽を感じて窓越しに夏を感じた。

指は動くようになったけれど、腕はまだまだだ。
自分の顔も洗えない。
車椅子ドライブの時は洗面所に寄って、ペーパータオルを水で濡らし
顔に動きづらい腕を持ってきて顔を湿らした。
なんだかとっても惨めな気持ちになったけど、

『少しずつね。一歩一歩ね』と
自分の心に言い聞かせた。

だんだん身体に力が入るようになって
ふらふらだけど、立つことが出来た。
そのころ、リハビリを初めて3週間ぐらい。
赤ちゃんみたいだったふにゃふにゃの身体だったのに、毎日のリハビリの
おかげで立つことが出来たのだ。

おむつも導尿もしていたけど、パジャマもぐちゃぐちゃだけど、
ベットのそばで立てたことを
忘れない。

それから一歩を踏み出すのには
時間がかかった。平行棒に捕まって幾度となく、前に進む、横に進むの
練習を毎日した。すぐに疲れて倒れそうになったり座ったりしたけれど、
着実に前に進んだ。

「今まで運動をしてこなかったけれど
身体を動かすってことはなんて気持ちがいいんだ!」と感じた。
そして私は慢性腰痛もあったが
ギランバレー症候群になって身体がリセットされたのか、腰の痛みは
感じず、これまで来れていた。

生きているからこそ、痛みがある

ギランバレー症候群になって
寝たきりになって頭がもうろうとしてただただ、室内の天井を見上げていたとき、生きることが嫌になって死んでしまいたいと思っていた時期がある。

何も感じない、薬を投与して効くか効かないかもわからない状態で
自分で
水も飲めない、
トイレにもいけない、
食べられない
なーーんにも出来ない。

このまま一生、寝たきりかと
負の連鎖が回っていたときである。
ふと、腰痛のことを思い出した。

今は痛くないけど、なーーんにも
感じない、生きてるのか死んでるのか
わからない自分より、痛みがあるということは
生きているということなんだと
概念が変わった。

あんなに悩まされていた腰痛だったが
今の自分より痛みがあったほうが生きていると感じ取れる。
それからというもの、
リハビリの疲れや筋肉痛、
謎の激しい痛みがあっても
泣きごと言わず、立ち向かっていける
自分がいた。

リハビリ病院では、ただ、歩くのではなく、きれいな姿勢で歩くことを目的とする。

こんなことまでしてくれるのかと
頭が下がる気持ちになった。

脚の使い方、足の動かし方、骨盤の動かし方、私の身体を
細かく調べてくださり、それにあったマシン、バイク、ストレッチ、
マッサージ、姿勢を良くしていくストレッチボールなどを使って
徐々に身体をまっすぐさせていくリハビリだった。

理学療法士と作業療法士さんの
2人がタッグを組み、毎日3時間リハビリをしていく。

ただ、歩くといっても10分ぐらいのことだが姿勢よく歩けると思って
いなかったので、このリハビリを一生懸命やって次の日、身体が痛く
てもベットであおむけになって身体を伸ばしたり、自主トレも
毎日やったおかげで、テストは合格点以上の点数を出し、
運動苦手な私にも出来るんだという自信がついた。

人は思い込みが変わると、生活スタイル、メンタルも変わるんだと
いうことに気づいた。

主治医のT先生、理学療法士のTNさん、ITさん、そして作業療法士の
YSさん、NKさん、
私の身体を治してくださって
ありがとうございました。

ギランバレーにならなかったら
人生のリセットには気づけなかったと思う。
大病は本当は嫌だが、ギランバレーに
ならなかったら皆さんに会えなかったし、運動がこんなにも楽しいこと
なんて、という気持ちにもならなかったはずだ。

人生のリセットを体験できて本当に良かった。

ギランバレー症候群に関わってくださった看護師さん、スタッフの皆さまにも感謝の言葉を言いたい。

本当にありがとう。

そして心の安定をはかってくれた主人のことも忘れてはならない。

身体が強くなり精神的にも安定した
#想像していなかった未来をありがとうございました

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