「ブラッスリーレカン」と「マティス展」
20年ぶり 待望の大回顧展 マティス展
7月、8月は混雑するだろうから、今月中に行っておこう。
友人と二人だから、せっかくだから上野でランチもしよう。
ブラッスリーレカンがいい。
上野駅に残る旧貴賓室を活かした落ち着いた空間でフレンチ
上野駅徒歩0分、昭和7年に創られたアールデコ様式の 上野駅構内の旧貴賓室を、2002年にレトロなインテリアを残しつつ、エレガントで落ち着いたフレンチレストランにリニューアルして誕生した のが ブラッスリーレカン。
銀座レカンの姉妹店でもある。
午前11時の予約
H MATISSEスペシャルコラボコース マティス展×ブラッスリーレカン
迷わずこのコースを予約、既に 気分はマティス展 だ。
メニューに見入る。
まさにアートと料理のコラボレーション
「ときめくよね」
アミューズ/《読書する女》/マティスの朝食 ジャンポン ド パリ
なるほどねと一口ぱくり、ちょうどいい厚さのチーズとハムが濃厚。
確かにほっとするアミューズ。
前菜/《豪奢、静寂、逸楽》/色彩のテリーヌ、天使のエビを添えて
乳白色のプレートに繊細で勢いよく描かれた前菜。
綺麗!天使のエビもテリーヌの野菜も、ひとつひとつが穏やかな味わいで、それらすべてが一つにまとめられている。
目にも鮮やかなソースの美しいこと!
確かなテクニックあればこその絵画的ソース。
メイン/《イカロス(版画シリーズ〈ジャズ〉より)》/仔羊のロースト 南仏野菜のピサラディエール
「仔羊なんて久しぶりだわ、やわらかくてクセもなくて美味しい」
「ほんと、盛り付けもさすが」
ピサラディエールとズッキーニと仔羊のローストを一口大に切って、ソースをつけて口に運ぶ。
肥沃な南仏を想像する。
デザート/《オレンジのあるヌード》/ 八種類のピュレとゴーフルのパレット仕立て
プレートが白ではなく黒だから、スポットライトを当てられたような色彩豊かなパレットがイメージできる。
すぅ~っとくちどけるアイスクリームと8種類のピュレ一つ一つの個性が光るガレットをゆっくりいただきながら、画家へのオマージュ、しかと受け止めました。
(料理画像の説明はすべて H MATISSEスペシャルコラボコース マティス展×ブラッスリーレカン からの引用)
キャフェ又は紅茶
ふるさとのこと、家族のこと、友人のこと、読んでいる本のことなど話題は尽きることがない。
そろそろ都美に行きましょうか。
昨日までの梅雨空模様がガラリ変わり、初夏を思わせる青空に白き雲。
上野の森は催事もありで多くの人々で込み合っている。
完全に人の流れがコロナ以前に戻ってきたようだ。
東京都美術館
マティス展 HENRIMATISSE:the Path to Color
岡本太郎展 以来の都美。
パリ国立美術学校でのギュスターヴ・モローに師事したのちの、「フォーヴィスム(野獣派)」のリーダーとなり、彼独自の絵画芸術の探求を続けた画家の軌跡が、煌めく作品とともに明るい陽のように伝わってくる。
同じ師に学んだルオーの軌跡も思った。
「観るうちにどんどん俯いていったルオー展と違って、ほんとうに明るくて観る側も心が晴れやかになるよね」
「素晴らしい展覧会だわ」
撮影可の展示作品
どの作品を撮ろうか、すべてを撮りたくなる。
画かれた女性の眼差し、目力、ポージングの筋肉までが伝わってくる。
「ヴァンス室内画」シリーズの第1作
なるほど!的確なキャプションで理解が深まる。
「ヴァンス室内画」シリーズを締めくくる作品
”事物は2つで一組を成す” というキャプションを読み、改めて作品を鑑賞。
一番好きだった作品 《夢》
まどろむ女性の微かな寝息さえ聞こえてくるようだ。
ゆったりと組まれた腕、閉じられた瞳、ゆるく合わさった唇。
最後の展示 マティスの最高傑作「ロザリオ礼拝堂」の4K映像に惹きつけられ暫し観て佇む。
礼拝堂内の一日の光の移ろいが、約5mに及ぶ巨大スクリーンで上映される。
空、植物、光が青、緑、黄色の色彩で表現されたステンドグラスの礼拝堂内の映像が臨場感となって深く沁みる。
「素晴らしい展覧会だったね」
「来てよかった」
「お茶でもしようか」