下呂で生まれ育った、私たち若者にできること。
「下呂には温泉がある。でも温泉しかない」
そんな言葉を何度も聞いてきた、
下呂で生まれ育った若者たちが中心となり、
まちやひとの魅力を再発見した1日を紹介します。
はじめに
遡ること9ヶ月前、弟と下呂のまちあるきをしたときのこと。
『生まれ育った下呂のことをもっと知りたい』
そう強く思うようになり、週末に東京と下呂を往復しながら地元のことを学び直していた。同級生たちと再会し、温泉寺にもお世話になり、まちの方に声をかけていただける機会も増えた。
そんな中で「沸く沸く下呂さがし」というイベントを企画した。
このイベントで伝えたかったこと。
・下呂温泉街を通じて、“温泉街で暮らす”ことを知る
・まちあるきを通じて、“まちの魅力”の変遷を辿っていく
・参加者との交流を通じて、“わくわくする将来”をさがす
純粋に1日を楽しんでほしいけど、それ以上に
地元をもっと好きになり、将来何か地元に関わりたいなと感じてもらえたら最高だなと。
当日は小中高の友人、大学の友人、社会人以降の友人など20名集まってくれた。
下呂から、高山から、岐阜から、関東から。
それだけでとても嬉しくて、楽しみだった。どんな化学反応が起こるのだろうと、わくわくしていた。
会場は温泉寺。下呂温泉の歴史は温泉寺から始まったとも言えるからこそ、この日を温泉寺で迎えたかった。快く会場をお借りさせていただき、沸く沸く下呂さがしがはじまった。
そのあとは湯之島地区・森地区・幸田地区のチームに分かれてまちあるきを開始した。
湯之島地区
幸田地区
森地区
わくわくする下呂をさがす
最集合してからは1人2枚、わくわくした下呂の写真を選び、チームで紹介し合った
その後は全体発表の場として、
参加者が見つけたわくわくした下呂を発表し合った
私たちが地元のためにできること
下呂には何もないと思っている人ほど、下呂を知らない。
下呂は面白くないと思っている人ほど、本当の楽しみ方を知らない。
下呂は温泉で有名な観光地だと思っている人ほど、温泉や観光が栄えた歴史やまちの人々の想いを知らない。
様々な地域課題がある中、根本である地域を“知らない”を、どうしたら変えられるのだろうか。
下呂の人と話すからこそ、下呂のことが分かる。
深く繋がっていくからこそ、好きになる。
若者が多く訪れるまちだからこそ、
若者が楽しいと感じる下呂を見つけ、伝えていく。
それができるのは、私たちだ。
私だけでは何もできないし、何も変えられない。最初はそう思っていたし、それは今も変わらない。でも少しずつ同じ想いを持つ友人が増えてきて、一緒に何かやってみようと手を取り合えるようになってきた。
私が、から私たちが、に変わってきた。
本当に嬉しくて、誇らしくて、幸せなことだ。
将来がどう変わっていくのかは分からない。でも、残したいまちとひとであることには変わらない。まずは私たちがそう思う必要があった。そして、これからはそう思う人が多くいる地元にしていかなければいけない。
地元を離れた私たちだけど、今は自分ごととして考えている。大変なんだろうな。だけど少し気が楽になった。
柔軟さと俯瞰的な視点で、正しい情報を選択する。
資金はなくても、発想力と行動力でカバーする。
人脈も信頼も実績もなくても、大人に頼ることはできる。
20代の若者だからこそできるまちづくりって、
そういうことなのかもしれない。
最後に花火を見ながら、そんなことを考えていた。
とても楽しかった1日だったけど、
それ以上に熱い気持ちを分かち合えた1日だった。
少しだけ泣いた。1人じゃなかった。
「私たちが地元にできることは何だろうか」
弟と下呂のまちあるきをして以降、ずっと悩んでいた。
悩んだ先にあるものが、ほんの少しだけわかった気がする。
近くにいても、遠くにいても、関係ない。
私たちが地元にできることは、この想いを持ち続けること。