光文社 文芸編集部|kobunsha

「小説宝石」「ジャーロ」などの文芸雑誌と単行本を作っている編集部。 みなさまに本の魅力や読書の楽しさをお伝えするべく、毎日更新で奮闘中。 応援よろしくお願いします! XやInstagramのフォローも是非!

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マガジン

  • 光文社 文芸

    毎月の新刊情報や、試し読みを公開しています。

  • 【なにげに文士劇2024】リレーエッセイ

    筆一本で世にはばかる文士(作家)とその仲間が集結! 130年以上の歴史を持つ文士劇、大阪では実に66年ぶりの旗揚げ公演となる『放課後』。出演者の想いをお届けします!

  • 『ツミデミック』一穂ミチ

    祝!直木賞受賞!!一穂ミチさん『ツミデミック』の情報を随時更新中!お見逃しなく!

  • 【小説宝石】

    1968年創刊の総合小説誌です。奇数月22日ごろ発売。 発売情報や著者インタビュー、特集、新刊エッセイなどを公開します。

  • 【ジャーロ】評論・コラム ★全文公開中

    ミステリー誌「ジャーロ」より全文公開。 【note連載中の評論・コラム一覧】 日本ミステリー文学大賞の軌跡 新保博久⇔法月綸太郎 往復書簡「死体置場で待ち合わせ」 名作ミステリーの舞台を訪ねて/佳多山大地 アフタートーク 著者×担当編集者/円堂都司昭 ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門/稲田豊史(※特設マガジンで連載中) 日本の犯罪小説 Persona Non Grata/杉江松恋 ミステリから見た『二〇二〇年』/千街晶之 ポストコロナ文化論/笠井 潔 謎のリアリティ Book Detective/森 英俊

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町田そのこ『ドヴォルザークに染まるころ』一話試し読み|「ドヴォルザークの檻より」

ドヴォルザークの檻より 担任の先生のセックスを見たことがある。  小学校六年の、夏休みのことだ。飼育当番で、夕方の餌やりのために学校に行った。二階建て鉄筋コンクリート造りの学校は〝く〟の字をしていて、内角部分の中庭にウサギ小屋と鶏小屋が並んでいた。卒業生の誰かの父親が大工で、彼が寄付したというふたつの小屋はしっかりとした造りをしており、小屋の生きものたちは一度も、校舎の背後にそびえる未幌山から降りてくるキツネや野良犬に狙われることはなかった。あの日、わたしは同じく飼育当番であ

    • 『まず良識をみじん切りにします』刊行記念特別対談②|浅倉秋成×岩井圭也

      ▼▼▼記事第一弾はコチラ▼▼▼ 新たな挑戦でつかんだ武器――逆に、ご自身の作品で気に入っている短編はどれですか? 浅倉 う~ん、どうだろう? 思い出深さでいったら「ファースト~」なのかな? 終わってみれば全部愛おしいものになっているなっていう感覚はあって……。う~ん、「そうだ、デスゲームを作ろう」にしておこうかな。 岩井 「デスゲーム~」。あれは、なにか取材されたんですか? 浅倉 あえて取材ゼロでやってます。ネットでどこまで情報取れるかっていうのも含めて、頑張りました。

      • 『まず良識をみじん切りにします』刊行記念特別対談①|浅倉秋成×岩井圭也

        運命の出会いと〝裏拍〟取るまで岩井 はじめましてー。 浅倉 あっ、はじめましてー(笑)。 岩井 あさ、くらさんで、いいんですよね。 浅倉 そうです、そうです。あれ? 昔、喫茶店で突然声かけてきたヤバい人に似てますね。 岩井 誰がヤバい人やねん(笑)。浅倉さん、あちこちでこの話してるでしょ。こないだ某出版社の方に「浅倉さんとはとても印象的な出会いだったそうですね」って言われましたよ。 浅倉 たまに「街歩いてて、名前呼ばれたこととかあります?」って聞かれることあるじゃないですか

        • 【10月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊8作品をご紹介!

          2024年10月は8冊の新刊を刊行しました!今回も読み応え抜群! ①『まず良識をみじん切りにします』浅倉秋成★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ 『PIT 特殊心理捜査班 蒼井俊』五十嵐貴久★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ③『その殺人、本格ミステリにさせません。』片岡翔★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ④『いくさじまた』清水朔

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          85本
        • 青山美智子さん『リカバリー・カバヒコ』
          15本

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          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#7【木下昌輝】

          芝居の教訓:行間を読め文:木下昌輝  30年前のリベンジができる。  文士劇のお話を朝井まかてさんからいただいた時、そう思ったのだった。  30年前、私は20歳を目前にした青年だった。暇を持て余した私は面白い短期バイトはないかと、バイト情報誌・フロムエーをめくっていると「ヒーロー着ぐるみショー」の募集を見つけたのだ。  演目はセーラームーン(と仮面ライダー)。興味本位だけで申し込むとなぜか採用された。私に任された役は、タキシード仮面だった。人生初タキシードである。  夜

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#7【木下昌輝】

          稲田豊史『このドキュメンタリーはフィクションです』刊行記念イベントリポート|稲田豊史×大島育宙×てれびのスキマ

          アーカイブ配信告知動画はコチラ↓↓↓ 構成=光文社文芸編集部 第一部開演!イベント前半は、稲田さんと大島さんの対談。 初対面のお二人でしたが初対面とは思えないほどに開始直後から弾む会話! 前半のテーマは「ドキュメンタリー」。 稲田さんご自身が過去にインタビューを受けた際の経験談などを交え、いわゆるドキュメンタリーとされているものの裏側は実は作為にまみれている!という裏話などが放出されました。 佐村河内守さんを撮ったドキュメンタリー『FAKE』や『水曜日のダウンタウン』

          稲田豊史『このドキュメンタリーはフィクションです』刊行記念イベントリポート|稲田豊史×大島育宙×てれびのスキマ

          【9月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊5作品をご紹介!

          2024年9月は5冊の新刊を刊行しました!今回も読み応え抜群! ①『このドキュメンタリーはフィクションです』稲田豊史★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ 『荒れ地の種』江上剛★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ③『わたしたちは、海』カツセマサヒコ★あらすじ クラスの女子たちが、タイムカプセルを埋めたらしい。6年3組のぼくは、親友のシンイチとヨモヤとともに、遠くの煙突の麓にある公園まで自転車で行ってみることにした――「海の街の十二歳」 小学校教諭の岬と

          【9月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊5作品をご紹介!

          澤田瞳子『赫夜』×薬丸岳『籠の中のふたり』刊行記念対談!|聞き手:ブックジャーナリスト 内田剛

          澤田さんは直筆サイン本ですね。いったい何冊書きましたか。 澤田 すべての本に、ですから約1万冊ですね。文字数は「澤田瞳子」の4文字×1万=4万字ですから、原稿用紙でいくと100枚。大したことはないですよ(笑)。 いやいや、大変なことです。『赫夜』の最後のページに、「全冊サインに寄せる著者の言葉」があって、メッセージを書店だけでなく読者にも発信していますね。書店はいま経営的に苦しい。そんな中でも転売ヤーの問題には書店員も非常に頭を悩ませています。これは、澤田さんにとっても非常

          澤田瞳子『赫夜』×薬丸岳『籠の中のふたり』刊行記念対談!|聞き手:ブックジャーナリスト 内田剛

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#6【村角太洋】

          超えた先にあるもの文:村角太洋  最近まで恐れの日々であった。  11月16日に1ステージだけ上演される祭典のような舞台、なにげに文士劇「放課後」(原作:東野圭吾)の脚本・演出を担当することになった。  文士劇とは作家による芝居のこと。  役者として舞台に立たれるのは、文章と言葉を巧みに操るワードマジシャンたちである。  さて、ここで、私の今回のポジションを思い出していただきたい。  私、脚本を担当しておりますね。  これが何を意味しているかお分かりですか。  そうです

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#6【村角太洋】

          カツセマサヒコ『わたしたちは、海』一話試し読み|「氷塊、溶けて流れる」

          氷塊、溶けて流れる一  父の姿を見て、僕の心は静かに凍った。  脳からつながる神経の一本一本が連鎖して、硬直していく、と考えるより先に指先まで動かなくなる。その場に立ち尽くすしかなくなり、じっと目の前の男を見ていた。  そもそも「いらっしゃいませ」に対して「ひさしぶり」なんて返してくるやつは僕の交友関係を考えてもそんなに多くはないはずで、でも、確かに今来た客は、そう言った。  失礼を承知で顔を見つめてみれば、紛れもなくその人は、僕の、実の父だった。何年も前に家族と縁を切り、

          カツセマサヒコ『わたしたちは、海』一話試し読み|「氷塊、溶けて流れる」

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#5【小林龍之】

          芝居心の火に焼かれ文:小林龍之   今回の文士劇の出演者に私がただ一人の編集者として参加しているのはなぜなのか。それは自分から出たいと言って手をあげたからです。  最初はそんなつもりはありませんでした。編集者はあくまでも作家の裏方です。初めてこの話を聞いた時は、某先生にお願いしている書き下ろし新作がますます遅れてしまうのではと考え、どちらかと言えば賛同できない気持ちでいたのです。  一方、日本で現在唯一毎年続いている盛岡文士劇を、私は長年観てきました。盛岡文士劇は194

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#5【小林龍之】

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート③

          ドラマ撮影現場見学レポート③ 麻美さんの書斎の机の前にはカメラが移動するためのレールが敷かれました。これが敷かれただけでドラマの撮影感マシマシに思えるのはやはり私がド素人だからでしょうか。 いよいよなのかな? とドキドキしていると山口紗弥加さんはある出来事が笑いのツボに入り、直前まで笑いが止まらないご様子。どうなってしまうの? と思っていたのですが、次の瞬間には泣いていました。 もう、本当にすごいものを見せていただきました。 だって、直前まであんなに笑っていらしたのに

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート③

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート②

          ドラマ撮影現場見学レポート② 撮影が行われる別荘にたどり着くと別荘のオーナーさまにご挨拶。とても趣のある素敵な別荘です。入った瞬間に目を引かれたのが壁に飾られた2体の鹿の首から上の剥製。 オーナーさまは狩猟をされる方なのかも? と思っていたら、やはりそうでして、別荘の奥にはクマの剥製もありました。クマですよ! クマ!!! どれくらいの距離から狙ったのかを思わずお聞きしたところ、50メートルとのこと。想像していたより近い。クマって確か時速60㎞くらいで走れますよね。想像した

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート②

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート①

          ドラマ撮影現場見学レポート① ドラマ撮影現場見学の日。 私は光文社のN氏に指定されていた電車に乗り裾野駅に向かいました。裾野駅のホームでN氏と合流。撮影が行われる喫茶店アムールは駅から見えるほどの距離で、もう撮影スタッフが沢山いる様子がうかがえ、わくわくしました。 テレビ東京のプロデューサー阿部真士さんの姿が見え、ほっとするのも束の間、出演者のおひとりである、本宮泰風さんを紹介していただいたのですが、私はここで早速やらかしてしまいました。 「ああ、神永役の?」 「「

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート①

          一穂ミチさん【祝!直木賞受賞】『ツミデミック』特別寄稿エッセイ

          文=一穂ミチ  光文社さん、五十七年ぶりの直木賞だそうですね、おめでとうございます。……と、どこから目線かわからない書き出しで恐縮だが、本当に、そういう心境でいる。  ノミネートの時点で、すでに大きな驚きがあった。『ツミデミック』は二〇二三年十一月刊行、原則的には二〇二三年下半期の選考対象のはずが、二〇二四年上半期の候補作にぬるっと入り込んでいた。裏取引などはない。光文社にそんな権力があったら五十七年も空いていない。日本文学振興会から電話をいただいた時、三回目のノミネート

          一穂ミチさん【祝!直木賞受賞】『ツミデミック』特別寄稿エッセイ

          星月渉『私の死体を探してください。』刊行&ドラマ化記念インタビュー

          「WEB小説の世界で15年、応援し続けてくれた読者は家族以上の存在でした」 ―まずは小説を書き始めたきっかけを教えてください。 「子どものころから本は好きでしたが、自分で書こうという発想は全くなかったです。結婚して子どもができて、姫路に引っ越して数年後、上の子がこども園に行くようになって、それまで慌ただしかったのにふと時間ができました。当時、ハーレクインロマンスが多く配信されていて、それを携帯で読むようになって気がついたらいっぱい課金をしていたんです。『やばい、ロマンス中毒

          星月渉『私の死体を探してください。』刊行&ドラマ化記念インタビュー