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麻雀放浪記(1984)
麻雀放浪記(1984、角川春樹事務所=東映、109分)
●原作:阿佐田哲也
●監督:和田誠
●出演:真田広之、鹿賀丈史、加藤健一、名古屋章、高品格、加賀まりこ、大竹しのぶ
まだ麻雀にリーチがなかった時代の終戦直後から始まる。
オープニングのジオラマと映画中盤の真田広之と加賀まりこが歩くシーンの合成は明らかに分かってしまうものの、名古屋章や高品格、大竹しのぶらキャスト陣の顔立ちや落ち着いたカット割りなどから本当に50年代、60年代の映画のように見える。
ただし坊や(真田広之)だけは80年代のルックスであった。
麻雀放浪記というタイトルだけど、麻雀そのものを深く掘り下げてはいない。
麻雀そのものというより麻雀のイカサマを主に描いているので、多少麻雀を知ってたほうがいいかもしれない。
さすがに天和を2回連続はやりすぎなんじゃないかと思った。
和田誠初監督とは思えない落ち着いた撮影で進む中、燕返しの瞬間ストップモーションになるあたりは監督のこだわりを感じた。
哀しい失恋の場面で、坊やがママ(加賀まりこ)からもらったライターの火が点かなくなるあたりの叙情的な描写も丁寧。
静かな中にも激情が潜り込んでいるような、ジリジリとしたクライマックスからの妙に明るいラストが良い感じ。