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菜の花とはんぺんの春包み蒸し

居酒屋、歳を重ねると楽しみ方も変わってくる。
明らかに、楽しみに対するハードルが下がって、楽しみが増えてきた気がする。
また、楽しむ技術が上がってきているのも感じる。

さて、居酒屋です。
それほど頻繁に、いくわけではないけれど、たまにいくとしっかり楽しむ。
それ自体を楽しんでいるので、相手が誰か、やいくらかかるか、などあまり問題でない。
とにかく料理と酒をしっかり楽しむ、これが第一、そして会話など。
ん、なんか違ってる?

お通し、これは賛否があるが、僕は賛だ。
その店の特徴が出るじゃない。何かワクワク感が高まりません?
これはあんまりだな、と言うことももちろんあるけれど。

僕は、お通し占いをよくする。
これ、居酒屋がぐんと楽しくなるからぜひ取り入れてみてください。

やり方は簡単です、店に入ってビールなんかを注文して、お通しを待ちましょう。

お通しが運ばれてきたら、その場にいるみんながそれぞれ名前を考える。
一番しっくりくる名前をつけた人が優勝です。
え、占いは?
占い、と言う名前が付いているからと言って、占い、だとは限らないのだ。

できるだけ細かく名前をつけると個性が出ますよ。

例えば「菜の花とはんぺんの春包み蒸し」スタンダードですが、季節物を入れていて、その後の料理が期待できます。
「味噌煮込み風田舎どて煮」もともと味噌煮込みじゃねえか、とか言わない。
「蒸し焼き腸詰肉の柚子胡椒添え」ただのシャウエッセンだけどね。
「土ごぼうの酢味噌あえ」熱燗が欲しいなあ。
「わさび菜とにんじんの和風ナムル」わさび菜は使うだけで成り立ってますね。
「まずはポテサラをメシアガレ」ポテサラに自信がある店なんだねえ。
「半熟卵のへしこペペロンチーノソース」半熟卵は出てくるだけでご馳走感が。
「オリーブオイル岩塩冷奴掬い」かけただけなのにねえ。

こうやって、なんとなく場を繋ぐわけです。
「これなんて言う名前かなあ」とかなんとかつぶやいて、「初掘り筍とわかめの意味深煮、とかどう?」ときっかけを出せば、お通し占いは自然と始まります。

お試しあれ。

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