『富安健洋』フィジカル分析
今回は日本代表でもあり現アーセナル(※2024年9月)のディフェンダー富安健洋のフィジカル分析・動作分析を解説します。
富安健洋
1998年11月5日生まれ
福岡県福岡市出身
188㌢
84㌔
【富安健洋は幼い頃から大変優秀な選手だったようで過去バルセロナのジャパンアカデミーに所属しておりました。その際本国のアカデミーにスカウトがあったようです。】
【YOUTUBE引用】
富安健洋の特徴
両足のボールコントロール能力
スピード
ポジショニング能力
組織理解力
一対一の強さ
複数ポジションをこなせる能力
もっと細かく記載することが出来るほど富安健洋という選手はサッカーIQとアスリート能力が高い選手であります。
アスリート能力の高さで言えば1対1の場面で非常に卓越した能力を発揮する選手です。
一体それはどのような能力かと言うと”相手と重心地”を合わせる能力です。
人間の重心地は丹田と呼ばれるおへそ辺りに位置にしています。ここを重心として置き身体をコントロールすることを基本としています。
身体のコントロールをより上手くするには条件があります。それはインナーユニットと呼ばれる腹横筋、横隔膜、骨盤底筋、多裂筋が不具合なく機能していることです。そして脱力です。脱力とは力を余計に入れない作業です。インナーユニットを効率的に扱う為には余計な箇所に力が入っていない事がとても重要となります。
富安健洋の動作分析を行うと末端である手の指先が力み過ぎていないことが見受けられます。その為肩関節周辺が可動しやすくなっているので体幹を使いやすく重心地が正しく機能していると考えられます。
下記動画を見ていただく分かりますが、相手選手と対峙している際相手と上手く重心地を合わせられています。
構え方は軽く骨盤後傾気味、または腰部屈曲を起こし対峙しています。
骨盤後傾になると不安定になりすやくなります。そのため細かな1メートル以内のアジリティの素早さが生まれます。
ですが、これアスリート能力であり富安健洋が足が速いからこそできる能力の一つです。
本来ではあれば骨盤前傾で走ることによって、”走る為”の筋機能がフル稼働します。ですが富安健洋は要所要所骨盤後傾気味で対応しております。
これは想像するに能力が高い相手選手を対応するためにこのような体制を取るようになったと考えられます。まさに富安健洋ならではのアスリート能力です。
下記、富安健洋が対峙した選手との重心地の合わせ方を確認してください。
【YOUTUBE引用】
上半身の機能
富安健洋の上半身の機能はとても優れています。
それが顕著に表れているのがダッシュした時の動きです。下記動画では40秒~50秒/56秒~1分/を確認してください。
ダイナミックかつ早い腕の振りをしています。
ここで一旦人間の構造的な話をさせていただきます。人間の身体は前に進む際足を使い前に進みます。それに伴い自然と腕を振っています。
その場で立った状態と行うと分かりやすいですが、動かさず足を歩行時のように動かすと腕が振られます。腕を歩くように振ると足が自然と振られます。このように人間は足と腕で推進力を高める現象を起こしています。
その為腕の動きが早ければ構造的に足をより回転せようとします。これを上手く行っているのが富安健洋です。
腕の回転率を上げるためにはスピードが必要です。スピードを上げるためには脱力が必要な要素であります。動画で確認する限りではありますが富安健洋は指先と腕を適度に脱力をさせて高速に腕を振っています。また腕の引きに注目してみてください。
富安健洋は特に腕の引きの動作が素晴らしいです
腕の引きの動作は広背筋が主導筋とされされています。
ダッシュ時には広背筋の収縮と同時に臀筋の収縮が行われます。そして腸骨の反応が入りが骨盤を安定させます。
富安健洋の場合は広背筋がとても発達しております。その要素もありダイナックな腕の引きは広背筋の出力の高さが理由として考えられます。
筋肉の中でも大きな箇所である広背筋と臀筋を上手く活動させられているからこそ素早い足の回転率が生まれます。そして移動距離がありますのでそれがエネルギーとして加わりパワーとなり当たり負けないフィジカルが備わったと考えられます。
【YOUTUBE引用】
富安健洋ケガ
富安健洋はケガが絶えないと印象持っている方は多いのではないでしょうか。こちらでは富安健洋がケガを起こしてしまう理由を考察させていただきます。先ずは下記動画を確認してください。
特に左足です。左に落ちているようにも見え膝へ負担が掛かっているような動き方をしています。
【YOUTUBE引用】
下記動画49秒~53秒を確認してください。
こちらもやはり歩行時に左足が落ちております。
【YOUTUBE引用】
続いてはジャンプ動作です。
下記動画を確認してください。ジャンプスクワットの動作です。
先ずはジャンプ前とジャンプ後の膝関節の動きです。左足は上手く固定されていますが、右膝はジャンプ前後では不安な状態となっております。膝は固定関節です。これを考察するに体幹部、股関節、足部の不具合によって膝の不安さを生み出していると考えられます。
次は肩です。
ジャンプ後の肩の位置を確認してください。
ジャンプ中に右肩が回転しております。これは確認するに左が軸になりやすくなっており、その影響によって上部が回転しやすくなっていると見受けられます。
これで一つ分かることは股関節周辺の筋肉群がかなり差異があるということです。
【YOUTUBE引用】
違う角度から歩行を確認します。
下記動画4分~確認してください。歩行に差異があるだけではなくサッカー選手特有のO脚の足です。富安健洋場合は他の選手に比べ強めのO脚です。
トレーニングの疲労の影響によって歩行はふくらはぎが主動となっていると確認できます。
【※疲れている状態ほど筋の強い箇所弱い箇所が顕著に表れます。】
また、内転筋の出力と臀筋の出力が低下しております。
これはハードなプレミアリーグを戦いに抜くための筋が足りていない可能性があります。そのため股関節屈曲が若干入りハムストリングスにテンションが掛かっている状態となっております。
疲労時の歩行で分かることは中心に力が入りにくい状態であると見受けれます。
【YOUTUBE引用】
下記動画の横ステップをご確認ください。
横ステップの場合は骨盤の引き上で行われます。本来は腹横筋の機能と腹横筋の収縮、内腹斜筋が機能しています。が、富安健洋は背中が引き上げています。
また背中を注目すると特に多裂筋と脊柱起立筋群が張っていると推測できる横ステップのフォームです。
体幹部がフル稼働できていないと思われます。
#冨安健洋 ボールを使った練習実施! (youtube.com)
【YOUTUBE引用】
総合的な判断として分かった事は骨盤周辺筋肉群の強弱がはっきりしているのではないかということです。
・腸骨筋に左右差がある可能性あり。
・内腹斜筋の筋の出力が弱い可能性あり。
・外肋間筋が固く腹式呼吸の膨張と収縮が上手くできない可能性あり。
・内転筋群を機能させる際に外旋させながら内転筋を機能発揮させにくい可能性あり。
・臀筋のフル稼働できない可能性あり。
・ふくらはぎと肩周辺の脱力が上手くできない可能性あり
フィジカル分析・動作分析を行いこのような見解となりました。
基本は脱力動作を取り入れながら筋の伸張を狙うトレーニングが必要ではないかと思った次第です。
※勝手な見解です。
足は長く、足が速い。また86㌔ほど体重があります。これらが揃うと強力なエネルギーとなります。このエネルギーを対応するためには耐えうる筋力がバランス良く発揮しないといけないです。が、富安健洋それらを耐える筋力のバランスが崩れているかもしれないです。
勝手な見解ではありますがもう少し身長が低かったらここまでケガ増えていなかったと考えれます。それほどアスリート能力が高い選手ということです。
だからこそ一つ一つ丁寧かつ細かなトレーニングが必要であると今回のフィジカル分析で改めて感じ取ることができました。
日本の宝である富安健洋の今後活躍、そして少しでも故障リスクの軽減ができるように遠くから祈っております。
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