肥料価格高騰、迫る食糧危機。下水道事業の「りん回収事業」が食糧安全保障の確保に繋がる。
日本は、肥料の大部分を輸入に依存していますが、現在、中国の輸出規制や露宇戦争の影響により、肥料の価格が高騰しており、食糧危機が迫っています。
岐阜市、鳥取市等の地方自治体は、下水道事業に於いて「りん回収事業」を行い、下水汚泥焼却灰から「りん酸肥料」と「セメント原料」を製造し、販売しています。
また、神戸市の下水道事業は、肥料や建設資材の製造だけではなく、汚泥処理過程に於いて発生する消化ガス(メタン約60%)をメタン約97%以上へと高度に精製し、天然ガス自動車燃料や都市ガス原料、発電用燃料として活用しています。
県庁所在地、中核市、政令指定都市、東京都等の人口が多い地方自治体は、りん酸肥料、メタンガス、建設資材の一大産地になり得る潜在能力があります。
下水道事業に於いて「りん回収事業」を行い、りん酸肥料を製造する地方自治体が増え、純国産の肥料の製造量が増えれば、循環社会に近づき、食糧安全保障を確保することに繋がります。
もし、循環社会、食糧安全保障の確保を望むのであれば、地元の市区町村議会議員、都道府県議会議員に、下水道事業に於ける「りん回収事業(りん酸肥料の製造)」を提案してみて下さい。
2022年4月27日、岸田文雄 内閣総理大臣は、経済財政諮問会議 に於いて、社会資本(インフラ)への「PFI方式」導入を推進する為に、関係閣僚に対し「アクションプラン」を策定するよう指示しました。(※ NHKの報道)
これまで、下水道事業は「臭い、汚い、カネにならない(儲からない)」の3K事業でしたが、今後は、金融機関、水メジャー、肥料メジャー、建設会社等に狙われる存在になる可能性があります。
今後は、下水道事業へのPFI方式、コンセッション方式を導入しようとする行政、首長、議員、財界、業界、学会、PPP/PFI 地域プラットフォーム の動きに要警戒です。
また、りん回収事業を廃止しようとする動きや、りん回収事業を売却しようとする動きにも、要警戒です。
■ 化学式
■ 「りん回収事業(りん酸肥料「岐阜の大地」の販売)」(岐阜市上下水道事業部 下水道施設課)
https://www.city.gifu.lg.jp/kurashi/suidou/1003348/1003354/1003355.html
■ 「下水道事業における発生汚泥の再生利用について」(岐阜市上下水道事業部)
https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/708/h30-3_shiryou1_s.pdf
■ 『リン回収で地産地消に貢献 ~「LOTUS Project」下水汚泥焼却灰からのリン回収技術~』(日本下水道新技術機構 / 2016年10月25日)
■ 「温室効果ガス排出削減に貢献 鳥取市・秋里下水終末処理場リン回収施設」(日本下水道新技術機構 / 2014年12月8日)
[web] https://www.jiwet.or.jp/publicity/quarterly/vol-7-no-18-2013-10-%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%8f%b7
[PDF] https://www.jiwet.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/n018-013.pdf
■ 「経営計画・プロジェクト等」(神戸市 建設局 下水道部 経営管理課)
■ 「下水汚泥等の有効利用」(福岡市 道路下水道局 下水道施設部 施設調整課)
■ 「のんほいユーキの生産及び配布終了のお知らせ」(豊橋市
上下水道局 下水道施設課)
https://www.city.toyohashi.lg.jp/32168.htm
■ 「下水道におけるリン資源化検討会」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000036.html
■ 「止まらぬ肥料価格の高騰に日本は耐えられるのか?」(Wedge / 2022年4月3日)
■ 「食糧危機が深刻化へ、肥料コスト高騰でコメの生産量減少の可能性」(Bloomberg / 2022年4月19日)
■ 「肥料高騰で問われる食料安全保障の本気度」(TBS / 2022年4月27日)
■ 『岸田首相「PFI」推進へ「アクションプラン」策定を指示』(NHK / 2022年4月27日)
■ 岸田文雄 内閣の「新自由主義からの転換」は衆院選用の芝居。実態は「デジタル田園都市国家構想実現会議」の構成員に竹中平蔵、野田由美子を登用。
https://note.com/gifu_water/n/nd0f5f50edea7
■ 日本の会計検査院が、PFI事業の不適切業務と、従来方式よりもPFI方式の方が割高であることを指摘。
https://note.com/gifu_water/n/n3fc77773f1e4
■ BISTRO下水道(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000449.html
■ 環境省 シンポジウム 『健全な水循環と新たな地域づくり』
「佐賀市下水道リノベーション(宝を生む施設)」(佐賀市 上下水道局 下水プロジェクト推進部 副理事 江頭聖司 / 2021年8月26日)
https://www.env.go.jp/water/project/project/symposium20210826/
< 重金属の除去 関連資料 >
■ 「汚泥肥料に関する基礎知識(一般向け)」(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/odei_qa.html
■ 「汚泥肥料長期連用水田における重金属の土壌蓄積」(農研機構)
https://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/seika/jyouhou/H14/to193.html
■ 「下水汚泥焼却灰から肥料用のリンを高効率で回収する技術を開発 -酸とアルカリの二段階溶出法で重金属等を除去し肥料化-」(西松建設)
https://www.nishimatsu.co.jp/csr/news/news.php?no=NTUy
< バイオマス 関連資料 >
■ 「ついに国の予算がついた…藻類バイオマスエネルギーで日本が本当に産油国になる日」(PRESIDENT Online / 2023年1月2日)
https://president.jp/articles/-/64850