見出し画像

「詩の檻はない」が朝日新聞デジタルに掲載

「同じ時代を生きる他者への想像力を」


日本語版『詩の檻はない』には、世界各地から寄せられた詩のなかから日本人36人と海外21人の作品が収められている。BBCペルシャ語放送や英インディペンデント紙で大々的に報じられるなど、国際社会の関心も高い。8月下旬には、旭川市内で出版記念イベント「世界のどの地域も夜」が開かれ、ソマイアさんのビデオメッセージも放映された。ソマイアさんは、「タリバンの復権以来、アフガニスタンでは、芸術がことごとく破壊され、詩作も禁じられて悲劇的な状況が続いていますが、時間の経過とともに世界から忘れられつつあります」と、危機感をにじませ、日本語版の出版が実現したことに謝意を表明。最後に「すべての人間が自由になるまで、いかなる人間も自由とは言えません。今も抑圧されているすべての人々の人間性が解放される日まで、引き続きご協力ください」と訴えると、会場からは拍手が湧き起こった。


朝日新聞withplanet


詩の檻はないを持つソマイアさん

日本とフランスで書籍化


日本で詩の募集や取りまとめの先頭に立ったのは、企業勤めのかたわら詩人として活動する北海道旭川市の柴田望さんだ。アフガニスタンに関する情報サイト「ウエッブ・アフガン」を通じてソマイアさんの訴えを知った柴田さん。それまでアフガニスタンに縁がなく、現地の情勢にも詳しくなかったため、アフガニスタンの支援団体やソマイアさんに連絡を取って詩作禁止令が事実であることを確認したうえで、SNS上で積極的に拡散し、自身も「暁」という詩を詠んでソマイアさんに送った。「詩を書いたり読んだりする行為は世界を認識するための方法の一つであり、どう生きるかを模索する行為。詩人が詩を発表する場所を求めていると聞いた以上、放っておくことはできませんでした」と、柴田さんは振り返る。

10月15日に横浜で「詩の檻はない」朗読会



『詩の檻はない』は、今年11月にフランス語版も出版されることが決まっており、日本から集まった36編の詩もフランス語に翻訳されて掲載される。さらに、12月16日にはkotobaslam全国大会にソマイアさんを日本に招くことが決まっています。「ゆくゆくは詩の分野以外にも交流を広げていけたら」と、柴田さんは希望を膨らませる。

10月15日には「詩の檻はない」参加詩人14人とオープンマイク6人が参加して、横浜ことぶき協働スペース(JR石川町駅徒歩8分)で開催される。
一般観覧は残席10となっており参加申込受付中となっている。

アフガニスタンへの思いを通じてつながった世界の詩人たちによる文学的な抗議が、今、静かなうねりを起こし始めている。


いいなと思ったら応援しよう!

高細玄一(げん)
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します