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【東京六大学野球】注目の新4年生投手【ドラフト】

 こんにちは、宜野座パーラーです。最近は暖かい日も多く、急に野球シーズンが到来したような感じですね。東京六大学野球も春季リーグ戦の日程が発表され、4月8日に開幕します。

 ここでは、注目の新4年生投手について、3年生までの成績を踏まえながら取り上げていこうと思います。


1.新4年生投手成績一覧

図表:新4年生投手成績一覧

 図表は通算20投球回以上の新4年生投手の成績一覧です。細かい内容は後述の通りですが、今年も実績十分な4年生投手が揃っています。過去の記事で取り上げた通り、プロ入りの目安を「FIP3.5未満」と見れば、現時点では9投手がその基準を満たしており、これらの投手がこの1年間でさらに活躍するのか、あるいは他の投手が急成長するのかといったあたりも見ものです。

 なお、慶應義塾大は新4年生で通算20投球回以上の投手はおらず、リーグ戦のマウンドを経験したことがあるのも通算6登板の森下祐樹(④米子東)のみです。

2.明大から先発2枚看板とリリーフエース候補が上位ランクイン

 まず、FIPランキング上位で目立つのは明治大投手陣です。なかでも、現役トップの通算9勝・村田賢一(④春日部共栄)と同2位タイの通算6勝・蒔田稔(④九州学院)の両右腕エースはやはり注目でしょう。投球タイプは異なり、制球力抜群で打たせて取る村田に対し、蒔田はパワーピッチで押し込みます。

 個人的な印象ですが、現時点でプロ向きなのは蒔田でしょうか。BB/9は3.27とやや高いのが気になりますが、ピンチの場面では1段階ギアを上げた直球で押し込める力強さが魅力です。今年は制球力を高め、投球の質が求められる1年間になるでしょう。一方の村田ですが、やはり安定感は群を抜いており、いまやリーグ戦では完投が当たり前にできる完成度の高い投手です。投球スタイルから見ればK/9が4.52というのはある意味当たり前の水準ですが、プロ入りという観点では球速アップと高い奪三振能力が求められるでしょう。

 リリーフ陣では左腕・石原勇輝(④広陵)も注目です。ここまで17登板はすべてリリーフで、FIPは新4年生投手でリーグトップの2.41を誇ります。K/9が9.59とそれが示す通り、高い奪三振能力が一番の魅力でしょう。3年秋の8登板に続き、この1年間もブルペンを支える存在になれるでしょうか。

3.早大・加藤、立大・池田、法大・尾﨑ら各大学のエースも十分プロ入りが狙える位置に

 明大以外の各大学も、新4年生がエースとしての活躍を期待されています。2020年秋の優勝以来、投打に苦しんでいる早稲田大ですが、要注目はエース右腕の加藤孝太郎(④下妻一)です。3年秋は1回戦すべてで先発を任されると、2勝止まりも防御率1.41で最優秀防御率に輝きました。フィールディングを含めて総合力はリーグ随一ですが、明大・村田と同じく、プロ入りという意味では球速など投球の力強さが求められるでしょう。HR/9が0.61と、一発を浴びる場面がやや多かったのも気になります。

 立教大は下級生の頃から大車輪の活躍を見せる池田陽佑(④智辯和歌山)がラストイヤーを迎えます。ここまで通算30登板、118投球回はいずれも現役トップで、特に2年時は春秋合計で20試合中17登板し、厳しい台所を支えました。省エネ投球が求められる事情もあったのか、K/9は5.11とやや物足りない数字に留まっていますが、FIP3.02は上出来の数字でしょう。

 また、法政大の左腕エース・尾﨑完太(④滋賀学園)は力強い直球を武器に奪三振の山を築きます。まだ粗削りな部分も見られますが、先発起用が多い中でK/9は9.37と抜きん出た数字を残しています。四死球の多さが課題ですが、素材としての魅力が十分なだけに、この1年間に期待です。

4.早大・清水大、齋藤正、法大・武冨など好投手左腕が豊富

 その他の新4年生投手では左腕に好投手が多く、彼らの飛躍にも注目です。早大では、清水大成(④履正社)齋藤正貴(④作倉)がそれぞれの立場を確立できるかが見ものです。ここまで清水大が7登板、齋藤正が10登板と、まだ主戦とまでは言い切れないような立場にあります。それぞれ先発の経験もあり、今年はどのような起用がされるかは未知数ですが、加藤に次ぐ先発2番手やリリーフエースを担うようになれれば、ドラフト市場でも面白い存在になるでしょう。

 法大・武冨陸(④日大藤沢)はここまでリリーフ専門として活躍を見せています。2年秋に大崩れした影響で通算の数字自体はいまひとつですが、3年時に絞ると13登板(うち8完了)でWHIP0.90、K/9は7.20と、安定した投球で1年間ブルペンを支えました。

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