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仁義なき戦い 完結篇(1974)◆シリーズ5作目◆
仁義なき戦い 完結篇(1974、東映、98分)
●監督:深作欣二
●出演:菅原文太、北大路欣也、松方弘樹、野川由美子、桜木健一、山城新伍、伊吹吾郎、田中邦衛、宍戸錠、金子信雄、小林旭
完結篇ということで、全体的なムードとしてはヤクザの衰退というものを感じさせる作りになっている。
広能(菅原文太)は網走刑務所へ収監されたためほとんど登場しない。
武田は天政会なる政治結社を作り、またその中での派閥争いが起ころうとしていた。
『代理戦争』、『頂上作戦』ではカッコよかった武田も若干白髪交じりになり古い世代という雰囲気。
そんな天政会の寄り合いではみんなでスイカを食べているところが面白い。
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今作では北大路欣也は松村という天政会の理事長という役で出ており、宍戸錠が大友勝利役で出ている。
松方弘樹(3役目)は今回は市岡という広能の舎弟分を演じていて、これまで彼が演じたドッシリ構えた親分的なキャラとは異なりなかなか凶暴な役柄だった。
これまでのような広島と呉とか神戸とかの大きな暴力団組織が縄張りを広げるために全面抗争をするというよりも、天政会という寄せ集めの集団の中での派閥争いに終始しており、社会に追い詰められたヤクザたちがいかに生き残るかということがテーマになっている。