恋愛エッセイ : セレブ女性は男に余り人気がないと思う イギリスでは何故ダンディは蔑称なのか?

日本では男はダンディと言われると喜ぶ。特に女性に言われると嬉しいと思う。
僕は仕事でイギリスに出張に行ったことがあるが、
イギリスの男はジェントルマンと言われると喜ぶが
ダンディと言われると嫌な顔をする。
ダンディのもとになったダンディズムはイギリスで生まれたものなのに何故なのか?
僕は勤めていた会社のイギリス支社の人に、このことを教えてもらった。

その人の説明はこうだった。
18世紀〜19世紀頃、イギリスの中産階級の人たちが貴族階級の人たちのファッションや趣味を真似て楽しむことが流行った。これがダンディズム。
つまり、ダンディズムには背伸びファッションみたいな意味合いがある。
また背伸びファッションをして自己満足するという意味から転じてナルシストという意味も含んでいるという。
当時の貴族というのは桁外れの大金持ちだった。
時代は遡ってしまうが、イタリアのメディチ家の
総資産はiPhoneでお馴染みのアップルの時価総額の1000倍以上だったと聞いたことがある。
だから当時のイギリスに限らずヨーロッパの一般貴族の人たちは、今で言うと、ベルナール・アルノーさんやイーロン・マスクさんレベルの資産を持っていたらしい。
これは、その当時は貴族階級に富が集中していたせいでもある。
しかも、当時の貴族の人たちには情報も集中していたから、教養も知識も身につけていたし、博学だったとも言われている。
そんな人たちは毎日豪華な食事をし最高級のワインを飲み、綺麗な女人たちと遊んでいたわけだから、
当然、何処か退廃的にもなっていた。
中産階級の人たちに退廃的な雰囲気を醸し出すことは難しいし、本物の貴族のような教養も知識もなかったことから、ダンディズムというのは、本物を真似していても本物ではない、本物にはなれない、
ということで蔑称となってしまったという。
そのイギリス人の男の人に、
日本人はダンディと言われても喜ばない方がいいよ
とまで言われてしまった。

日本でもこの退廃的な雰囲気を醸し出している男の人がいる。僕もサラリーマン時代、ある会社の社長さんと食事をする機会があったが、その社長さんがそうだった。退廃的な雰囲気を醸し出している男というのはカッコいい。 
女の人にモテるのもよく分かる。
ところが、この退廃的な雰囲気の似合う女性というのは少ない。女優さんでも限られている。

僕もそうだが、僕の友人や知人でセレブ女性が好きという男は殆どいない。お金目当てで近づく男はいても、魅力に惹かれれて近づく男は殆ど見たことがない。僕が思う理由は、
1、退廃的な雰囲気の似合う女性が少ないこと。
2、お金があって安心しているから、顔に厳しさや目もとに凛々しさがないこと。
3、緊張感や危機感が感じられないこと
4、ダイエットやスポーツジム等に通うことで体型を維持しているが、CAや看護婦さんのような仕事で引き締まったプロポーションをしている女性には敵わないこと
だと思う。

ビートたけしさんがテレビで好みの女性は
工事現場で働いているお姉ちゃんと仰ったことがある。ビートたけしさんは、工事現場で働いているお姉ちゃんにエロスを感じるとも仰った。
僕には分かるような気がする。
確かに工事現場等で働いている女性は引き締まった
プロポーションをしていて、男のような服装をしているが、逆にそれがセクシーに見える。  

今とは時代が違うが、僕が若い頃、お金持ちのお坊ちゃんは女の子に人気がなかった。社長令嬢のようなお金持ちのお嬢さんも男の子に人気がなかった。 
何もかも犠牲にしてバスケに打ち込んでいる男の子や、いっそカミソリのような目をしてバイクで爆走して行く男の子が女の子に人気があった。
男女平等を訴えてデモに参加する女の子や、ピアノを真剣に弾いている女の子の方が男に人気があった

何かを得れば何かを失うというのは全てに当てはまるのかもしれない。 
男も女の人も安定を得て穏やかな生活と穏やかな幸せと暖かな家庭を持つと、異性に対する魅力は失われて行くのかもしれない。
それが良い悪いの問題ではなく、その人の価値観、
人生観の問題だと思う。
僕は奥さんと娘たちがいる今の生活に不満はない。
だが一方で、冒険に一生を捧げ、マッキンリーで
亡くなった植村直己さんのような男にも憧れる。




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