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通塾するほど、復習する時間がない!

下剋上受験で有名な桜井信一氏が、産経新聞で書いている連載「攻める中学受験」のある回の記事について取り上げたいと思います。

<記事の概要>
保護者からすると、週に3、4回くらい塾に通わせないと割に合わないと思うかもしれないが、塾での授業や演習がない日は課題(宿題)がある。
そうした状況をみて「いつ休むの?」と思ったらそもそも中学受験に向いていない。
「理解した」と「解き方を覚えた」ことは違っていて、解き方を覚えただけでは、しばらくすると忘れてしまう。
いつ復習するの?」と気付く親だけが、「苦行」から抜け出すきっかけを見つける。
できない、わからない、となると、やる気が出ず、中学受験が「苦行」になっていく。
同じ単元を何度も習う「スパイラル学習」だから安心、と思うのは大きな勘違い。
一度習った単元が次に顔を出す時は、(特殊算や図形問題など)パワーアップしているため、理解できるのは基礎を完全に把握している子だけ。

<コメント>

学年が進み、スパイラルを繰り返すたびに、出来る子と出来ない子の差がどんどん開いていくのが現実だと思います。

理科や社会は忘れていたらまた覚えればいいですが、算数は積み上げなのでそうもいきません。

自分のものになっていないと、時間の経過とともに、「元の木阿弥」状態となり、ふり返っているうちに、出来る子はどんどん先に進んで行ってしまうことになります。

息子の通った塾(SAPIX)では、定期的に、組分けテストという、「範囲指定のない」実力テストがありました。

「特に範囲指定はない」とされていましたが、本当に「ない」わけではなく、対象は、「それまで習ったこと全て」。

実力テストだから「特に何の準備も要らない」わけではありません。

「範囲が広すぎで準備できない」という見方があるかも知れませんが、実力テストだからこそ、出来る限り、最大限の準備が必要だと思いました。

ただし、それまで習った範囲は累積的にどんどん増えていくので、万遍なく、全て見ることは現実的ではありません。

以前やった単元をどこまで復習させるかは常に悩みの種でした。

以前の定期テスト(範囲指定あり)で間違えた問題の解き直しだけでなく、以前やった単元の中から、これはと思う問題をピックアップして集めた「想定問題集」を自作したこともありました。

範囲が指定されているテストで点が取れていても、実力テストになると点が取れないのは、身に付いていない証拠。

基礎的なところを忘れているか、基礎はわかっているものの、応用が効かない状態にあることになります。

ここは徹底的に原因を分析して対策を行う時間を確保しないといけません。

特に間違えた問題の中で、正答率が高いものが含まれている場合は最も優先度が高くなります。

例えば、SAPIXの実力テスト(算数)で正答率60%以上の問題を確実に取れれば、それ以外の問題が全くできなくても平均(=偏差値50)に達します。

難関中を目指す受験生であればこのレベルはまず間違えませんので、まずここで落としていないかが大きなチェックポイント。

逆に正答率が1割以下といったような難問については、最も優先度が落ちます。

実力テストで問題があぶり出されてくる都度、正答率をみながら、原因分析と対策を考え、一つ一つ潰していく…。

華麗な勉強法とはいえず、全く「攻めてる」感じがしませんが、そんな地道な方法しかないと思いました。


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