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7インチ盤専門店雑記772「The Brand New Heaviesはお好き?」

ヘッダー写真はThe Brand New Heaviesの「Sometimes」という曲の4枚組12インチ・シングル・ボックスです。1997年リリースのアルバム「Shelter」収録曲ですね。アシッド・ジャズというヤツですが、こういうダンサブルなのを私が取り上げると違和感を覚える方は多いようですが、一応聴きます。踊りませんが聴きます。

1994年のライヴも行っております。渋公のキャラキャラした音にやられ、翌日まで難聴になりました。お席でお分かりでしょうか、PAの真ん前ですから、それだけで右チャンネルしか聴こえないような地獄のポジションでしたが、壁から跳ね返ってくる音まで猛烈に集まるようなスポットだったようで、本当に鼓膜が破れるかと思いましたね。「Brother Sister」がリリースされて間もない頃ですから、旬のときに観たわけですが、意外に演奏が下手ではなくて驚いたというような感想を残しております。

「Sometimes」に戻りますが、こういうリミックス・ボックス、何とも取り扱いに困ります。続けて聴くものでもありませんし、どれか好きなリミックスがあるかというと、どれも…というものでしてね。インナー・スリーヴやライナーに情報があれば少しは勉強するのですが、文字情報が極端に少なくて悲しくなります。レーベル面を見ると、ア・トライブ・コールド・クエストのQ-Tipの名前もあるんですけどね…。そもそもリミックスがあまり好きでないというか、リミックス文化に馴染めないところがありましてねぇ…。

では何故買うのかと言われそうですが、これ、サイ―ダ・ギャレットがヴォーカルなんですよ。しかも曲もジャン・キンケードと共作しているんです。この方、先般亡くなられたクインシー・ジョーンズの秘蔵っ子と言われた一人でして(何人いるのやら…)、「Back On The Block」にもフィーチャーされていますし、マイケル・ジャクソンの「Bad」でも歌っておりますな。「I Just Can't Stop Loving You」と「Man In The Mirror」ですね。「Man In The Mirror」は曲の作者でもありますな。なかなかの実力者です。ブラン・ニュー・ヘヴィーズだとヴォーカルはエンディア・ダヴェンポートが有名ですが、サイ―ダ・ギャレットも要注目です。

ブラン・ニュー・ヘヴィーズは低音の入り方が何だか好きで、アナログで買い集めておりました。12インチ・シングルも「Dream On Dreamer」を含め何枚かあったのですが、いつの間にか散逸してしまいました。…まあ、70sあたりのアーティストと比べると熱意のレベルが違うのかもしれませんが、1990年代にアナログで楽しめるアーティストというのは限られておりましたからね。ロニー・ジョーダン、コートニー・パイン、ジャミロクワイ、ブラン・ニュー・ヘヴィーズ…といったところでしょうか。今のように、新盤がアナログでリリースされることは、特定のアーティスト以外滅多になかったですし、それもアシッド・ジャズやジャズ・ファンクなどの本当に限られたものだけでしたからね。



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