雨夜(あまよ)
雨の孤独はあたたかい。
冬の寒い日には、特にそう。
粒は地面を漂いながら、光る。
アスファルトの黒さが好きだ。
一瞬の王冠を見ようとしゃがんではみるも。
一瞬は一瞬だった。
金曜の夜の動きは、静かだった。
見えないが愛おしいのは、このことなのかもしれない。
こんな日のイルミネーションは半分だけ。
きっと半分だけ。
約束を破った代償は僕の両腕だ。
でも、肩は無事。
なんだか寂しいのは、寒さのせい。
雨の日には指揮者になってみる。
孤独だからね。
僕とオーケストラだけの空間。
僕はぶつかりそうになった。