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【孤読、すなわち孤高の読書】我が孤読編愛録

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孤島に持っていく本を問われた時、 自分の余命が分かった時、 人はどんな本を選び読むのだろう? 本棚はその人の思考の露呈である。 となると、私の本棚は偏屈な愛情に満ちている。 つ…
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#大江健三郎

【孤読、すなわち孤高の読書】大江健三郎「死者の奢り」

【孤読、すなわち孤高の読書】大江健三郎「死者の奢り」

作者:大江健三郎(1935〜2023)
作品名:「死者の奢り」
刊行年:1958年刊行(日本)

戦後日本の不条理と存在の虚無を鋭く描き出した作品。

[あらすじ]
主人公である「私」は、病院の死体安置所で働く若い男である。
彼の日常は、死者たちを運ぶ単調な労働によって成り立っている。
しかし、その単調さの中に、死の冷たさや生きることへの不可解さが浮かび上がる。
ある日、「私」は職場の女性である「

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