動画編集で必須の2大ソフトを1冊で学べる『Premiere Pro & After Effects いますぐ作れる!ムービー制作の教科書[改訂4版]』担当編集者に聞く制作エピソード
YouTubeやTikTokなどの動画サイトはもちろんのこと、Instagram、Facebook、LINEなどのソーシャルメディアにも動画があふれています。その素材となる動画をスマートフォンで気軽に撮るのは当たり前になりましたが、注目される動画は必ずといっていいほど「編集」されています。この動画の編集に使われる代表的なソフトがAdobeのPremiere Pro(プレミアプロ)やAfter Effects(アフターエフェクツ)です。
阿部 信行著『Premiere Pro & After Effects いますぐ作れる!ムービー制作の教科書[改訂4版]』(2023年3月発売)では、役割の異なる2ソフトの基本操作を1冊で学べます。なぜこうした形で書籍が生まれたのか、制作のなかでこだわってきたことはなにかを、担当編集者大和田さんに聞きました。
聞き手:技術評論社 デジタル事業部EC/マーケティング室
改訂し続け長く愛読される動画編集本 基本の1冊
ーー2つのソフトについて1冊で学べる教科書、というのはとてもお得な感じがしますね。この2ソフトの操作方法を1冊にまとめた本は、どのように生まれたのでしょうか。
もともとは、著者の阿部信行さんから「Premiere Pro」の書籍についての企画を提案されたのが始まりです。
当時は私もあまり動画制作のソフトについて詳しくなく、阿部さんに話をお伺いするなかで、動画制作はPremiere Proだけでは完結せず、After Effectsも含めて一連の流れで作られていることを知りました。
Premiere Proは、動画の不要部分を削除したり、複数の動画を1本にしたり、テロップやBGMを入れたりといった編集ができるソフトです。それに対して、After Effectsは、写真やイラスト、図形、文字に動きをつけたり、映像自体に特殊な効果をつけたり、2つ以上の映像を合成したりといった、映像に動きや効果をつけられるソフトです。どちらも、テレビや映画、CMの制作でもよく使われているソフトになります。
動画制作で使うこの2つのアプリの解説を1冊にまとめた本として作れば、読者がこれ1冊で動画制作の基本を学べる本になると考えました。そして、2015年に最初の版が発売されました。
ーーこれまでに3回も改訂され、愛読され続けているのですね。
「改訂4版」ということで、書店で長く買っていただいている1冊になります。さらに、専門学校などで教科書として採用され続けており、この書籍を通して多くの学生さんに学んでいただいています。
改訂するたびに、2つのソフトの新機能や機能が変更された部分を取り入れ、常に最新の内容で学習できるようにしていることも、長く買っていただいている理由の1つかと思います。
初めて学ぶ人でも仕事で役立つレベルの動画編集スキルを身につけられる
ーー学校の教科書として使われているということは、やはり初心者向けの内容になるのでしょうか。
はい。動画編集ソフトの基本操作を学べる、入門書です。特に、これから動画編集をやってみようという初学者の方々が、2つのソフトを一度に学べてしまう1冊になります。
ーー学校で学ぶ人以外にも、どんな状況の初学者の方々に読んでもらいたい本ですか?
以前は、子どもやペットの動画を編集したい、思い出をまとめたいといった、趣味の一環で動画編集を行っていた方が多かったように思います。しかし最近では、仕事のため、お金を稼ぐために動画編集スキルをつけたいという人が増えてきています。
例えば、このような方々です。
副業もしくはフリーランスで、仕事として動画編集をしたい人
業務のなかで動画編集を行う必要に迫られた人
動画編集のスキルを身につけ転職したい人
こうした皆さんを対象に、商品やサービスの宣伝動画をYouTubeなどのインターネット上で公開したり、従業員向けの研修動画などを組織のなかの人に見てもらったりといった、“人に見せる”ための映像制作スキルが身につく1冊を目指しました。
本書を通して動画編集のスキルを身につけて、副業やフリーランスとして「仕事を獲得できるようになった」、会社員の方が「本業で評価されるようになった」という形になることを願っています。
ーー初学者の方が仕事に直結するレベルの動画制作ができるようになる、ということですね。とはいえ、初めて学ぶ方々には動画編集のソフトの操作は少し複雑な部分もあるかと思うのですが、何かわかりやすく学べる工夫はされたのでしょうか。
工夫した点としては大きく2つあります。1つ目は、これだけはおさえておきたい基本操作をしっかりと網羅したことです。
最初に動画の基本的なしくみを理解したうえで、Premiere Proではどんな画面が表示され、どのように操作していくか、そしてAfter Effectsではどうか、といったことを1つ1つ丁寧に段階を追って、読者の方々がつまづきなく学べるよう解説しています。
Premiere Proよりも操作が複雑で、作業の目的もさまざまなAfter Effectsでは、最初にどの目的にも共通するワークフローを示すことで、基本をしっかりおさえたうえで、実際の作業に入れるようにしています。
そして、工夫したことの2つ目は、2つのソフトの連携方法を解説していることです。
基本的に、After Effectsでつくった素材をPremiere Proに読み込んで書き出すことで動画は完成します。本書では、ソフトの操作をそれぞれ「Premiere Pro編」「After Effects編」として解説し、実際に素材を作ったうえで、「Premiere Pro & After Effects連携編」でそれらの素材を使った連携方法を紹介しています。2つのソフトの解説を1冊にまとめた、本書ならではの特徴だと思います。
1冊でPremiere ProとAfter Effectsを学べるのはこの本だけ
ーーちなみに、このようにPremiere ProとAfter Effectsを1冊で学べる書籍は、ほかにもあるのでしょうか。
私の知っている限り、動画編集の2大ソフトであるPremiere ProとAfter Effectsの2つの基本を1冊で学べる本は、この本だけです。
今、インターネット上には華やかでカッコいい動画が多く流れています。ただ、阿部さんは動画の編集の目的は「自分の伝えたいことを、相手に伝えることができる」作品をつくることであり、そのためには何よりも基本が大切だとおっしゃっています。
本書で、この「動画編集の基本」をしっかりと学んで、動画スキルをさまざまなところで役立てていただきたいと思います。そして、長く評価いただいている本書を、今後も長く愛される本としてさらに育てていきたいと思っています。
ーーどうもありがとうございました。
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