エッセイ : 欧州で食べた朝ごはん 1 / 朝からチョコレートを食べるオランダの朝ごはん
1990年、僕は仕事でオランダのアムステルダムに1ヶ月滞在した。
夕方、アムステルダムのスキポール空港に到着し、
その日はそのままアムステルダムのホテルにチェックインした。
僕は日本のコロッケの起源と言われているオランダのクロケットが食べたかったので、ホテルのフロントでレストランを教えてもらい食べた。
日本のコロッケとは殆ど同じものだが、日本のコロッケと違い形は卵みたいな形をしていた。そして、
味はスパイシーなコロッケという感じで美味しいと思った。
時差ボケで眠れないかもしれないと思い、オランダのビールと言えばハイネケンだが、日本で飲んだことがあったので、グロールシュビールをたらふく飲んだ。美味しいビールだと思った。
ホテルに戻ると何のことはない爆睡してしまった。
翌朝、ホテルのレストランに朝食を食べに行くと、
ビュッフェスタイルの朝食だった。
四角い金属製のトレーに入った料理を見て行くと、
オランダ名物ハーリングがあった。
ハーリングとは生のニシンの塩漬けに刻んだ玉ねぎとピクルスを乗せた物だ。大き目に切られた切り身を2つ取った。
ベーコンを取りサラダを取って卵料理のコーナーに行くと、おばさんがお客様の注文に答えて小さなガスコンロとフライパンで卵料理を作っていた。
僕は目玉焼きを作ってもらった。
因みに、ヨーロッパで目玉焼きと言えば両面焼き、
片面焼きの場合はその旨を伝えなくてはいけない。
僕は両面焼きも好きなので、両面焼きの目玉焼きを作ってもらった。
オレンジジュースを取ってパンの所に行くと、
小さな6枚切りの食パンの様なパンがたくさん置いてあった。そして、その横にはマーガリンとケーキやアイスクリーム等に使われる色んな種類のチョコレートのトッピングが置いてあった。
僕は何だかよく分からなかったので、他のお客様達を見ていた。すると皆、小さな食パンの様なパンにマーガリンを塗り、色んな種類のチョコレートのトッピングをたくさんかけて持って行った。
その後も、そのまま見ていると、1人の中年のオランダ人の男の人に話しかけられた。
「きみは何処の国から来たの?」
「日本から来ました。」
「きみは日本から来たのか、ようこそ。日本は江戸時代に鎖国をしていたが、オランダとだけは長崎の出島で交流していた。
オランダは初めてみたいだね。オランダ人はチョコレートが大好きなんだ。朝からパンにかけて食べるんだよ。きみもぜひ食べてくれ。」
僕はチョコレートが大好きなので、朝からチョコレートを食べるなんて、何て素晴らしい国だと思った
もう1つ驚いたのは、オランダの人が、デジマ、サコクと発音したことだった。
僕はパンを2枚取り、マーガリンを塗って、チョコレートのトッピングをたっぷりかけた。
テーブルに着くと、最初にハーリングを食べた。
これは美味しいと思った。
勿論、チョコレートをトッピングしたパンも美味しかった。
確かにオランダの人は、チョコレートが好きなんだと思った。ソフトクリームを買いに行くと、ソフトクリームにチョコレートソースをかけてもらっている人たちがいた。僕もかけてもらった。
オランダの人たちとレストランでコース料理を食べた時も、デザートを食べ終わった後に、珈琲と一緒に美味しいチョコレートが出て来た。
僕は直ぐにオランダという国が好きになった。
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