中学受験算数に必要な「計算力」
中学受験算数の学習では、難しい問題を試行錯誤を繰り返しながら考えることによって思考力がついてきます。
今年中学受験した息子に3年間伴走してきた感想です。
いくつかの解き方を頭の中で思い浮かべ、問題により最適な方法を選択するようになります。
複雑な問題では、いくつかの解法を組み合わせて解いていきます。
このように思考力はとても大切ですが、その前提が計算力にあることは言うまでもありません。
計算力が思考の効率性を決めるからです。
計算力が低いと効率が悪くなるだけでなく、問題が進まないことにストレスを感じてしまい、苦手意識につながりかねません。
計算力は日々のトレーニングによって鍛えることができます。
反対に、毎日続けないと落ちていきます。
中学受験算数では、日々計算力を鍛えながら、思考力に磨きをかけていく必要があります。
算数男子だった我が家の息子は、横から見ていると、最低限の式は書きますが、途中の計算をほとんど書かず、いきなり答えを書いていました。
途中式を省略せず、一つ一つ書いていった方が確実である上、見直しも楽なのに…。
そう思っていましたが、息子なりのやり方があるようなので、変えさせることはしませんでした。
ここでいう計算力は、単に計算する速さとは少し違います。
分かりやすい例で考えます。
例えば、25 × 28 =
瞬時に答えが出るかどうか。
頭の中で次のように考えます。
25×28
=25×4×7
=100×7
=700
25という数を見た瞬時、4倍すると100、あるいは100倍して4で割った数と認識します。
25×4×7、あるいは、2800÷4 の形に脳内変換します。
決して25×28の筆算を頭の中でやろうとはしていません。
計算し始める前に、「いかに計算しないか」を考えているといえます。
簡単かつ楽に計算できる方法を常に考える発想です。
つまり、計算力を鍛えることが思考力につながるのです。
25は一つの例ですが、75や、125、375、625、875なども同じようなシリーズです。
平方数(同じ数を2回かけた数)も中学入試のいろいろな場面で出てきます。
以前ブログにかきましたが、息子は独得なやり方で2けたの平方数を身に付けていました。
計算問題ばかりではありません。
図形問題では、15、30、45、60、90や、108、120、135、150という角度の数字がよく出てきます。
よく出てくるのには理由があります。
決して、「たまたま」その数字になっているわけではありません。
数字の特徴や意味をつかんでいないとうまく答えにたどり着けないようになっています。
ゴリ押しして力技で計算するのは得策ではありません。
時間がかかるうえ、複雑な計算を繰り返すことで途中で間違える可能性が高まるからです。
計算の問題集やドリルをやるときに、いかに楽になる計算方法を意識しながら解くかがキーになります。
そうやって日々練習を繰り返すと、数字の特徴をイメージできるようになり、その特徴を利用することにより最短距離で答えにたどりつくことができます。
最短距離で進むということは、計算プロセスが少ないことを意味しますので、計算間違いをする確率も低くなります。
つまり、速く正確に解けるようになります。