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映画『アイアンクロー』をみたよって話


80年代に活躍した名レスラーとその息子たちに起こった
呪いともとれる不幸な出来事を実写ベースにしたお話。

うん、あのーこのお話は元々が悲劇なんですよ、大前提として。
で、その悲劇があってからの何かみたいなお話でもなく、
あったからこそ何かが生まれたみたいなお話でもない、暗いだけのお話ですね。
なんですかねたまに向こうの新進気鋭な監督みたいな人が撮りがちな
こうアートだぜみたいな撮り方がちょっと鼻につきました。オナニーシーンとかセックス描写とかいらないですこんなんでPGあげんといて欲しいですね。
あのー逆なんですよ、まずケビンが呪われた物語があったけど今は孫にも囲まれて幸せだぜ、から入るべきだと思うんですよ本来。
この構成だと不幸な一家があってその顛末だけ見せられてるので暗ーいだけのお話です。
別にフィクションでも良いんですけどねこういうのは。なんか拘りますよね実話ベースに。
試合シーンはお世辞にも良いとは言わないけど頑張ってたし演者さんは凄く良かったです。試合シーンのコーチはWWEなどで活躍したチャボ・ゲレロJrですちなみに。
なんか過去の映像アーカイブでもいいのにちゃんと役者さん使って撮っててまあそこは善し悪しの部分もあるんですが好感は持てました。

これは映画の大筋には大きく関係ないお話ですが作中の時代背景として
80年代半ば厳密にいうと1984年までアメリカのプロレスシーンはテリトリー制でした日本でいえば関東地区や中国地方ごとに“仕切り”としての
プロモーターがいて彼らが認定したチャンピオンがいてその上位として
NWAという組織がありそこが認定したチャンピオンが“世界王者”でした
世界王者は地区から地区へ飛び回り土地土地のチャンピオンと試合をします。それが変化するのがWWE(当時はWWF/WWWF)がケーブルテレビによるいわゆる全米侵攻で作中でも出てきたようにTV放送の普及と全米放送の影響でライヴからTVショウに時代は移り変わりテリトリー制は事実上の崩壊を迎え各地のプロモーターと団体は次々と身売りを行っていきます。物語終盤にケビンも身売りを考えて苦悩する姿がありましたが、あれは自分たちの一族によってそうなったというよりは時代の流れがそうであったという一面と父親のピンハネなどのどんぶり勘定が直接的な原因で
あの頃にはよくあったお話です。
最後にエリック家を襲った“呪い”ですが近年では呪いではなくステロイドなどによる薬物の過剰摂取が原因と見られています。
ともあれプロレス者にはお勧めです!

ちなみにアメリカのプロレスは80年代までの地区別のテリトリー制と
その後のTV SHOW制ではっきりとわけられますもっというと
テリトリー時代にトドメをさしたのが1984年のレッスルマニア1で
その中心がハルク・ホーガンとビンス・マクマホン。
80年代の地区別の名残みたいなのは超人オリンピックとかやってるころの
キン肉マンでも見られたりする。

となんとかマンガにこじつけところで現場からは以上です。

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