詩)79年目の8月6日
詩を書こうとしてメモ帳に向かうと
母がテレビを見て面白そうに笑っている
79年目の8月6日に忘れられない想いとか
書こうとすることは浮かぶのだが
戦争体験者の母の笑い声には勝てない
ツラレテ 一緒に笑ってしまい
忘れてはいけない日の今日を過ごし
少し風邪を引いてしまったようで
喉は痛くないが空咳が時々出る
母からはこっちに向かって
咳しないでくれと言われ
確かにそうだと思う
ルルを真面目に朝昼晩と飲んで
晩御飯にはいつものようにビールを飲むと
苦くて上手くない
風邪薬のせいか それとも何か味覚変わったのか
母は相変わらず笑っていて
毎日こうやって 日々を過ごし
戦争が止められない現実の前にいるのに
日々はこうして過ぎていき
母が突然 ザリガニは臭いんだよね 生きている時はいいけど という
人間だってきっとそうだ 生きていてこそだ
核兵器が何をもたらすかを
めんどくさくても 地味でも
日々の中で 語らないと
語ることから始めないと
無残な死を遠ざけるためにも と思う
書かないと 書かないとだめだ
書かないと
そう思って書いている
79年目の8月6日
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