詩)僕らの不器用な歌
名前さえ告げようとしない
傭兵の前でも
古いアコの音色でもって
歌は賑やかに始まった
僕らの不器用な歌はまだ続いている
曇り空には微笑みを
湿った風には乾いた涙を
傭兵たちにも 一本のバラを
僕らの不器用な歌はまだ続いている
愛する人の表情を思い出すのは
とても大切なことだ
君はとても綺麗だ
僕らの不器用な歌はまだ続いている
君には君だけの美しさがあると
どう思われようと 笑われようと
普段は無口なんだけど
僕らは不器用な歌を歌い続ける
曲がりくねった水路や
お人好しのばあやの焼くパン
教会の賛美歌
水草 はじめて働いた時見た青空
コーヒースタンド 理容室 学校
年中歌い続けよう 不器用な歌を
エレベーターの中に書かれた秘密の歌詞で
少女が大人になるまで
着古したコートをはおって
ウクライナの大切な・大切な歌
支配されない歌
無口で立っている僕らの不器用な歌
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