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光文社 文芸編集部|kobunsha
2024年8月27日 13:09
文=一穂ミチ 光文社さん、五十七年ぶりの直木賞だそうですね、おめでとうございます。……と、どこから目線かわからない書き出しで恐縮だが、本当に、そういう心境でいる。 ノミネートの時点で、すでに大きな驚きがあった。『ツミデミック』は二〇二三年十一月刊行、原則的には二〇二三年下半期の選考対象のはずが、二〇二四年上半期の候補作にぬるっと入り込んでいた。裏取引などはない。光文社にそんな権力があったら
2024年1月27日 14:06
コロナ禍は私たちにとって「箱庭の洪水」だったコロナ禍を描いた『ツミデミック』人の弱さを描くということ―― 街の親子から小説を連想することもあるんですね。『ツミデミック』のそれぞれの小説のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?一穂 今回は新聞やニュースから小説の種みたいなものを拾うこともありました。たとえば「持続化給付金をめぐる詐欺で若い人が不正受給をした」という記事から「憐光」を思いつ