そこそこ読書 がんをやっつける40℃スープ 医師が考案した最強の抗ガンレシピ 福田一典 著
内容はスープのレシピを紹介する本だが、特徴として抗がん効果を全面的に紹介をしている事だ。抗ガン作用の仕組みを解説しているがイラストが多く堅苦しい説明が無いので非常に理解しやすい。
癌にはアブラナ科の野菜に含まれる成分とそれを分解する酵素が効果的であるようで、レシピのほとんどはアブラナ科の野菜が主役として使われている。ちなみにアブラナ科の野菜とは、ブロッコリー、チンゲン菜等である。
私の勝手なイメージではこういったレシピの本は健康全般について紹介しているものであり、当然スープの種類も使われる食材も多い。冷え性等にきくとか、ジャガイモを使ったレシピのような分類の仕方をしているものであると。
しかし、抗ガン効果を徹底してプッシュしているためかアブラナ科の野菜がほとんどであり、レパートリーなどは必然的に少なくなっている。
手軽さも魅力の一つであるが、どういった需要があるのだろうか考えてみよう。
私は癌の治療と言われれば放射線や抗がん剤など直接癌を叩くイメージが大きい。しかし、考えてみればそれだけが癌との付き合い方ではない。再発の予防、治療に伴う体力の低下の補助、場合によっては完治を目指すのではなく症状を抑えていくという事も現実としてはあるだろう。
薬や治療を行う専門家だけが自分の体に気を遣う訳ではない。どうあっても自分の体である。癌に限った話ではないが、自分自身がどんな形であれ関わってくるのである。付き合いの形は運動や睡眠等も挙げられるがその一つとして食事がある。つまり何をどのように調理して食べるのかという事が非常に重要になってくる。
筆者の福田先生は現役の院長であり漢方や代替医療を実践している方である。需要があるかどうかというよりも、この方だからこそ出来上がった本であるという理解が出来た。
改めて書くことではないかもしれないが、これを実践したからと言って癌にならない訳ではないし、病気になったときに食事だけで解決できるとは安易に考えない方がいいだろう。
体調がすぐれなければ早めに病院で診察をしてもらい、場合によってはお金や働き方の相談もきちんと行う必要が出てくる。あくまで付き合いの一つの形である。