見出し画像

しばり短歌

目が覚めて開いた本を文字を追い栞をはさむだけの一日


路地裏で背伸びし覗く君と吾の顔をスマホが照らしていたり


とととととネギを刻んで母さんは何にも知らないふりをしている


図書室で見つけて鼓動早くなる貸し出しカードに手書きの名前


かけ布団よけてねむる子春は今99.9%


宇宙新時代到来オムレツの匂い地球の空に広がる


「この花の名前知ってる?」2歩先の君は夜風を背負ってすすむ


アルトゥール・ショーペン・ハウアー文庫版ひたいに乗せてひとみをとじる


ため息がジャングルジムの横にある一番星まで浮かんできえた


裸婦像と目が合い僕は立ち止まりふたつ数えてから目をそらす

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?