原田マハさんの「リボルバー」を読み終わって
原田マハさんの新刊「リボルバー」を
読み終わりました。
読む前から、絶対に面白いに違いない!
と感じていました。
だって表紙がゴッホの『ひまわり』だし
ゴッホの死は謎めいていたから、、。
あらすじ
幼い頃にゴッホの「ひまわり」やゴーギャン
の絵に魅せられた高遠冴(たかとおさえ)は、
彼らの世界を深く知るためにパリへ。
美術史の博士号を取得した後、フランスの
小さなオークションハウスで働くことに。
いずれゴッホとゴーギャンについてまとめ
博士論文を発表する予定だった。
ある日冴のもとへ、一人の女性が「見て
欲しいものがある」と訪ねてきた。
茶色い紙袋の中から取り出した物は
一丁の拳銃、リボルバー。
ゴッホの自殺に使われた物だと言う。
冴はそのリボルバーの調査を始める。
以前そのリボルバーを所有していた食堂
を訪れたり、ゴーギャンとゴッホの過去
を調べたりしていくうちに、冴は正反対
に見えたゴッホとゴーギャン2人の中に
あったものを見つけていく・・・。
誰が引き金を引いたのか
ゴッホの死は自殺とする見方が優勢だが、
不明な点が多くアート史上最大の謎とさ
れてきた。
現場を誰も目撃していないし、自殺にし
ては銃弾の角度が不自然。
2011年には地元の少年たちと小競り合い
した末に銃が暴発した事故だという説も
唱えられた。
私の感想
〜ゴッホはゴッホのまま今も観る人の
心に生き続けている〜
この本は、読み終わりたくないと思った。
だから、読みやすかったのだが
少しずつ大事に読み進んだ。
だんだん真相へと近づいていく過程に
ワクワクし そして最後に感動した。
「自分の絵」を描くことに強い情熱を持
ち続け、作品を未来に残せたゴッホ。
刺激を与えてくれる好敵手=ゴーギャン、
理解して支えてくれる人=弟のテオ。
この「トライアングル」の関係があった
からこそ現在私たちが「ひまわり」を鑑賞
できている。
ほとんど奇跡だと思える。
テオの深い兄弟愛は誰にも真似できるも
のではない。
才能はあるがとても気難しい兄を、見放
してしまうことだってできたはず。
でも、最後まで気持ちに寄り添い経済的
にも兄ゴッホを助け続けた。
元々病弱だったテオは、ゴッホの死の翌
年に後を追うように33歳という若さで
亡くなっている。
※ゴッホは幼い頃からかんしゃく持ちであり、
気性が荒く無断で1人で遠出したり学校を途中
で辞めたりと両親や家政婦、教師からは手の
かかる扱いにくい子とされていた。
また頑固で気性の激しい性格から社会にはう
まく適応できない人物だった。
ゴーギャンと共に新しい絵画の時代を創っていきたいと願いつつも、うまくはいかなかった。
ゴッホが「同志」と思いたいゴーギャンは、
2ヶ月の同居の後、去ってしまう。
結果、あの「耳切り事件」になってしまった。
ゴーギャンのために「ひまわり」を描いて
部屋に飾って迎えたゴッホ。
なんだかいじらしい。
この小説は、原田マハの特徴である
「史実に基づくミステリー」小説。
アート史上最大のゴッホの死の謎
に迫る最高傑作です。
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