見出し画像

丸ごとブロッコリーのレミさん


平野レミさん、と言えば、どんなイメージをもつだろうか?

料理家?
おしゃべりなイメージ?
万能フライパンのレミパン?
それとも息子さんの奥さんが上野樹里さん?

私はなんといっても、丸ごとブロッコリー。

当時NHKのあさイチを見ていた私は、
その斬新?なレシピと竹を割った性格に、
なんだこの人は???と
頭の中がハテナでいっぱいになった。

最近、ほぼ日通信WEEKLYを読んでいるのだが、
その中でたまたま見かけた
平野レミさんのインタビュー。

彼女のエピソード、
じつはシャンソン歌手でデビューしようとしたが、カモネギ音頭を歌わないといけなくなって、それが嫌で、歌手になることをスパッと辞めたetc…が面白く、
また、その時思ったことを
スパッと正直に答えていて、
読んでいるこちらが爽快な気分になったかと思えば、
ご両親や旦那さんとの死別では、
月日が経った今でも悲しみは消えないという、
深い寂しさを抱えながら生きておられる。

その人柄をもっと知りたい、
と思いこちらの本を購入してみた。

一つ一つのエピソードや言葉は短いのだが、
心に響く、なんだか勇気づけられる言葉が
沢山あった。

そして、気になっていた、
ブロッコリーのレシピのエピソードがこちら

ブロッコリーって料理になるといつもバラバラになって出てくるでしょ。
たまには敬意を表して、ありのままの姿にしてあげたら、ブロッコリーも喜ぶんじゃないかと思って。そういう思いで、NHKの「平野レミの早わざレシピ!」で作った「まるごとブロッコリーのたらこソース」ができた。で、立たせたところまではいいんだけど、できあがり!ってときに、倒れちゃった。生放送だからやりなおせないし。そしたらネットで「放送事故」って笑いものにされたの。でも、どうでもいいことじゃない?立ってるものはいずれ倒れるでしょ。
形あるものは壊れるのと一緒。私にとってはなんでもないこと。「あ、倒れちゃった」でいいと思うんだけど、なんでか、みんなの関心を集めちゃってね。人の不幸は蜜の味だったのかな。その日、八百屋さんのブロッコリーが売れまくったって。

私のまんまで生きてきた。

放送事故と言われても、
「立っているものはいずれ倒れる」
と言い切ってしまう、いさぎのよさ!
なんだか心がスカッとした。

いつもクヨクヨ、ネチネチ、
仕事の事や人間関係で悩んでいる私。
レミさんに一刀両断してもらいたい気持ちになった。

こちらも、わたしにとっては目から鱗。

好きなことが見つからず悩んでる子が多いみたいだけど、そういうときは、
嫌いなことぜ~んぶやめちゃうといいわ。
それで残ったことが、きっとあなたの好きなことよ。

私のまんまで生きてきた。

「そうだよな〜」とうなづきつつ、
嫌なことも我慢してやることが当たり前に
なってしまっている私。
自分のまんまで生きることの指針を
レミさんは見せてくれているのだけれども、
まだまだ私には難しそうだ。

まずは、悩んだ時、
「レミさんならどうするだろう、どう思うだろう」
と自分の心に小さなレミさんを
置くことから始めてみようか。
そしたらそれがいつの間にか、
自分の考えとして定着したりして。

他には、夫婦のエピソードにはこんなものも…。

和田さんは、私にはほんとうにやさしかったです。テーブルに飾ってある和田さんの写真を見て、私は毎日、「和田さん、ありがとね、私と結婚してくれて、ほんとにありがとう」と言ってます。
それからね、和田さんに毎日、おいしい、いいお茶を淹れてるの。
ちょっとぬるくして、夫婦茶碗で私と二人分。「はい、お父さん、かんぱーい、カチーン」って、写真の口もとに持っていくの。

私のまんまで生きてきた。

旦那さんは口数が少ない方だったみたいだが、
レミさんとの相性はバッチリだったみたいで。
何年連れ添っても、
「結婚してくれてありがとう」
と言える関係に、とても憧れる。

そんなこんなで、
家族の話や料理の話、夫婦の話など、
悩みにズバッと答えてくれたり、
面白エピソードがあったり、
共感する話があったり、
とても素敵な本だった。

この本を読んだ私の結論としては、
レミさんは、私の中では
「丸ごとブロッコリー」の人だったが、
インタビューや本を通して
その人柄を知ったことで、これからは、
「心の師匠」
と勝手に呼ばせてもらおうと思う。


そして、インタビューやエッセイは
表面的にしか知らなかった人を
深く知ることができ、
その人の考えが、心の支えにもなってくれる。
これからも、たくさん読んでいきたいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集