【東京市場IPO②】承認銘柄の事業内容を軽く見てみる(2銘柄目)
11日目です。
当該記事の背景は、以下記事の冒頭をご参照ください。
それにしても、昨日更新の物はイマイチでした。それも含めて、試行錯誤してみています。
ちょけてみた記事は難しいですね。消そうか迷いましたが、一応飽きるまで毎日更新をしているので残します。
さて本論ですが、直近承認が2銘柄ございましたので、調べてみたいと思います。
今年度のIPOも終わりですね。(直近承認が3/30上場の為)
(初回記事を微妙に開始時期をずらして、3月のIPOピークの承認ラッシュによって生じる可能性がある、自身の膨大なnoteの作業量を減らしたわけでは決してありませんよ・・・たぶん。ニーズがあるなら遡及して書きますが、ここら辺の情報は鮮度が命とも思いますので)
いつも通り、読み進めて頂くにあたり、以下をご参照の上、進めていただければと思います。
・当該記事は、投資の勧誘を目的とするものではありません。 ・一般に公開されている情報を元に、記載をしており、嘘を書いているつもりはありませんが、誤解等があった場合、追記修正する可能性もございます(情報に基づいて被ったいかなる損害についても、記載者は一切の責任を負いません) ・あくまで投資判断はご自身の判断でお願いいたします
さて本日も、軽快にリスクヘッジマンが仕事をしたところでいってみましょう。
本日は、2銘柄のうちの一つ、「スパイダープラス株式会社」に関してやってまいります。
①概要
社名:スパイダープラス株式会社
事業内容: 建設業を主な対象とした建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」の開発・販売
上場市場:東証マザーズ
承認日:2021年2月24日
上場日:2021年3月30日
②事業内容
以下については、出所:Ⅰの部から記載、太字は記載者追記(一部中略)
ICT事業(ICT:Information and Communication Technologyの略称で、情報通信技術を指す。)ICT事業では、建設業の現場業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって生産性向上に寄与するSaaS(注1)を開発・販売しております。
具体的には、主に総合建設業及び電気・空調設備業に対して、建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」を中心としたサービスの提供を行っております。「SPIDERPLUS」は、タブレット/スマートフォンで建設現場の図面のペーパーレス化を図るとともに、検査機器と連携してアプリの中で計測値を取り込むことで業務の効率化ができるサービスです。(中略)その中で、当社の「SPIDERPLUS」は、現場のペーパーレス化と情報共有の促進を図っていくことから、労働時間の短縮化、ひいては年間出勤日数の短縮など、建設業界の生産性向上に一定の寄与ができると考えております。
また、建設業の生産体制を将来にわたって維持していくためには、若年層の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠であり、当社の「SPIDERPLUS」により、建設業のIT化を推し進めることで一定の貢献ができると考えております。
エンジニアリング事業。エンジニアリング事業では、当社創業期より熱絶縁工事を中心に運営しています。熱絶縁工事とは、熱を使うビルや工場などでエネルギー効率を高める(省エネルギー)ために装置や配管に断熱材を取付ける工事です。当社は、
従来のガラス繊維でできたグラスウールなどの断熱材の他に、「アーマフレックス」も取り扱っております。「アーマフレックス」の特徴としましては、難燃性、耐湿性、圧縮クリープ特性(注1)が高い、フロンを使用していないので環境に優しいなどが挙げられます。当社はアーマセル社(注2)の日本認定工事店として、2002年より多くの「アーマフレックス」を使用した工事を施工しております。当社は、従来の熱絶縁工事では空調工事、配管工事を行っている企業様からの受注のみでしたが、「アーマフレックス」を使用した工事においては、17年間の施工実績から、同業他社様からの依頼も多くなっております。エンジニアリング事業により、建設現場で直接従事しているため、建設現場の情報をタイムリーに把握することができ、かつ建設現場での困りごと(ニーズ)の発掘に貢献しています。これをICT事業と密な情報共有を図ることで、「SPIDERPLUS」の実務への落とし込みを図っております。
③事業系統図及びICT事業における導入企業例
出所:Ⅰの部より
出所:会社HPより(一部抜粋の為、詳細はhttps://spider-plus.com/を参照ください)
④所感
熱絶縁工事の施工という祖業から、現場の課題感を集約し、ICT事業に展開し「SPIDERPLUS」の開発・販売している企業という感じでしょうか。
「SPIDERPLUS」はニッチターゲットのような印象を受けますが、会社HPの導入実績を見ると、大手企業を中心に多数の導入が進んでおり、面を取れており、優位性が非常に強いように感じます。また、専門性が高そうなソフトウェアな印象なので、その性質上一度導入されると他社の新規参入時のリプレースが難しそうなので、チャーンも低そうな印象です。
熱絶縁工事自体は、さらっとしか調べてませんが、google検索における施工会社のヒットも多く、あまり特殊工事という印象はうすいかなーと、参入障壁があるとは言いずらい印象です。(許認可が必要なようですが。)
KPI開示はID数、導入社数、MRR、ARRと4項目にわたり、充実している印象です。
MRR、ARRについては以下をご参照ください。
ARRのCAGR(年平均成長率)も111.8%となっており、すんばらしく伸びていますね。
たぶん、ID事の課金だと思うので1ID/年間を、ざっくり試算すると。
Ⅰの部、事業内容にたっぷり記載がありますが、市場環境も追い風になっています。(以下Ⅰの部より)
国内の建設投資額は2017年の61兆円(実績)から2020年の63兆円(見通し)で横ばいに推移しておりますが、日経BP「建設テック未来戦略(2020年3月16日発行)」によると、建設業界における人手不足と高齢化の影響により、建設需要に対して今後100万人の労働者が不足すると言われております。これらを背景として、(社)日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2015」及び「企業IT動向調査報告書2020」によると、2014年から2019年にかけて建設業界のIT投資額は3.7倍に増加しております。
気になるポイントは
・フロー、ストックの比率及び比率の推移
・ニッチターゲットの為、導入社数はどこかで頭打ちになることが想定されるため、どのような戦略を考えているか。
(所謂、"一人親方"が太宗を占める業界のため、新しいものがどこまで導入されるか未知数なため頭打ちするのではないかと想定)
・導入社数成長率が緩やかになるにつれ、オプション機能拡充による課金単価の向上が必要だと考えるがボトルネックはあるのか
あたりでしょうか。(他に何かあれば追記してみます)
なんか面白い企業だったので、文量が多いですが、たぶん企業によってムラがあると思うのであまり期待しないでください(笑)
上場日に、マザーズ市場上場の場合は「成長性に関する説明資料」を開示します。それを、楽しみに待つことにします。
IPO承認企業の事業内容をさらっと見てみるのコーナーでした。