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女王蜂と大学の竜(1960)

女王蜂と大学の竜(1960、新東宝、81分)
●監督:石井輝男
●出演:三原葉子、吉田輝雄、万里昌代、天知茂、浅見比呂志、沖竜次、水原爆、杉山弘太郎、大友純、近衛敏明、吉田昌代、加藤欣子、扇町京子、菊川大二郎、原聖二、宗方祐二、嵐寛寿郎

石井輝男監督、新東宝時代の一品で、DVD化はされてるようだけど配信はされておらず、もう終わってしまったけどシネヌーヴォの「新東宝映画まつり」で観た。

タイトルだけでは中身がよくわからないが、昔ながらの組の親分の娘(三原葉子)、身寄りのない特攻隊帰りの青年(吉田輝男)の二人を主軸にいわゆる任侠物的なストーリーが展開する。

三原葉子を慕う女子分たちがゾロゾロと集まってくると一気に画面がやかましいカラフルさに彩られる。

本筋にはまるで関係のない御輿のシーンの迫力。

敵の組がストリッパーを御神体?にして御輿を担ぐと、それに対抗して三原葉子自ら御輿に乗り対決する。対決するといっても別にぶつかり合うということはなくただワッショイワッショイやっているだけである。

そんな中で無茶をする娘をやめさせようと喚く嵐寛寿郎が集団に取り囲まれながら、はずれのほうに連れて行かれてしまう。いくらなんでもそんなことになるか?!

好き放題やってる他のキャストたちに比べ、一人真面目に役をまっとうしているアラカンがだんだんかわいそうに見えてくる。

敵対する土橋社長も単なるスケベオヤジなので緊張感というものがない。

その分アラカンが映画の中の重しとして鎮座していることによってみんな安心してはしゃげているのかなと感じた。

吉田輝男演じる竜も終始軽い調子で、若いチンピラを倒すたびに心酔した彼らが次々に仲間になって後ろをついていくシーンはまるでドラクエかな?

スイカを落とす瞬間に進駐軍のライターがバラバラ落ちる別場面に切り替わったり、カメラに向かって前進する三原葉子の胸のアップでそのままカットが変わったりと演出も色々と遊んでいる。

若い女を手籠にしようとするオヤジ「声を出しても誰も来ないぞ」→絶対誰か来る、のお約束は『黄線地帯』でもあったなあ。

エンディングはさっぱりしていて、もう戦い終わったの?という感じだった。必要以上にシリアスにしすぎない軽い感じが良い。

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