本当にそれが大事...?
みなさんは、「それが大事」という曲をご存知だろうか。大事MANブラザーズバンドが1991年にリリースし、Wikipediaよれば累計180万枚以上も売り上げた超ヒットソングである。だれもがそのサビくらいは耳にしたことがあるだろう。
そのサビの歌詞を引用する。
負けないこと・投げ出さないこと・逃げ出さないこと・信じ抜くこと
駄目になりそうなとき それが一番大事
この歌詞は、一般的には「とても良い歌詞」と言われている。
助けられた。励まされた。元気をもらえた。そういったコメントも、ユーチューブには散見される。
実際、そうなのだろう。この歌を聞いて、明日も頑張ろうと思えた人がたくさんいたからこそ、これだけのヒットソングになったのだろう。
しかし、私はこの歌詞に疑問を抱いてしまう。なぜなら、この歌詞で大事だと言われていることはすごく苦しいことばかりだからである。
負けず、投げ出さず、逃げ出さず、信じ抜く。
八方塞がり、いや、四面楚歌という言葉がこの場合はぴったりか(4つだし、歌だし)。
この歌詞に従うと、とにかく逃げ場がなくなってしまうのである。こんな苦しいことを、「駄目になりそうなとき」に果たしてできるのだろうか。
私は、本当に駄目になりそうなときというのは、こんな綺麗事を言ってはいられないときであると思う。もう逃げるしかない、もう投げ出すしかない。そういう状態が、本当に駄目になりそうな状態だと思う。
よって私は、この歌詞を以下のように変えて、自分への教訓としたい。
負けること、投げ出すこと、逃げ出すこと、疑うこと。本当に駄目になりそうなときは、それが一番大事。
今置かれている状況が、あなたの全てでは無い。今立っている場所から一歩引いたところに、本当にあなたに合った立ち位置があるかもしれない。
そうとも知らずにただ逃げずに闘い続けてしまうことは、不幸である。本当に信じるに値するものかどうかを疑わないうちから、それに縛られて生きることを選択してしまうのは、不幸である。
頑張ることは大事だが、ただ頑張れば良いというわけではない。どこでどう頑張るかを考えなければならない。そして時には、どこでどう”頑張らないか”も考えなければならない。
それが大事なのである。