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7インチ盤専門店雑記735「1969年の記憶」

以前にも懐かしいという感覚に絡めて、アーチーズについて触れたことがありました。…正直なところ、めちゃくちゃ反応は薄いあたりです。

そのアーチーズのレコードが売れました。やはりかなりご高齢の方がお買い上げくださいました。…私でもギリギリでアウトなんです。リアルタイムに聴いて知っているわけではなく、少し後にラジオで流れていたか、忘れられないメロディが染み付いており、知識として知っている程度です。…まあ懐かしいは懐かしいわけですが、どっぷりハマって観ていたわけではありません。そもそもアーチーズ、日本のテレビでやったんですかねぇ?アニメで人気があれば、年齢云々ではなく憶えているような気もします。

如何せん1969年の年間ナンバーワン・ヒットはアニソンなんです。ロックが最も熱かった年1969年ですから、「どういうこと?」と思うわけですよ。1969年というと、ステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」というイメージなんですけど、これも映画「イージーライダー」は1970年1月に公開がズレこんだわけですから、1969年のイメージというのも「後から作られたイメージ」であって、その年を懐かしむ感覚ではないはずなんですよね。映画で行けば「明日に向かって撃て!」だって70年2月公開なんですよね。

1969年、自分はまだ9歳ですから、人格が形成される前という気もします。音楽もしっかり聴き始める前です。好んで聴いていたのは「大脱走のマーチ」とかの映画音楽だったように思います。また記憶に残っているヒット曲は「ブルーライトヨコハマ」か「フランシーヌの場合」くらいで、ヒット・チャートがどうのといった話ではありません。

日本にウッドストック・フェスティバルの情報が、リアルタイムでどれだけ伝わってきていたのかは気になりますよね。まだまだ1ドルが360円だった時代、海外旅行なんてそんなに気安く行けた時代ではなかったでしょう。まあそう考えると、憧れのハワイ航路はなかなかに大変なことだったでしょうね。自分がウッドストックを意識した最初は、高校1年の頃ですかね。凄いフェスティバルがあったんだという文字情報は目にしていましたし、ジミヘンの「スター・スパングルド・バナー」はたまにラジオから流れていたように思います。でもそれが何をやっているのか理解したのは、もう少し後だったように思います。

当時の記憶として残っているのは、他にはゼーガー&エバンスの「西暦2525年」とか「ロミオとジュリエット」あたりですかねぇ。結局そのとき何歳かで印象は違ってしまうんですよね。いっそのこと、全く記憶に残ってなければ、文字情報で得た知識などでステレオタイプに「ロックが熱かった年」とか言えるんでしょうね。キング・クリムゾンもレッド・ツェッペリンもローリング・ストーンズも知らなかったわけですし、ビートルズだって解散のニュースで知ったようなものですからねぇ…。


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