子育てはときに羊飼いで、ときにタイヤ引きトレーニング。でもこれさえあれば大丈夫
我が家の子どもたちは、週末のお昼どきに水泳教室に通っている。
12時少し前に家を出ないといけないのだが、このスケジュールになってから、いつもランチのタイミングがうまくはまらない。
本来は、余裕をもって早めにお昼を食べて家を出たらいいだけのことだ。でも、たいてい、遊んでいるうちに時間がギリギリになって、慌てて家を飛び出すことになる。
お昼ご飯を食べる暇などないから、おやつを少しつまむ程度でプールへ滑りこむ。そうすると、クラスのときにお腹は空くし、帰ってから遅めのランチをするので夕飯に響く。
わかってはいるのだが、今日も同じコースをたどってしまった。なにも学んでいないよね、わたしたち。
…といってまた責任の所在をあいまいにしているけれど、時間配分をきちんとできていないのはわたし。ええ、わかってます。
子どもたちを急かしながら水着に着替えさせ、そそくさと車に乗せた。放っておくと、すぐなにか別のことに気を取られて立ち止まってしまう彼らを、早く早くと急きたてる。
こういうとき、わたしの頭には、いつも羊飼いが羊を追う絵が浮かぶ。子育ては、時に羊飼いの仕事に似ている。
車の中で食べたおやつだと足りなかったらしい。息子が、水泳教室の駐車場に着いても、なかなか車から降りない。お腹が空いた、疲れた、行きたくないと3拍子を唱え始めた。次第に、ボクはそもそも水泳なんか好きじゃないんだ、などと話が大きくなる。
ちょっと待て。それはいま駐車場で話し合う問題ではない。水泳が好きかどうかなんてママは聞いてない。とりあえずクラスへ行くのだ。
足取りの重い息子をなだめながら、なんとかプールまで連れていく。
こういうとき、わたしの頭には、でっかいタイヤを後ろに引きずりながら走る絵が浮かぶ。子育ては、時にタイヤ引きトレーニングに似ている。
30分のクラスが終わり、わたしは二人を呼んで、ランチを買いに行くことを提案した。
行先は、わたしたちが大好きなスーパー、ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)のお惣菜コーナーだ。ビュッフェのように数々のおかずが温かい状態で並んでいて、好きなものをパックに詰めて量り売りで買える。
子どもたちはガッツポーズで喜んだ。ママ、ありがとう、早く行こうとわたしを急かす。さっき息子がわたしにぶつけてきたネガティブな感情は、きれいさっぱり消えている。
それに、いつもなら、もう少しプールで遊びたがる子どもたちを説得して更衣室へ連れていくのに、時間と労力がかかる。もう一回ここで、羊飼いとタイヤ引きトレーニングが登場するはずなのだ。
でも、ホールフーズのお惣菜があれば、なんのその。
最後はお金で解決して、みんなハッピー。やっぱり子育てでも最後にモノをいうのはお金だな。
なんのはなしですか。
読んでくださってありがとうございます。
「なんのはなしですか」を書くのは久しぶりです。書けて嬉しい。
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