グラムは電話を使わない
弊社は少し前から、オフィスの電話を一切使っていません。
一応デスクに置かれているのですが、鳴ることがないためほとんど風景に同化しています。
まず、グラムのコーポレートサイトには電話番号の記載がありません。
社名を検索すると、当然「電話番号」がサジェストされますが、
Googleに情報として登録されていません。
過去に出したリリースなどが残っているので、少し探していただくと見つかりはするのですが、その番号にかけても誰も出ません。
最近、弊社に電話をおかけになった方はご存知かと思いますが、「コーポレートサイトの専用フォームからご連絡ください」という音声が再生されるだけでつながらず、弊社側もかかってきていることに気が付きません。
つまり、たどり着いても意味のない情報であるため、電話番号は敢えてわかりづらいままにしています。
その理由は単純、グラムは電話を使わないのです。
なぜ使わないのか、使っていた頃のことを振り返りながら、電話を一切使わない弊社のカルチャーについてお話ししようと思います。
電話によって失われていた大切な時間
冒頭でお話ししたように、弊社も以前は電話を使っていました。しかし、電話がない方が優先すべきことにもっと時間を使えると感じて、少し前に思い切って電話応対を一切やめました。
そう感じたポイントは、いくつかあります。
電話に対応している間、業務が完全に停止する
当たり前のことなのですが、電話は突然かかってきます。そして、対応している間はお互いが拘束されてしまいます。
電話応対を専門に担当する部署があれば、そのコストは必要最低限に抑えられると思いますが、それでもゼロにはできません。
ここで誤解しないでいただきたいのは、すべてのコミュニケーションをコストと捉えているわけではないということです。
以前出したnoteにもある通り、弊社は社内外問わず、コミュニケーションをとることに対して消極的ではありません。
コミュニケーション=コストでは決してなく、「コストにならない適切な方法で、質のいいコミュニケーションを取りたい」と考えた結果、電話という選択肢をなくしたのです。
突然の電話によって集中力が一瞬途切れる
先ほどの話とも通ずるのですが、電話は突然かかってくるもの。作業に集中していたとしても、かかってきたタイミングで中断され、別のモードに脳をスイッチさせなければなりません。
その電話自体が3分で終わったとしても、そこから元の集中レベルに戻すのには時間と体力がいります。
細かいことに思えるかもしれませんが、こうした細かいことが日々ノイズとなって業務効率の低下につながると感じました。
営業電話多すぎて、対応が大変
これは多くの会社が抱えている悩みかと思うのですが、オフィスの電話には頻繁に営業電話がかかってきます。
弊社も電話を使っていた頃は対応がなかなか大変で、これが電話を使わなくなった最大の理由です。
時間的なロスはもちろん、お断りするためのコミュニケーションも小さなストレスとして蓄積されていっている感じがありました。
返答するタイミングをコントロールできない
電話は、メールやチャットのように「後で返信しよう」とはいかず、タスクの優先度に関係なく割り込んできます。
本来優先すべきことを後回しにするよりも、適したタイミングで返す方が効率的ですし、精神衛生上もいい気がします。
また、相手の質問に対して「数値を一緒に伝えた方がわかりやすいから、計算してから答えよう」といったことも、突然の電話では対応できません。
電話をやめたことで解消された非効率
電話応対を思い切ってやめてみて1年弱、いろいろなことがスムーズになったと日々感じています。
電話後のメールがいらなくなった
電話での会話だけでは、テキストでのログが残らないため、
「先ほどお電話でご調整いただいた進行スケジュールについてですが、下記の通りおまとめしましたので、お手すきの際にご査収いただけますと幸いです」
と、念のためテキストで送ったりしますよね。
アポの日時などは電話でのやり取りだけでは不確定だから、後からメールで確認するのがマストだと、ビジネスマナーとして教えられた記憶があります。
現在、社外の人とのコミュニケーションは基本的にメール、Facebookメッセンジャー。とくに頻繁にやり取りする企業はSlackの共有チャンネル(Shared Channel)を利用しています。
そのため、やり取り自体がログになるので、後追いメールを送るコストがゼロになりました。
また、Slackだとより近い距離でコミュニケーションを取りやすい利点もあります。
メールや電話だけのやり取りでここまで仲良くなるには、なかなか時間がかかりますが、Slackだとすぐに距離が縮まるので会話が双方にとってラクになりますし、嬉しいです。
(さらに余談︰共有チャンネルを使うと、他社のSlack絵文字が閲覧できてとっても楽しい☺️)
担当者が離席しているときの伝達タスク、すれ違いがなくなった
多くの人が経験していると思うのですが、担当者が不在の場合のコミュニケーションはちょっと疲れてしまいますよね。
電話があった際に担当者が不在だったため、「○○は只今外出しております」と伝え、「お戻りになったら△△までお電話いただくようお伝えください!」と言われ、担当者が数時間後に電話すると、今度は相手が不在で……というすれ違いが、頻繁に起こっていました。
加えてこれらのやり取りには、「メモをとって担当者に伝達する人」が必要になり、その人の時間も奪ってしまいますね。
すでにやり取りがある場合は、オフィスの電話ではなく担当者同士で直接連絡してもらえばいいですし、メールやチャットであれば手が空いたタイミングで返信できるので、こうしたすれ違いは一切起きなくなりました。
新規の方に関してはすべてフォームからお問い合わせいただくことで、適切な担当者が適切なタイミングで折り返せるようになりました。
とくに弊社のように社員数が多くない会社では、「電話がかかってくるかもしれないからランチやMTGのタイミングはズラして」というルールを設けてることもあるかもしれませんが、それももう必要ありません。
社内に共有する手間がなくなった
以前は、電話の内容を関わっているメンバーや上司に共有する必要がありました。
メールやチャットでのコミュニケーションに絞った今は、そもそもチームメンバー全員が見ているところで会話しているので、共有する手間がゼロになりました。
会話しながらリアルタイムでチームに共有できているので、「一度、○○に確認してみます」といったアクションが必要なく、メンション一つで本人が降臨し会話に参加します。
電話で話すことのメリット
「電話を使わない」という選択をした弊社ですが、テキストだけではうまく伝わらないことや、余計に時間がかかってしまいそうな内容・シーンはもちろんあります。また、声と声でやり取りすべき内容・関係性などもあります。
そういった場合は、もちろん電話がベストだと思っていて、電話でのコミュニケーションが全くもって不要と思っているわけではありません。
しかし、現在の弊社の業務フロー上ではそういったシーンは少なく、電話という選択肢を捨てた場合に得られる価値の方が大きいのです。
・ ・ ・
今回は、弊社が電話を使わない理由についてお話ししました。
会社の電話に限らず、あって当然と思っているすべての物事に対して、今の環境に必要なのかどうか、考え直すことで何か見えてくるものがあるかもしれません。
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