『鵼の碑』(京極夏彦)・17年ぶりの人気シリーズ最新作!【著者×担当編集者】アフタートーク 第12回〈特別編〉
対談=京極夏彦(作家)×栗城浩美(講談社)×坂野公一(装幀家)
聞き手・構成=円堂都司昭
百鬼夜行シリーズの最新長編『鵼の碑』が刊行された。タイトルが予告されてから十七年、待望の新作である。今回は、京極作品を多く手がける装幀家にも出席を依頼し、あの厚い本がどのようにして作られたのかを語りあってもらった。
断ったつもりなのに編集者は待っていた
――栗城さんは、編集者としていつから京極さんを担当しているんですか。
栗城浩美 『豆腐小僧双六道中 ふりだし』(二〇〇三年)からです。坂野さんも同じ頃からでしたね。
京極夏彦 僕の友人が「今度うちのデザイナーが会社辞めて独立するから紹介するぞ」と言って、いきなりこの人(坂野)を連れて来たんです。でもその頃、まだ装幀は……。
坂野公一 したこともなかったです。
京極 手がけたCDブックレットを見せてくれて。タイポのセンスが良かったので「今度出す本の装幀やってみない?」と言った。その時の単行本担当が栗城さん。
坂野 普通は出版社から装幀の依頼がくるんですけど、違ったんです。
京極 僕がこの人の起用を提案したんですね。今、僕のカバーイラストなんかをお願いしている石黒亜矢子さんも同時に推薦しました。二人ともまだ未知数だったから、どんなものになるんだろうと期待していたら、とんでもない本ができてきて。あの豆腐の形を栗城さんが許可したわけでしょ。こんな豆腐小説は豆腐でいいよって。
栗城 豆腐でいいよじゃなくて、豆腐がいいね、です。
坂野 最初は普通の四六判のフォーマットで作ったんですけど、正方形のやつも「こんなのどうですかね?」と出したら、栗城さんが「これでいきましょう」と即決。普通は絶対NGなのに「この人やばいかも」って思いました。
京極 そんなおり、講談社ノベルスの装幀を手がけられていた辰巳四郎さんが急逝されてしまった。そこで綾辻行人さんの『暗黒館の殺人』(二〇〇四年)の装幀を、僕が綾辻さんから直接依頼されたんです。でも手が足りなくて。辰巳デザインを継承する形で僕がプロデュースして、坂野君に実作業を依頼した。
坂野 それが講談社ノベルスでは最初の仕事でしたけど、以後は増えました。栗城さんが「坂野を使って鍛えたらどうか」とあちこちで話していたと、どこかで聞きましたけど。
栗城 「鍛えたら」なんて恐ろしいこと言ってませんよ(笑)。「坂野さんとお仕事すると楽しいですよ」と。その後、京極さんには「小説現代」で連載していただきました。
京極 『死ねばいいのに』(二〇一〇年)っていうひどいタイトルの小説ですね。
坂野 講談社のビルにはいつも本を宣伝する懸垂幕がありますけど、あのタイトルで近隣住民からクレームが来たとか。
京極 単行本と電子書籍の同時発売はそれまでなかったんですけど、iPadの日本上陸と同時にその小説でやる運びになって、記者会見なんかもしたんですね。公共放送のアナウンサーも『死ねばいいのに』と言うのかなと。
坂野 見ましたよ、朝のニュースで。「本日、京極夏彦さんの『死ねばいいのに』が」(笑)。
京極 その単行本は、今「小説現代」の河北壮平編集長が担当だったんですが、「いや、あれは栗城さんが作ったんです。僕がなに言っても殴られたり蹴られたりするだけでした」って言っていました。
栗城 ひどいパワハラじゃないですか!
京極 そんな話が聞こえてくるくらい、この三人のチームでやった仕事は多いです。
栗城 『豆腐小僧』や『百器徒然袋―風』(二〇〇四年)を担当して、百鬼夜行シリーズの長編は『邪魅の雫』(二〇〇六年)から引き継ぎました。
京極 それから『邪魅の雫』の次作を十七年も待っていたんですよこの人。十七年も。
栗城 読者も一緒に待っていましたよ。
京極 僕は広告代理店勤務の後にデザイナーになったんです。基本的に仕事は納期厳守です。どんな業種でも、世のなかの仕事は納期が決まっているのが当たり前ですよ。納期が守れないというのは、受注する資格がないということです。それが常識だと思ってました。依頼に対して、「あなたのお望みの時期に納品するのは不可能です」というのは、お断りの意思表示ですよ。それなのに「わかりました。じゃあ一年でも二年でも十年でも待ちますね」と言うんですね。「どういうこと?」と最初ビックリしましたよ。流石に十年はウソだろうと思ってたんですが、違った。何年経っても忘れないで、やっぱり待っている。この業界、おかしいと思います。
――十七年の間に講談社から京極さんの本が出ていないわけではないですよね。
栗城 『ルー=ガルー2』「今昔百鬼拾遺」『鉄鼠の檻』ハードカバー、他たくさん刊行しています。
――なぜ、この小説だけ出なかったんですか。
京極 この人たちが悪いですね。
栗城 「水木しげる漫画大全集」……。
京極 坂野君は知っている(笑)。ここで会議をして、毎月、二冊から三冊、二十四時間しかない一日に三十五時間かかるくらいの仕事を延々と六年間、百十四冊も作ったんですからね。その版元が講談社です。
栗城 その通りです。
京極 僕は講談社の専属じゃなくて他社の仕事もしているわけです。バランスは大事でしょうに。一社にだけ貢献は出来ません。すでに講談社の仕事は過剰にしているんだから、あとは他社の仕事をするというのは当然のことですよ。ところが大全集と文芸は「部署が違う」というんですよね。
栗城 部署も違いますが、京極さんの小説が欲しいんですよ。
京極 まあ、どれだけ身を粉にして仕事をしようとも十七年さぼっていたと言われるようなので、悲しいかな僕は、鈍器と揶揄される重い本を出した時以外は存在価値がない人間だ、ということなんでしょうねえ。
――とはいえ、いざ書けば、これほど厚いのにそれほど時間はかからないそうですね。
京極 十七年かかったわけではなく、実働三カ月です。かといって、十六年と九カ月寝かせておいたわけでもないですよ。『陰摩羅鬼の瑕』(二〇〇三年)から『邪魅の雫』を出すまで三年くらいですから、これも同じくらいの間隔で出版する予定だったんですけどね。でもそうはいかなくて。『邪魅の雫』は当初、中禅寺秋彦を出さない設計だったんですね。関口巽が解決する話だった。ところが諸事情で中禅寺を出さざるをえなくなり、作り直しを余儀なくされた。そんなことが重なって、過労で倒れ、しばらく働けなかったりして。
「分厚くしませんか」「望むところだ」
京極 その時点での『鵼の碑』は刊行されたものとは違う話でした。その後、講談社が以前刊行していた雑誌「IN★POCKET」に連載してくれと言われて、そのまま書くのは能がないから、連載は『鵼』という小説にして、単行本化の際に『碑』の章を挿入すると、まったく違う小説になる、という仕掛けを考えたんですけど、賞をいただいたり、いろいろあって、それも頓挫しちゃった。連載しないのならその仕掛けは無意味なので、三つ目の『碑』を考えたんですね。今作の冒頭、「久住加壽夫の創作ノオト」は、その時点で書いたものです。二〇一二年に星海社が催した栗山千明さんの朗読イベントのためにそこだけ書いたんですね。作中作ですが、『碑』の構造を抜いた『鵼』だけだとあの形になるんです。ところが、東日本大震災の影響もあり、ほどなく「水木しげる漫画大全集」がスタートし、終了と同時に日本推理作家協会の代表理事を拝命したりで、十年ばかりまとまった時間が取れなかったんですよね。そうしたら「代表理事を退任した頃にはなんとかなりますか?」と言われて、「まだ待ってたのかい!」と驚いたのなんの。
栗城 全国民が待っていました。
京極 去年の秋ぐらいにまた新しく考えました。でも、事前に発表していた二編のスピンオフ(「墓の火」、「蛇帯」。『百鬼夜行 陽』所収)とつながるようにしなければいけないし、面倒でねえ(笑)。年明け前に三分の一くらい渡して、退任した五月から残りを書いて、九月には刊行されたんですから、せわしないことです。
栗城 最後は毎日原稿をいただいていました。徐々に進行的に追い詰められてきて――。
京極 印刷が間にあわないとか言うし。
栗城 単行本の方が、きびしかったですね。
――京極さんは、文章がページをまたがないように版面を整えることで知られていますけど、『鵼の碑』は、ノベルスと単行本が同時発売でしたよね。
京極 同じ小説ですが二つは別ものです。流石にヴァージョン違いを一度に書いたことはなかったですからね。手間が倍になる。
栗城 京極さんの校正作業はこれまで以上に複雑だったと思います。
京極 従来はノベルスの版組で完成させた後、時間をおいて組み直すんですけど、今回は同時進行ですから、ノベルスと単行本の差異は過去一番に少ないですね。一方で直したところをもう一方にも可能な限り反映させましたから。それでも単行本は全体で0・3%くらい情報量が多いですかね。
栗城 校了は入稿が遅かった単行本の方が先でした。単行本は、あまりに厚いから機械でカバーを折れなくて、手折りの時間が必要になりました。
京極 いや、編集者というのは血も涙もないものですよ。外堀を埋めてくるんです。ノベルスの表紙イラストは、去年のうちに完成していたんですよ。スタートしてないのに。
栗城 実は数年前に。石黒さんは人気の絵師さんですから。
坂野 二〇一九年くらいにはできてましたね。
京極 あと、百鬼夜行シリーズの文庫のカバーはお化けの張り子の写真なんですが、張り子はもっと早く作られていて、今回装幀で最初に仕上がってきたのは文庫のカバーでした。文庫が出るのはまだずっと先でしょうに。
栗城 遠からず文庫も出ることは決まっていますから。ノベルスは今年刊行できると私は確信していましたけどね。
京極 何を根拠に。
坂野 大変な作業になるから、我々としては心のなかで「まだかまだか」と思っていましたけど。
京極 でも、本が出てもみんな厚さや重さのことばかり言うじゃないですか。グラムいくらで換算されるなら、中身なんかどうでも良くないですか?
栗城 それは、内容を話せないからですよ。特に今回の小説は何も言えない。
坂野 実は今回、「いっそ、分厚くしませんか」と言ったら栗城さんも「よし、望むところだ」みたいな話になって燃えて……。
京極 お、お前たちのせいだったのか。
坂野 普通の紙で頁数から計算したら、厚さが十センチを超えてしまって。やばいと思って調べたら、百鬼夜行シリーズの以前の単行本にはそもそもすごく薄い紙を使っていた。
栗城 これまでの単行本は小口に妖怪を印刷しています。小口印刷は束幅に限界があるので薄い紙を使っていました。今回の単行本は、初めは角背希望でしたが、これだけ厚いと、背が割れないかとか、強度についても考える必要がありました。
坂野 講談社の営業の方に洒落で「今回は限界に挑戦しませんか」と言ったんですけど、「ちょっと、ちょっと」と止められました。デザイン的には栗城さんから言われたのが、小説の内容から「輝く石の感じで」だったので、本の本体の表紙を蛍光か蓄光でやろうかとも考えたんですけど、輝きを表す黄色にして、その外側の紙も石っぽいものを選んだんです。紙の種類によっては指紋がつくけど、手巻きで製本しなきゃならないから、そうならないものにしました。
――あと、『鵼の碑』の単行本のカバーには、バーコードが入っていませんよね。
栗城 デザインとしてはない方がいいので、バーコードは、本を包んだフィルムにシールで貼るようにしたんです。
坂野 昔のデザインで栗城さんと一緒にやった時、バーコードを下の方にしたり小さくしたりしたら、「次やったら、お前らの本、出さねえぞ」と流通関係の方に怒られたんです。それで今回の形にしました。
――昨年、『ビジュアル&デザインで愉しむ 京極夏彦の世界』という、これまでの本の装幀をふり返る本が出ましたけど、もともと京極さん自身がグラフィックデザイナー。ご自身の本のデザインには要求を出すんですか。
栗城 ないですね。
京極 ないどころか、デザイン案を見ません。
坂野 だから不安になるので無理矢理見せるんです。それで「いいんじゃない?」とかは言っていただけます。
京極 できあがってから「ひどいデザインだな」とか言うことはありますけど(笑)、まずは信頼しないと。装幀はデザイナーの役割だし、編集者の判断ですから。職分が違いますよ。『姑獲鳥の夏』(一九九四年)が刊行された時、初めてですし、いったいどんな本になるのか想像できない。自分でデザインするならどうするだろうと勘案もしてみました。ところができあがってきた装幀は予想とはまったく違ったものだったわけです。評判も悪くなかった。それで学習しました。
栗城 今のフォーマットのもとになった辰巳四郎さんのデザインですね。
京極 実は僕の作品にはイメージカラーがあって、『姑獲鳥の夏』のタイトル文字の赤はそんなに離れてなかったんですが、『魍魎の匣』(一九九五年)の黄緑はかなり離れていて。『狂骨の夢』(一九九五年)のピンクにいたっては完全に違っていた。ピンクのイメージは全くなかったから一瞬「?」となったんだけれど、読者に受け入れられないなんてことはなくて。ああ作者の感性なんか当てにならないどうでもいいもの、むしろ邪魔なものなんだと再認識し、口を出すのを一切やめました。
栗城 完全に任せてくださる作家さんはレアな存在かと。
坂野 任されているとなると、こちらも燃えるというか。
字が多いから書くのが面倒くさい
――京極さんの場合、タイトルになる妖怪を決めた段階で物語も決まるんですよね。
京極 お化けで決まるのは、素材です。タイトルの下の一文字が、小説の構造。だから、『鵼の碑』が「鵼の夏」だったらまた別の小説になります。そこはシステマチックに作ってますから、もう猿にだってできる。百鬼夜行シリーズの最初の担当編集者だった唐木厚さんには「同じようなものを書けますか?」と言われたんですけど、同じ〝ような〟ものですからね。同じじゃだめなんです。変えるとしたらまず、素材になるお化けの属性を変えないといけない。産女というのはその昔はメジャーなお化けで。日本古来の典型的な幽霊スタイルですね。それが中国の姑獲鳥と同定されたもの。魍魎は中国の精怪で、日本にはそれほど言い伝えはないけれど、魑魅魍魎の四字熟語であれば知られているものですね。狂骨はほぼ創作に近い。江戸時代の絵師・鳥山石燕が絵に名前をつけただけ。鉄鼠は、三井寺の頼豪阿闍梨にまつわる伝説に基づいたもの。そういうふうに属性が被らないように配慮して選んできたわけですね。それで、それまでと変えるとしたらもう鵼くらいしかなかったという。
素材が決まれば情報を整理して構造を構築すれば終わり。構想自体は五分か十分、全体を決めるのは三十分くらいですね。でも、書くのが面倒くさい。文字量が多いから、だいたい三カ月はかかるんです。
――『鵼の碑』には、シリーズのこれまでのいろいろな登場人物が再登場して長年の読者には懐かしかったですけれど、シリーズにおける膨大な数の出来事とか登場人物とかは、なにか書きとめてあるんですか。
京極 ないない。メモは大っ嫌いですから。
――編集者として物語の整合性をチェックする時は、どうしているんですか。
坂野 栗城さんは、ずっと追っているから覚えているんでしょう?
栗城 すべて覚えていられるほど脳の容量ありませんよ! だから検索できるように自分で京極さんの電子書籍を買ってます。
――え?
栗城 担当した作品の紙の見本はもらえるんですけど、電書はもらえないんですよ(涙)。以前は分冊文庫で確認してましたが、今は検索する方が確実なので電書です。
坂野 やっぱり京極さんは、小説の作り方が他の作家とは違いますよね。ご本人が「物語がない」とか「プロットがない」と言うし、質問しても「それは違う。そうじゃない」と言われ、みんながポカーンとするしかない。
京極 僕は、本を読むのは好きなんです。でも、書くのは苦手です。一所懸命書いてますから「面白い」と言っていただけるのは嬉しいですが、書いている自分が面白くないというのは釈然としないところですね。
栗城 内容を完全に知っているからじゃないですか。
坂野 以前、自分がデザインを考えるのと小説を書くのは似ているとおっしゃっていたでしょう。
京極 まったく同じですよ。今回、『鵼の碑』発売とデビュー三十周年記念で、僕の作品の三十秒のプロモーションビデオを作ったんですけど、映像と小説の構造はできるだけ近づけて、レイヤーなんかも揃える形にしました。
栗城 小説の世界でいえば、もしかしたら本格ミステリの何人かの書き手の方は、京極さんと近い書き方かなという気はします。
京極 対談でお話しした際、小川哲さんの作り方は若干近いように感じました。アプローチは違うけど、森博嗣さんの手法はよく理解できる。
栗城 森さんも、小説を書くのは「たまたま得意で、できるから書いているだけです」と言っておられますよね。京極さんも、人よりできちゃうという異能では。
京極 生活のためですよ。全部金のためです。
栗城 ここへきて急にベタなことを言い出さないでください。
――『鵼の碑』刊行にともない、シリーズの次作は『幽谷響の家』と予告が出ました。もう内容も構造も決まっているわけですよね。
京極 「予告出すの?」と聞いたら「出します」と言うから、決めました。
――書き始めれば三カ月なんですよね。
京極 そんなものです。ただ、他の仕事もたくさんありますから何カ月も空けるのは無理です。老駄馬に荷を負わせ駆けさせるようなことは止せと各版元に言っているんですけど。
栗城 誰も引かないんですよね。
京極 まあお迎えが先にくるでしょう。そんな状況ですから単行本の書下ろし長編なんかいつになるかまったくわからないですね。
栗城 いえ、だいたいわかっているつもりです。私は次の新作はわりとすぐかな、と思っています。
京極 諦めないとなったら、持久戦ですよ。
栗城 戦いますか。
坂野 僕には、ひょっとすると新作はもうできているんじゃないかというイメージもありますが。
京極 できてますよ、書いていないだけで。ただ、空約束はしないようにしているので予告しちゃった以上いつかは書きますけど、いつなのかはわかりません。寿命がね。
坂野 外から見た僕の感覚では、別にお世辞じゃないけど、講談社では栗城さんは京極さんにパートナー的な感じで付きあえる唯一の優秀な編集者なんじゃないかなと思いますね。
京極 いや、優秀かどうかは僕の与り知らぬことですが、なんか縁があるだけのことで。
坂野 栗城さん以外が担当になると「この方で大丈夫かな」とも思うんだけど、たぶん栗城さんが助けてくれるだろうなという感じがずっとありました。
――バックアップでいるみたいな感じですか。
栗城 異動する社員もいますけど、私はたまたまずっと局内にいるので。
京極 腐れ縁っていうんですかねえ。
栗城 なんで腐らせるんですか。腐らなくていいんですよ!
――厳密には来年(二〇二四年)が京極さんのデビュー三十年でしょう。
栗城 そうです、来年の九月五日になります。各社、来年は祭りが続くと思います。『鵼の碑』の文庫もあります。「今昔百鬼拾遺」の続編もお願いしていますし、もちろん『幽谷響の家』も待ち遠しいです。というわけで、京極先生のご健康をお祈りしております。
(おわり)
《ジャーロ No.91 2023 NOVEMBER 掲載》
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