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さらまわしネタ帳013 - 真夜中のブルース

えー、7インチ盤専門店なんぞというものをやっておりますと、古い音源ばかり聴いているようなところがあります。整理して品出しする作業はそれなりに楽しいのですが、好みの音楽ばかり聴いているわけにもいきません。還暦過ぎの自分でも、生まれる前の音源も扱うことになります。ジャズは1950年代であれ、40年代のSP盤時代の音源であれ、それなりに興味を持って聴けるのですが、映画音楽などで観たことない映画のものは難しいことになります。まあ好き嫌いで行くしかないのですが、お初のものは一応最後までしっかり聴きますから、時間があるときならいいんですけどね…。今は比較的時間があるときなんですかね…。妙にバタバタしていて落ち着かないことこの上ない状況ですけどね。

サントラ7インチの未整理箱が一つありまして、だいたい150枚ほどでしょうか、入っております。クリーニングは終わって外袋も新しいものに付け替えてありますから、いつでも売り場投入できるのですが、如何せんスペースも限られております。現状はパツパツなので、売れないと次が出せない状況です。サントラは比較的イベント等の出番が多いわりに、滅多に売れないので、この箱の整理は一向に進みません。以前、文化センターのイベントに持ち込んだことがあるのですが、ある程度価値があることは皆さんお分かりのようで、触っていいのか確認されます。まあ、それだけ状態もいいというわけです。「ドクトル・ジバゴ」(1965年)や「アラビアのロレンス」(1962年)の盤が新品のような状態だと、ちょっとビックリされますやね。

さて、その中に「朝な夕なに」という映画の「真夜中のブルース」という曲の盤があります。1957年公開(日本は1958年公開)のドイツ映画です。キングのアンコール盤というシリーズのもので、裏面は別の映画です。この盤の場合はユーゴ映画「平和の谷」というものです。昔は表と裏に別々の映画の曲が収録された7インチ盤はいっぱい発売されておりましたね。オーケストラものだったりすると、もうどれがオリジナル音源か分からなくなるようなものが結構ありました。

さて、その「朝な夕なに」ですが、ドイツのギムナジウム(進学前提のハイ・スクールみたいなものです)が舞台で、生徒たちが組んでいたジャズ・バンドのリーダーが過労死するわけですが、その葬儀の場でリーダーの好きだった曲を残されたメンバーが演奏するシーンで使われた音源です。映画の中では同曲が終始流れているんですけどね。

この曲、もう一つ有名な音源がありまして、ベルト・ケンプフェルト楽団の演奏ですね。ビートルズのハンブルク時代の音源をプロデュースした人物です。日本ではこちらの方が有名かも、ということなのですが、確かにウェブで検索してみると、しっかり出てきますね。

えー、ヒマこいて聴き比べなんぞしてしまったのですが、…自分の好みだけで申しますと、サントラの圧勝です。ベルト・ケンプフェルト、トランペットのミュートを使って妙にいじってしまっており、どうにも好きになれません。まあ、多くの場合、オリジナルがいいということになるんですけどね…。

「朝な夕なに」のヒロインはルート・ロイヴェリックさんでして、「菩提樹」に出ていた方ですね。「菩提樹」は1956年のドイツ映画ですが、「サウンド・オブ・ミュージック」の元ネタですね。監督さんも「菩提樹」と同じヴォルフガング・リーベンアイナーさんですね。まあ大ヒットだったようです。

何はともあれ、自分が生まれる前の時代のはなしです。備忘録的に記しておくかと書いてはみましたが、さすがにこの辺に興味ありと言う方はもう少ないでしょう。自分は古さの検証をしているようなところもありまして、45回転盤と78回転盤の両方で発売しているという記述が面白かったりするんですけどね。…どうでもいい話ですね。

KINGのアンコール盤、専用の内袋が結構レアだったりもします。…どうでもいい話ですね。


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