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【アドラー心理学】子育て原則#5~決まりを守る一貫性と柔軟性のバランス~

はじめに
 
アドラー派の理論では、親の態度が子どもに大きな影響を与えるとして、下記のように子育ての6つの原則が示されています。

 ①子どもの個性を伸ばせるように関わる
 ②子どもの話をよく聴く
 ③子どもと共有する時間を有意義に使う
 ④適切な助言をする
 ⑤一貫した態度を取る
 ⑥脅さない

 これらの子育て原則を、ひとつずつ解説していきます。
今回は、⑤一貫した態度を取る についてお話します。

 子どもたちが社会で成熟し、幸せな人生を送るために、親は決まりを守る一貫性と柔軟性のバランスを取ることが不可欠です。そこで今日は、子どもとの関わり方において重要なポイントをご紹介します。


1.家族から学ぶルールと社会性

 まず、子どもが家族から最初のルールや社会性を学ぶ重要性を考えてみましょう。例えば、約束を守ることや責任を果たすことがその一例です。子どもがこれらのルールを学ぶことで、社会での行動や関係性を理解し、成長していきます。

2.一貫性と柔軟性のバランス

 ただし、一貫性だけを追求するのではなく、柔軟性も育む必要があります。子どもが成長する過程で、新しい経験や状況に対応する能力を身につけるためには、柔軟性が欠かせません。例えば、予定外の友人の訪問や急なイベントの参加など、予期せぬ出来事が生じた場合、柔軟に対応することが求められます。時には、厳格なルールを破ることで、新たな視点や価値観を学ぶこともあります。親は「特別」な状況をうまく活用しながら、子どもの成長に寄り添い、柔軟性を促進することが重要です。

3.親子の駆け引き

 決まりごとから逃げたい子どもは親と駆け引きをしようと試みます。子どもは親の行動や反応を注意深く観察し、時には「特別」な状況を利用してみようとします。しかし、親がそのような状況に一貫した態度で対応することが肝要です。例えば、子どもが寝る時間を過ぎても起きていたいと主張する場合を考えてみましょう。

〈一貫性が無い関わり〉
母親「もう寝る時間でしょ?」
子ども「明日休みだからいいじゃん。まだ遊んでいたい。」
母親「そうね‥‥‥。」
子ども「今日は遊びたいから。今日だけお願い!」
母親「わかったわ!今日だけよ!」

〈一貫性を守る関わり〉
母親「もう寝る時間でしょ?」
子ども「明日休みだからいいじゃん。まだ遊んでいたい。」
母親「明日はお休みだけど、もう寝ないと明日起きる時間が遅くなっちゃうよ?今日は早く寝て、明日思いっきり遊んだほうが楽しいと思うよ!」
子ども「うん。そうだね。寝る。」

 このように、親は子どもとの交渉を通じて、寝る時間を守ることの重要性を伝えながら、同時に子どもの要望にも耳を傾けます。しかし、一貫性を保つためには、寝る時間を守るという基本的なルールから逸脱することは避けなければなりません。親はこのような場面で、決まりを守ることの重要さを子どもに理解させる必要があります。

最後に
 
最後に、子育てにおいて重要なのは、親が自らの行動で良い例を示すことです。親が一貫した態度で決まりを守り、柔軟に対応する姿を見せることで、子どもはより良い社会性を身につけるでしょう。

 子育ては決して容易な道ではありませんが、一貫性と柔軟性をバランスよく取り入れながら、子どもと共に成長していくことが大切です。

 他の5つの子育て原則も参考にして下さい。

 ①子どもの個性を伸ばせるように関わる
 ②子どもの話をよく聴く
 ③子どもと共有する時間を有意義に使う
 ④適切な助言をする
 ⑥脅さない

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