大好物

「朝ちゃん、旅行も、本も、カフェもすきだったじゃない」と友人が教えてくれたのは1ヵ月前の電話だったけど、私は「今は何も興味がない」と答えた。

双極性障害と診断された12月の沼はすごくて、特に自殺率が高いというところに自分としてはキュッとなってしまい、ひとりで抱えていられず、友人に連絡をとった。小学校からの同級生だった。

急な連絡にびっくりしていたがすぐに電話をかけてくれた。
こちらの状況を洗いざらい話してから、「これは特にどうしてほしい」とかないやつだったなと思った。話したところで、すっきりするというよりは、困らせるようなこと言ってしまったなといった感じで後悔した。
「今は本当にゆっくりやすんでほしいよ」と友人は言ってくれた。すきなことをしてほしいよ、と。

そう、わたしは旅行のためには何連勤もできるほど旅好きだったし、司馬遼太郎と太宰治に感銘を受けた思春期だったし、インスタなんてなかった時代からアンテナを張り巡らせて情報を得て、電車でどこまでも行けるほどカフェが好きだった。

そのわたしが。
「今はなにもしたいと思えないんだ」と繰り返した。ハッとして、元の話題に戻してなにかゴニョゴニョ言って電話を切った。その後も友人は気にかけてくれて連絡をくれた、こういう時に頼ってくれて嬉しいよとすら言ってくれた。

その後デパケンを飲み始め、わたしの体調は緩やかに回復に向かっていった。

今日、久しぶりにドン・キホーテにわたしはいた。
朝早起きが出来て、やや気がかりだった用事も無事、済ませられたので自転車で片道5キロほど散歩に出てみた帰りだった。相変わらずのアイキャッチだらけの店内…
神経が過敏だったときは店内のBGMとかこういうことすら嫌で仕方がなかった。

マロッシュ。
というグミ、皆様ご存じですか?
あらゆる「好き」がどこかにいってしまって、
何がいい?どれが好き?と言われても
何と答えていいやら…という日々の中から抜け出してきた実感があって、久しぶりにこのグミを見たときに、「ああ、わたしこれ好きだった…!」と思って思わずかごに入れてしまった。

そのあとnoteで井上咲楽さんのフィンランドの記事を読んで「最高…!」と思ったりなどしていて、そうだった、わたし北欧もいつか行ってみたかった。

双極性障害だから波はあるものだと、もう、仕方がないものだと思うこととして
でも、双極性障害でいることだけがわたしのすべてではない。

未来の鬱期のわたしへ
だから、マロッシュを買って。
お天気が良かったら自転車を走らせて。
川沿いが気持ちよくていいと思う。
たまにはお花を買ってみて。
編み物をしてみたりして。
旦那さんに「こんな人間と結婚して可哀そうだ」なんて八つ当たりしないで。
何かあったらすぐ病院で先生に相談して。
優しいいい先生だから。

もし「生きていても」と思ったならそれはあなたの性格ではなく鬱の症状だから。自分を責めないで。
できる限りでいい、元気になったときに記録を見るから日記をつけておいてくれると助かります。

1月15日のわたしより


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