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少年メリケンサック(2008)

少年メリケンサック(2008、「少年メリケンサック」製作委員会、125分)
●脚本・監督:宮藤官九郎
●出演:宮崎あおい、木村祐一、勝地涼、田口トモロヲ、三宅弘城、峯田和伸、ピエール瀧、佐藤智仁、波岡一喜、石田法嗣、広岡由里子、池津祥子、児玉絹世、水崎綾女、細川徹、我孫子真哉、チン中村、村井守、星野源、田中馨、伊藤大地、浜野謙太、田辺誠一、哀川翔、烏丸せつこ、犬塚弘、中村敦夫、UG、JAPAN-狂撃-SPECIAL、遠藤ミチロウ、仲野茂、日影晃、佐藤一博、平間至、箭内道彦、ユースケ・サンタマリア、佐藤浩市

既に解散していたパンクバンド少年メリケンサックを「発掘」してしまったレコード会社のかんな(宮崎あおい)がマネージャーとなり、ダメオヤジと化した彼らをまとめ上げライブツアーに乗り出す最中で起こるドタバタを描くといったコメディ。

短いコントをストーリーとしてつなぐような感じで、あまり山場はないままドンドン映画は進んでいく。

確かに"中年パンクバンドを題材にした映画"におけるクライマックスって何だ?という感じなのでこんな仕上がりになるのは仕方がないのかもしれない。

最初はなんかウザい演技をしているなと思っていた宮崎あおいが、だんだんと可愛く感じてくるのはやはり本人の持つ魅力なんだろう。

牛の糞を投げつけられたり、秋夫(佐藤浩市)に蹴られたりけなげに奮闘している。

揺れるワゴンの中でメンバーたちがエロ本を見ながら胸が揺れるように見えると喜んでいると、ジミー(田口トモロヲ)がかんなの胸をじっと凝視するも「揺れませんが!?(怒)」とキレられるシーンはしょうもないけど笑った。

演奏シーンではなく、こんなワゴンの中とか道中のコンビニとかでのしょうもないやり取りがこの映画の肝だと言える。

途中アニメーションが出てきたり凝った演出もあるが、このしょうもなさだけにフォーカスしたシンプルなロードムービーにしてもよかったかもしれない。

少年メリケンサックの歌う「ニューヨークマラソン」はピストルズとラモーンズを混ぜ合わせたような、れっきとしたパンク。

回想シーンで出てくる少年アラモード(演:ほぼ銀杏BOYZ)の追っかけファンを笑顔で殴りながら剥がすマネージャーのピエール瀧には笑った。

ちなみにマッシュルームヘアのピエール瀧はジョニー・ラモーンに似ていた。

少年メリケンサックが対バンするGOA(演:ほぼSAKEROCK)の曲はナンバーガールみたいだった。

この時気づいたけど、秋夫が着ている革ジャンの背中が「PANK」(いちおうAはアナーキーマーク)。

マサルが歌う「行かないでー車に乗らないでー」のクソ歌をBGMにしながらかんながタクシーに乗るシーンとか、マサルの浮気で別れた後、車の中でかんなが号泣しながら、みんなで「サクラララ」を煽るように合唱するところも面白かった。

エンディング、ねらわれた学園(峯田和伸と向井秀徳によるユニット)が歌う「守ってあげたい」がイイ。


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