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沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

生まれも育ちも沖縄県。現在も沖縄県で暮らしています。
 小学校教師10年目、6歳、4歳、2歳、0歳の4人の子どもを育てる父親です。

 育児での気づきを教育に生かし、学校現場での学びを育児につなげることをモットーに日々奮闘しています。教育と育児のリアルな経験をもとに考えたこと、何かヒントになるといいな〜と思うことをお届けします。

 今回のテーマは『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎるを見た感想』です。


公式リンクを貼っておきます。気になった方はぜひクリックしてみてください♪

舞台はうるま市字具志川

 特に公式ページで明らかにしているわけではなさそうですが、このアニメで登場する背景が、うるま市の具志川という場所なのです。シンプルに話も、沖縄県の特徴を、やや大袈裟に捉えて、面白さを増し増しにしていく感じでとても楽しめます。
 それでけでなく、私は、幼いころからうるま市具志川で過ごしてきたので、馴染みを感じるし、懐かしさを感じる背景を楽しむこともできています。

物の見方や考え方の学びになる★

 これは、沖縄で暮らしていて、さらに、ある程度沖縄の方言がわかる大人こそ面白さを何倍にも感じることができる物語となっていますが、物の見方や考え方の学びにもなります。

 ここからややネタバレを含みますので、気になった方はAmazonプライムビデオなどで4話までみてから、この先をお読みください。

チョンダラーの役割

 場面はエイサー祭りです。エイサーというのは、沖縄の夏の風物詩です。元々は先祖の供養のための踊りだとか、沖縄に伝わった浄土宗の念仏と、在来の舞踊がMIXされて伝わってきたなどの起源説がある伝統芸能です。今では、ミュージカル風に発展したものもあります。全県的に愛される踊りへと発展したもので、知名度は全国的にも広がっています。
 その中でも、『チョンダラー』に関しては、大太鼓や太鼓の演舞と比較するとまだ知名度が低いと思いますが、4話では、主人公が好きになった方言ガールのひーなーこと喜屋武飛夏(きゃん ひな)さんが『チョンダラー』を演じているのです。
 その『チョンダラー』とは、エイサーの中で多くの役割を持つ、道化師のような見た目をした演者のことです。その土地によって衣装も違いますが、基本的には、やや肌色と少し暗めの色の縦縞模様の着物を着ています。クバという植物でできた扇子を持ち、紐で編み込まれたちょんまげの被り物を頭に被り、ステテコにふんどしをつけて、首からクバ笠という帽子を下げています。最後に重要なのは、顔の白塗り化粧です。

チョンダラーのイラストです。

https://illust.okinawa/k-event/e55.html

役割を簡単に説明します。
・音頭をとりながら、観客を盛り上げる。
・演舞の進行。
・踊り手を鼓舞する。(指笛を吹きながら)
・隊列を整える。
・衣装を整える。
・踊り手の汗を拭く。
・踊り手に水を配る。
・折れた太鼓のバチを交換したり、落としたバチを拾ったりする。
・道ジュネーと呼ばれる、エイサーをしながら町中を歩いて回る演舞の際は交通整理も行う。
・暗くなってきたら、照明をつけて踊る人たちの安全な演舞を支援する。
そのほかにも様々

『あまり踊りが上手じゃないからチョンダラーなのかな』

 主人公のてーるーこと中村照秋(なかむらてるあき)がぼそっと呟いた一言です。大太鼓やパーランクーと呼ばれる小太鼓などの華やかさに魅了されるてーるーでしたが、どうして自分の好きな喜屋武さん(ひーなー)はなんかヘンテコな衣装で踊っているんだろう?と疑問に思います。
 『あまり踊りが上手じゃないのかな?』
と呟くのですが、もう1人のヒロインの比嘉夏菜さん(かーなー)の妹たちにそれは違うよと言われます。

『ひーなーねぇねぇは、やることいっぱいあるんだよ。いろんなところに目配りをして、たくさんの仕事をしているんだよ。指笛もとっても上手。お客さんもたくさん盛り上げる。』

 そこで主人公のてーるーは、はっとします。転校初日に誰とも話せずにいた自分の様子をみて、明るく声をかけてくれたこと。いつでも、周りの様子をみながら、明るく振る舞ってくれていること。映像をみていると、ひーなーが太陽にも天使にも思えるような、すてきな沖縄ガールなのです。
 私はみていて思いました。

『ひーなーじゃないとできない!!』


 全国各地で様々な伝統的な踊りがあります。私が現地で見たもので、最もヘンテコだと思ったのは、宮崎県日向のひょっとこ祭りです。

軽快なリズムに合わせながらでしたが、初見の私には、見た目も踊りもやってみたいとは言えないものでした。きっとてーるーもエイサーのチョンダラーに似たような思いを持ったのでしょう

http://www.hyottoko.jp/

 3年生の道徳の教科書に『きつね踊り』というものも出てきます。

道徳のお話の主人公も、地元の伝統であるきつね踊りに初めは、好意的になれないのです。この踊りに込められた想いや願いを知ることで、自分もやってみよう。という思いになるのです。

https://www.himeshima.jp/kankou/festival/bon-odori/

上で挙げた例に共通することは、一見するだけでは何も良さがわからないということですね。そこに込められた願いや思い、受け継がれてきた心などに目を向けて、その事柄をよく知っている人から話を聞いてみて、良さがほんの少しわかってくるということです。
百聞は一見にしかずと言いますが、聞くことで初めて見方が変わってくるものもあると思います。そもそも一見した後に、一聞することが、その事柄を『見た』と言えるのではないかと思うほど、その想いや願いを聞くことは重要だと思います。

一見ヘンテコに見えても……

 長々お話ししてしまいましたが、一見ヘンテコに見えるものでも、立派な想いや願いを持ち、それが、ものによっては先祖代々受け継がれてきたり、長い時間をかけて熟成されてきたものであったりするということです。
 沖縄の方言も、一見するとヘンテコな発音だと思うことは山ほどあります。でも、言葉の意味や成り立ちを知ったり、沖縄の人たちの紡いできた歴史を学んだりすることで、良さや温かさを認識するものだと思います。

沖縄の方言に『さようなら』に該当するものがない。

 この話を初めて聞いた時に、『やっぱり沖縄っていいよなぁ』と心から思いました。もしかすると、いずれ、『さようなら』に該当する方言がないというエピソードも『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』でも扱われるかもしれませんね。
 もしかすると、アニメではなく、原作の漫画の方ではすでに扱われているかもしれません。漫画が気になってきました。購入しようかなと思いました♪

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